ハディースQ&A |
Q: |
ハディースとは何ですか? |
A: |
ハディースともスンナとも言われますが、この二つの言葉は厳密には細かな相違があるとはいえ、後世のハディース学者たちの間では同義語とされています。ハディースあるいはスンナとは、預言者の言葉・行為・決定・特徴(性質)のことです。スンナはクルアーンに次ぐイスラームの根源の1つで、イスラーム教徒はたいへんこれを重要視します。 |
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Q: |
ムスリムにとってハディースはクルアーンほど重要ではないのでしょうか? |
A: |
いいえ、同じくらい重要です。クルアーンと同様、ハディースの中で預言者が命じたことには従い、禁止したことは避けなければなりません。クルアーンの星章3−4節の『彼は自分の望むことを言っているのではない。それは彼に啓示されたお告げにほかならない。』というクルアーンの節からもわかるように、預言者は個人的な欲望により言葉を発していたからではないからです。 |
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Q: |
サヒーフと分類されるハディース集があると聞きましたがそれはなんですか? |
A: |
アルブハーリー、ムスリム、アッティルミズィー、イブン マージャ、マーリクのムワッタア、アハマドのムスナド、アッダ―ルミ−をそれぞれ著者とする多くのサヒーフのハディースが集められた本です。 |
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Q: |
サヒーフとはどういう意味ですか? |
A: |
アラビア語で「正しい」という意味です。ハディース サヒーフとは、預言者へとさかのぼる伝承者たちの名前などが明らかにされており、なおかつその者の伝承したハディースが正しいものです。厳密にはハディースがサヒーフであると判断されるには、非常に多くの条件をクリアーしていなければなりません。 |
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Q: |
ハディース サヒーフには従わなければならないのですか? |
A: |
はい。というのもクルアーンには「預言者が命じたものをとり、禁じたものを終結させなさい」とあるからです。 |
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Q: |
ハディースはいつから書かれていたのですか? |
A: |
預言者の生存中からです。 |
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Q: |
ハディースの暗記・伝承・筆記はどれくらい厳密におこなわれたのでしょうか? |
A: |
非常に厳密におこなわれていました。一文字違うハディースはもとのハディースとは同様とはみなされませんでした。ハディースをその内容で伝承する者もいましたが、その際はそれが意味の伝承であることを明らかにしなければなりませんでした。 |
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Q: |
ハディース学で有名な場所はどこですか? |
A: |
アルマディーナの町です。というのもここで預言者が生活していたため、多くの伝承が残ったのです。 |
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Q: |
公式にハディース編纂が始まったのはいつですか? |
A: |
ウマイヤ朝カリフのウマル ブン アブドゥルアズィーズの時代です。貴重な知識である預言者の言葉などを失わないようにするために命じられました。 |
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Q: |
ハディース クドゥスィーとクルアーンはどう違うのですか? |
A: |
クルアーンは天使によってアッラーの言葉と意味が啓示されましたが、ハディースコドゥスィーは預言者による「アッラーが仰られたところによると…」という言葉が付け加えられています。 |
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Q: |
ハディースはどのようにしてムスリムたちに伝わっていったのですか? |
A: |
すべてのサハ−バ(教友たち)が同じハディースを伝承したわけではありませんでした。もともと預言者からハディースを聞いたサハ−バたちはのち、アルマディーナを出発し、各地へ散らばっていきました。そのときにハディースもサハ−バたちによって各地へ伝わったのです。
ですから、シャームの地の者だけが知ってるハディース、アルマディーナの者だけが知っているハディース…などがでてきました。そのためハディースの収集者たちは祖国のみにとどまらず、ハディースを求めて各地を旅しました。こうしてハディースは各地に伝わっていきました。中にはその一生をハディースを求める旅に費やした者たちもいました。またこの旅によってイスラーム諸国の知識的・学問的一体化が進みました。 |
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