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ハディースの理解とそれが導くこと |
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1 義務として課されたことをまもること。
ファルドあるいはワージブとはアッラーが彼のしもべに義務付けたことで義務のサラート(礼拝)・ザカート(喜捨)・ラマダーンのサウム(断食)・ハッジ(大巡礼)などのことです。
ファルドにはファルド アイニーと呼ばれる成人ムスリム一人一人に課される義務(1日5回の礼拝・ザカート・ラマダーンの断食など)とファルド キファーイーと呼ばれるものがあります。
ファルド キファーイーとは、一部のムスリムがそれを行うことによって残りの人々が罪から免れ、また誰もそれを行わなかった場合は全員の罪となることです。例えば葬儀の礼拝、サラーム(挨拶)を返すこと、善を命じ悪を禁じることなどが挙げられます。
2 アッラーからその詳細が定められている刑罰はそれに従って行われること。
アッラーからその詳細が定められている刑罰は定められたとおりに行われ、罰を重くしたり、あるいは逆に軽くしたりしてはいけません。これに含まれる刑罰は、姦通罪・窃盗・飲酒を犯した者たちへの刑罰などです。例えばアルクルアーンには次のような節があります。
アンヌール章4節『貞節な女を非難して4名の証人を上げられない者には、80回の鞭打ちを加えなさい。決してこんな者の証言を受け入れてはならない。かれらは主の掟に背く者たちである。』
3 禁じられたことに近づいたり行ったりすることの禁止
特に強調してアルクルアーンとスンナの中で禁じられているものには、嘘の証言を行うことや父親のいない子供の財産を不当に奪うこと、また利子の取得などが挙げられます。
アルアンアーム章151節『…また公でも隠れていても、醜い事に近付いてはならない…』
また預言者は「すべての酔わせるものは禁じられている。」と言いました。
また「あなたがたの血・財産・名誉はあなた方にとって神聖で冒してはならないものである。」と言いました。
アルマーイダ章87節『あなたがた信仰するものよ、アッラーがあなたがたに許される、良いものを禁じてはならない。』
4 アッラーの彼のしもべたちへの慈悲
この世にはアッラーがそれについて言及していない物事がありますが、それはアッラーが忘れたり間違えたということではなく、アッラーのしもべたちへの慈悲のあらわれなのです。ですからもし、それを行ったとしても行わなかったとしても、咎められる事はありません。
マルヤム章64節『…あなたがたのあるじ主は決して忘れられない。』
ターハー章52節『…それに関する知識は、書冊に記されて主の御許にあります。わたしの主は、誤りを犯すこともなく、忘れることもありません。』
5 意味のない無駄な追求や質問をすることの禁止
特に預言者が生存中は意味のない質問などを多くすることは禁じられていました。というのもその質問が原因となって義務あるいは禁令に関する節が下される可能性があったためです。そしてそれによってムスリムたちが自分たちの首を占める結果に陥る可能性があったためです。
アルマーイダ章101節『信仰する者よ、いろいろと尋ねてはならない。もしあなたがたに明白に示されると、かえって悩まされることもある…』
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