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ハディースの理解とそれが導くこと |
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1 アッラーから命じられたことを自分のできる最高の形で行うことの義務
アルクルアーンのアンナフル章90節には次のようにあります。
『本当にアッラーは公正と善行を命じ・・・』
またアルバカラ章195節には次のようにあります。
『また善いことをしなさい。本当にアッラーは善行を行う者を愛される。』
義務と命じられていることを行い、ハラームのものを避け、命じられた人格によって行為を行うことをより完璧に行うことはもちろんですが、その他の礼節に関してもこれを行えば、その行為はアッラーから受け入れられ、報奨が増大します。
2 殺害に関するイフサーン(よい形で行うこと)
これは殺害に関して、相手が楽に死ねるようにすることです。イスラームで許されている殺害はジハード・キサース(報復)・刑罰です。
- イスラームの敵とのジハードにおける不信仰者の殺害に関して次のようにアルクルアーンには書かれています。
ムハンマド章4節『あなたがたが不信心な者と(戦場で)見える時は、(かれらの)首を打ち切れ。』
また預言者ムハンマドは戦闘において、アルムスラ(生存中であろうが死後であろうが、肉体の一部を切断すること)を禁止しました。
ただしイスラームでは銃や大砲を戦争に使うことはゆるされています。
アルバカラ章194節『誰でも、あなたがたに敵対する者には、同じように敵対しなさい。』
イスラームの敵である不信仰者たちはその戦いにおいて、敵を殺さず、生かしながら苦痛を与える方法をたくさん取ってきました。あるいは、肉体の一部を切断し、通常の生活を営めないようにしたものでした。これは経済的、また、精神的な攻撃でした。
しかしイスラームではこれらのことを目的に戦うことを禁じています。
- キサースにおける殺害に関して
マーリキー・シャーフィイー・ハンバリー学派では殺害されたのと同じ方法で報復がなされるとしています。
ハナフィー学派・ハンバリー学派の一部はキサースは剣によってのみ行われるとしています。
両者ともアルムスラ(体の一部切断)と燃やすことを禁止しています。
- イスラーム離脱行為への罰としての殺害に関しては同じく体の一部切断と燃やすことが忌み嫌われています。
3 火で燃やすことの禁止
アルブハーリーのサヒーフ集によると預言者が一度火で燃やすことを禁じ、その後許可したことが確定しています。これは従順さを強化するためでした。
アルブハーリーによると預言者は言いました。「至高のアッラーの罰で罰を与えてはならない。」
これは預言者による教育が、強国による以前に核禁止を命じていることがあげられます。皆さんご存知のようにこれらの強国は、自らが決定し、他国にそれを強要している核禁止条約を守ってはいないのですが…。
またイスラームにおける火による罰の禁止は人間だけでなく、植物・動物にも及びます。
また生きている魚を焼くことも禁止されています。
4 動物を閉じ込め殺害することの禁止
預言者は動物を閉じ込め、殺害のためにそこに弓などを射ることを禁じました。これはムスリムとアルブハーリーの伝承によってこのハディースが正しいと確定されています。またイブン ウマルは彼がニワトリを生け捕りにしてそれから(石などと思われる)投げて殺害したある民の前を通り過ぎたときに次のように言いました。「だれがこれを行ったのか?預言者(アッラーよ彼に祝福と平安を与えたまえ)はこれを行ったものを呪った。」
5 狩猟のためだけに生き物を標的とすることの禁止
また預言者は動物に弓を射、その後食べることを禁じ、ザバハ(イスラームの規定による屠殺方法)をし、その後で行いたければ、弓を射なさいと言いました。
6 動物のザバハ(屠殺)におけるイフサーン
イスラームにはムスリムがザバハをする際に守る礼儀があります。これはナイフの刃を良く研ぎ、動物が簡単に死ぬようにすることです。
またイスラームはこれら動物に対する優しさも説いています。
つまり、動物をつれて来る時には優しく引き、その際、耳を引っ張ったりせず、首を引くということです。
またザバハに使うナイフは屠殺のその時まで動物から見えないようにします。
また頚動脈を切って殺し、他の部分は傷つけないようにします。預言者は皮を切り、頚動脈を切らないことを禁じました。
また自分より前にザバハされる動物を見せないようにし、他の動物がいるところでザバハをしないようにします。
ザバハの時にはバスマラ(アッラーの御名を唱えること)を言い、犠牲とするニーヤし、アッラーの恩恵を認めます。
また普段から動物にはその能力以上のことを課してはならず、ミルクを絞るときも、その動物の子どもの害にならないようにしなければなりません。
7 このハディースはムスリムがすべてにおいてイフサーンを行うことを奨励している。
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