新大使紹介


インタビュー“焦土から経済大国へ”に強い関心

—ファイサル トゥラード新駐日大使に聞く—
 当協会は、8月20日に着任したトゥラード・サウディアラビア駐日大使を名誉会長に迎え、この度、大使へのインタビューを行った。インタビューの中で大使は敗戦の焦土の中から立ち上がり世界第二の経済大国に成長した我が国の偉業に強い関心を抱いていると述べた。

新駐日サウディアラビア大使のプロフィール
氏名  ファイサル ハサン アハマド トゥラード
1956年1月28日生れ
1978年 アブドルアジーズ大学経済学士
1978年〜1982年 外務省経済局
1981年〜1985年 在英国サウディアラビア大使館二等書記官
1985年〜1990年 在ベルギー国サウディアラビア大使館一等書記官
1990年〜1998年 外務省二国間経済局長
1998年〜2001年 外務省多国間経済局長
2001年〜2004年 在カイロ・アラブ連盟大使・サウディアラビア常任大使
2004年8月20日 駐日サウディアラビア特命全権大使として着任
ナディヤ夫人との間に5人の子息


日本のどういうところに関心をお持ちですか?

 第二次大戦後、日本人がどのようにして敗戦の焦土の中から立ち上がり、世界第二の経済大国になるまで復興を成し遂げたのかをもっと知りたいですね。


日本文化について何に興味をお持ちですか?

 「武士道」についてもっと勉強したいですね。ムスリムが自尊の精神を持ち名誉を重んじ誠実さを持っていかに生きるかに通じるものがあるからです。


大使の長い外交官生活の中で印象深いことは何ですか? 苦しかったことや嬉しかったこともお話しください。

 1980年、若い外交官としてロンドンに赴任した時の話ですが、エリザベス女王のお茶会に他の館員と一緒に招かれたことがあります。若い外交官にとって英国王室の方々にお会いすることはすばらしい経験でしたが、そのとき私は、大使になって最前列で王室をお迎えするという夢を抱きました。その夢は実現し、今般、私は駐日サウディアラビア大使となって天皇・皇后両陛下に拝謁する栄誉に浴することになったのです。

 対応が難しいのは、誠実さと敬意を欠いた人達ですが、私の満足感は、私の真のムスリムとしての行動と信条に由来すると確信しております。


来年は日本・サウディアラビア国交樹立50周年を迎えますが、特別な記念行事をお考えですか?

 来年3月25日に「愛知万博」が始まりますが、その1週間前に、日・サ国交樹立50周年記念行事を考えております。さらに緊密な友好関係を構築するために、エネルギー分野だけでなく、両国の若い世代に就業機会をもたらす他の産業にも重点を置くつもりです。

 また、両国関係促進や、より広範な協力関係と社会生活、とくに両国国民の文化交流の促進にも努めたいと思います。
具体的には「サウディアラビア週間」を日本で開催したいと考えております。

 このイベントでは政治・経済・文化・科学・技術等の諸分野における両国の協力関係について取り上げ、理解を深めてもらおうと考えております。


愛知万博は「愛・地球」博と呼ばれています。サウディ館を見るのが楽しみですが、サウディの催し物のコンセプトは何ですか?

 ムスリム社会の人々は神の存在と「天国か地獄」の来世を信じています。
サウディアラビアはこのテーマを「愛・地球」において実現するためあらゆる方策を講じます。

 愛知万博のサウディ館は1,000平方メートルもあり最も大きいパビリオンの一つです。来館者には、過去74年の間に成し遂げたものと、真のイスラームの価値と信仰の中心として、公正と平和と安定を守る立場のゆえに、全世界の尊敬と的となっているサウディアラビアの過去、現在、未来の姿をお見せします。


友好関係の促進強化のためには何が最も大切だとお考えですか?

 2002年のワールドカップ・サッカー大会の際、サウディチームが日本の皆様の目に触れて注目を浴びたことで、サウディアラビアに対する関心や理解が生れました。このような文化的活動を通じて、お互いが相手国で自らを表現する機会を創出することが必要です。

 このような機会をつくり出すために、来年は、①外交関係樹立50周年記念行事、②愛知万博におけるサウディ館開設、③政府担当者の相互訪問および青少年と文化活動の交流、等を計画しております。


良好な経済関係を維持するために日本企業に望まれることは?

 サウディアラビアは中東における経済大国の一つであり、他の地域とくにアフリカ諸国にとって緩衝地帯と考えられております。これはサウディアラビアへの投資が健全で有望であることを意味します。

 サウディアラビアは環境が整っており、日本のノウ・ハウや技術・専門知識の移転を必要としております。両国の経済界が手を携えて中小規模企業を支援することが両国経済関係の促進に重要な役割を演ずることになるでしょう。


草の根の友好促進活動を進めるために当協会に対するご意見ご提案があればお聞かせください。

 日本サウディアラビア協会は、両国間のすべての分野の関係強化に重要な役割を持っていると思います。両国の経済関係を積極的に進めるために、また、両国がそれぞれの地域で重要な役割を果たせるよう戦略的連携のため協会が活用されるべきだと思います。


大使として日本滞在中になさりたいことがありますか? また、公職を離れて個人としてやりたいことや日本文化に関連するテーマで学びたいことがありますか?

 過去27年間の外交官生活で2回日本を訪れたことがありますが、どちらも短く限られたものでした。今回は新たな立場で、日本の成功の秘訣や、日本を世界の最前線に成長させた日本人の偉業を実感しております。日本文化と日本人の生活様式や茶道など徹底的に勉強したいことが沢山あります。


趣味は何ですか? とくに好きな食べ物は?

 趣味はスポーツ、とくに水泳とテニスです。食べ物はアラブ料理が好きですが天麩羅も好きです。寿司に慣れるにはちょっと時間がかかりそうです。日本の牛肉は美味しいですね。


日本社会はますます深刻な家族問題に直面しつつあります。理想的な家族とはどういう家族だとお考えですか?

 日本文化は歴史に裏付けられた大変奥が深いすばらしいものです。私は文化についてたくさんの書物を読みましたが、とりわけ、品行、名誉、尊厳を説く武士道はイスラームの教えに相当すると思います。

 他の多くの国々も経験していることですが、日常生活が変化して、新しい世代にはこれらの教えがそぐわなくなっているのだと思います。しかしながら私は最後には武士道が優位に立つと確信しております。日本人や日本の家族は強固に結合し続けることでしょう。


大使、最後に日本国民にメッセージをお願いします。

 日本の皆様に「アッサラームアライクム」という言葉を送ります。イスラームの教えではこの言葉は真のイスラーム信仰者が持つ美と誠実を明示するもので、「あなたがたに平安あれ」という意味です。日本の皆様に平安あらんことを。




(※役職名等は、すべて当時のものです)


転載:「日本サウディアラビア協会報」
No.213 November2004

(2007年11月2日更新)













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