2002年FIFAワールドカップキャンプを振り返って
—サウディキャンプと日韓共催—


アイルランドサポーターで埋め尽くされた横浜国際競技場の中、ゴール裏でサウディアラビアを応援する外国人の一団の中に私はいた。なんの疑いもなくまわりの彼らを母国の人たちだと思っていたが、試合が始まると、私の右隣に座ってその一角の応援扇動を熱狂的に行っている若者はモロッコ人だとわかった。またその彼に雷同して大騒ぎしている友人らしきサポーターはチュニジア人、さらに私の左隣の席で静かにかつ熱く観戦しているサンコンさん似の男性はエジプト人だということもわかった。

少しして、持参したサウディ国旗を前かけがわりに応援している私に、後ろの席から「国旗を持ってきてくれて大変うれしい。しかし絶対にお尻に敷いて椅子に座らないでください、大切な事が書いてありますから」と注意をしてくれたのは今度はサウディアラビア人だった。

イスラームの同胞であるサウディチームを応援するそのゴール裏には音楽あり、情熱あり、ため息あり、席をお互いで譲り合う優しさあり、また厳しさありの、アイルランド一色のスタジアムの中でこの一角だけはその雰囲気に全くのまれていなかった気がした。

後日、最後の洪明甫がPKを決め、韓国がベスト4進出を決めた瞬間、自宅でテレビ観戦していた私は、力強く両手でガッツポーズをとっていた。洪がJリーグで活躍していた選手ということもあったが、日本が決勝トーナメント1回戦で敗退していたこともあり、韓国チームの闘志あふれるプレーにいつのまにか魅了されていたことも重なって、無意識のうちに韓国を応援するようになっていた自分がその時、新鮮だった。数分後、横浜国際競技場でサウディアラビアを応援していたあのイスラーム同胞サポーターたちを思い出した。そして同時に、自分がアジアの隣国、韓国を心から応援する気持ちに切り替わっていたことに大きな喜びを感じていた。

今回の調布市でのサウディアラビアキャンプ歓迎活動と日韓共催サッカーワールドカップを通じて得たものは、はかりしれなく大きい。

依田 耕児(調布市サウディアラビア歓迎実行委員会 事業部長兼応援団長)



実行委員会の人たち(左端:依田応援団長) カメルーン戦での応援
実行委員会の人たち(左端:依田応援団長) カメルーン戦での応援
 

転載:「日本サウディアラビア協会報」
No.209 September2002













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