2002年FIFAワールドカップキャンプを振り返って
—協会も黒衣としてお手伝い—


サッカーワールドカップが、まださほど盛り上がりをみせていなかった2月上旬、調布市サウディアラビア代表チーム歓迎実行委員会の関係者が悲痛な面持ちで当協会を訪ねて来られた。事情を聞いてみると、東京スタジアムを持つ調布市がサウディ代表チームの公認キャンプ地になることは内定しているものの、正式決定の手続きを行うべく、先方からの連絡を再三再四催促しているが、来日を3ヶ月後に控え何ら音沙汰がなく途方にくれているという。サウディ人気質を承知している当協会は苦笑しながら助言した。「サウディ人の時間に対する観念は日本人のそれとは異なり、事を急ぐようなことはしない。しかし、然るべき時期がくればやるべきことはきちんとやる」と、案の定、それから数日後、半信半疑の同実行委員会にサウディ・サッカー協会から正式に連絡が入った。

これを契機に、調布市側からの要請もあり当協会も歓迎実行委員会の「協力団体」に名を連ね、サウディ代表チームの歓迎、応援に協力することとなった。とくに、当協会が間に立って、サウディの歴史、文化、風俗、言語などについて紹介をする役割を果たすこととなった。その一環として、4月24日の夕刻、調布市文化会館において開催された調布市主催のサウディアラビア紹介講座では、当協会の徳増事務局長がサウディについて後援を行った。一時間の講演に約70名の実行委員会関係者および調布市民が熱心に耳を傾けた。その後、会場から、サウディの一般事情に加え、サッカー事情、選手受け入れの際の注意事項などについて熱心な質問が出され、同席した駐日サウディ大使館員、サウディ人留学生らとこれに応じた。また、簡単なアラビア語会話をサウディ大使館員の発音に合わせて発生練習を行ったり、当協会が用意したサウディ民族衣装を身に着けて写真撮影を行うなど、短時間ではあったが、調布市民がサウディアラビアを急速に身近に感じられたひと時であった。

このほか、様々な歓迎行事やサウディを紹介する催しで、サウディに関する書籍や印刷物を提供したり、調布市を通じて市内の小中学生にサウディを紹介する本を配布するなど当協会の協力が成果をあげた。

ワールドカップ開幕直後の6月4日、当協会の主催により、サウディ・サッカー協会の副会長ナゥワーフ・ビン・ファイサル・ビン・ファハド殿下(サウディアラビア青年福祉庁副長官、現国王の令孫。)を団長とするW杯サウディアラビア代表団の歓迎レセプションを都内のホテルで開催した。小長会長は、歓迎挨拶の中で、サウディチームの健闘と同チームへの応援を通じての日・サ間の活発な交流を期待する旨を述べ、ナゥワーフ殿下は日本側の歓迎に対する謝意を表明した。レセプションには、当協会会員をはじめ外務、経済産業両省、日本サッカー協会、調布市関係者など約100名が出席した。

調布市がサウディチームの応援体制を整える中、当協会も加盟企業・団体から応援希望者を募り、入手困難な観戦チケットを在京サウディアラビア大使館の協力により入手し、5月下旬までに応援体制を整えた。6月6日の埼玉スタジアムでの対カメルーン戦および11日の横浜スタジアムでの対アイルランド戦では、300名を超す当協会関係者がサウディ国旗を手にサウディチームに熱い声援を送った。

残念ながらサウディチームは一つの勝利も上げることはできなかったものの、日・韓共同開催のワールドカップへのサウディチームの出場を機に様々なイベントが行われ、マスコミでいろいろと報道されたことによって、キャンプ地調布市の市民はもとより、多くの日本人が砂漠と石油の国としてのイメージしか抱いていなかったサウディアラビアの素顔を知る良い機会となり、同国と日本の精神的距離がまた一つ縮まったことは確かである。


日本サウディアラビア協会 事務局


サウディアラビア紹介講座 カメルーン戦での応援
サウディアラビア紹介講座 カメルーン戦での応援
 
協会主催レセプション。右からワリー臨時大使、小長会長、ナゥワーフ殿下、吉尾前調布市長、林副会長 対カメルーン戦
協会主催レセプション。右からワリー臨時大使、小長会長、ナゥワーフ殿下、吉尾前調布市長、林副会長 対カメルーン戦

転載:「日本サウディアラビア協会報」
No.209 September2002













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