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アラビア語を通じて伝わった外来語

 
 我々が普段何気なく使っている言葉の中には、アラビア語に起源をもつものが多くあります。アラブ世界においてアラブ・イスラーム文化、科学、商業が花開いていた時期に、ヨーロッパ人が輸入するなどしたのが、それらの単語です。さて、一体どんな単語が輸入されたのでしょうか。英語におけるいくつかの例を、実際に見てみましょう。

 下の表には、1)もともとアラビア語だった単語、2)ギリシア やペルシアなどからアラビア語に輸入され、そのアラビア語を通じて英語に輸入された単語などがあります。ごく身近な単語の多くが、表の中にたくさん入っていますね。海洋、自然科学、医学といった、当時のアラブが得意としていた諸分野を通じて、それらの言葉が西洋に伝わっていったことがうかがえます。われわれが親しんでいる星の名前の多くも、アラビア語に由来しています。

 アラビア語の「al(アル)」は英語の定冠詞「the」に相当します。物事や事柄を限定して「この〜」「その〜」という意味を与える「al(アル)」ですが、外来語として伝わる過程で 、単語にそのままついた場合もあれば、つかなかった場合もありました。英語で単語の最初に「al-」がついている場合、それはアラビア語の定冠詞に由来していることを示しています。

 もともとアラビア語には、「p(プ)」「v(ヴ)」「ch(チ)」「ca(キャ)」などの音がありません。しかし、他の言語を経由しているうちに、「w」が「v」に変わるなどし たケースも多く見られます。星の名前「Al-Nasr Al-Waaqi`」の「W」が、「Vega」の「V」に変わっているのも、そのためです。
 
アラビア語由来・アラビア語経由の英単語
admiral【アドミラル:海軍大将、海軍司令官】
「アミール」=「指揮官」、「バハル」=「海」。
أمير البحر
アミール・ル・バハル
alchemy【アルケミー:科学】
ギリシア語から輸入されたアラビア語が語源。

الكيمياء
アル・キーミヤーゥ

alcohol【アルカホール:アルコール】
コホルはアラブの黒いアイライン。

الكحل
アル・コホル

Aldebaran【アルデバラン】
おひつじ座にある明るい星の名前。プレイアデスの「後に続く、後にやってくる」ため、このように命名された。
الدبران
アッ・ダバラーン
algebra【アルジェブラ:代数学】

الجبر
アル・ジャブル

Algol【アルゴール:アルゴール】
ペルセウス座にある星。「グール」は人を食らうとされる怪物の名前。
الغول
アル・グール
algorithm【アルゴリズム:アルゴリズム】
アル・フワーリズミーという人名が語源。フワーリズムはアラブ地理学者らがつけたアラル海の名称。

الخوارزمي
アル・フワーリズミー

alkali【アルカリ:アルカリ】

القلو
アル・キルウ

Altair【アルタイル:アルタイル、ひこぼし】
わし座の星。「アン・ナスル・アッ・ターイル」=「飛翔するワシ」というアラビア語の後半部分だけをとったもの。
النسر الطائر
アン・ナスル・アッ・ターイル
amber【アンバー:琥珀】

عنبر
アンバー

arsenal【アーセナル:兵器庫、蓄積】
アラビア語での原意は「workshop(作業場、工作場)」。

دار الصناعة
ダールッ・スィナーア

average【アヴェレッジ:平均】
「アワール、アワーリヤ」=「海損(分担)額」。海洋貿易において出た損害を各者が分担するというシステムに由来。
عوار / عوارية
アワーリヤ / アワール
candy【キャンディ:飴】
アラブ世界で使われている外来語「カンド(キビ砂糖)」が語源。

القند
(アル・)カンド

checkmate【チェックメート:王手詰み】
「アッ・シャー・マータ」=「王が死んだ」。「シャー」はペルシア語で、「王」の意味。ペルシアから伝わったチェスの用語がアラビア語を介して伝わった。
الشاه مات
アッ・シャー・マータ
coffee【コーフィー:コーヒー】

القهوة
(アル・)カフワ

cotton【コットン:綿】

القطن
(アル・)クトゥン

deneb【デネブ:デネブ】
白鳥座にある大きな星の名前。「ザナブッ(口語ではダナブと聞こえる場合があります)・ダジャージュ=「鶏の尾っぽ」で、そのうちの「ザナブ(尾)」という部分だけが英語での星座名になっています。
ذنب الدجاج
ザナブッ・ダジャージュ
gazelle【ガゼル:ガゼル】

الغزال
アル・ガザール

jar【ジャー:ジャー、広口ビン】

الجرة
(アル・)ジャッラ

jubba【ジュッバ:幅広の衣服】
日本語の「襦袢(じゅばん)」は、アラビア語の「ジュッバ」がポルトガル語を介して伝わったもの。
جبة
ジュッバ
lemon【レモン:レモン】
ペルシア由来の単語が、アラビア語を通じて輸入され、「lemon」となった。

ليمون
(ライムーン)

magazine【マガズィン:雑誌、倉庫】
「マフザン」=「貯蔵場所、倉庫」
المخزن
(アル・)マフザン
massage【マッサージ:マッサージ】
「マッサ」=「ふれる、さわる」
مس
マッサ
mattress【マットレス:マットレス】
「投げる場所」から転じて、「住まい、座る場所」を意味する単語から「マットレス」に転じた。

المطرح
(アル・)マトラハ

minaret【ミナレット:ミナレット、光塔】
トルコ語を通じて伝わった。

المنارة
(アル・)マナーラ

mocha【モカ:モカコーヒー】
出荷される港の名前が由来。
مخا
ムハー(ムカーとも聞こえる)
monsoon【モンスーン:季節風】
「モウスィム」は「季節」の意味。

الموسم
(アル・)マウスィム

mosque【モスク:モスク】
アラビア語「マスジド」がイタリア語を介して伝わった。

المسجد
(アル・)マスジド

muslin【モズリン:モスリン、綿織物】
現在のイラクにある都市「マウスィル」に由来
موصلي
マウスィリー
orange【オレンジ:オレンジ】
アラブ世界にあった外来語が輸入されたもの。

النارنج
(アン・)ナーランジュ

racket【ラケット:ラケット】
「ラーハット」=「手のひら」

الراحة
(アッ・)ラーハット

safari【サファリ:サファリ、探検旅行】
アラビア語の「サファル(旅)」がスワヒリ語に輸入され、のちに英語にも伝わった。

السفر
(アッ・)サファル

Sahara【サハラ:サハラ】
「サハラーゥ」=「砂漠」。

الصحراء
(アッ・)サハラーゥ

saluki【サルーキ:サルーキー】
中東原産の犬の品種名。

السلوقي
(アッ・)サルーキー

sofa【ソーファ:ソファー】
「スッファ」は、壁から突き出た棚などを指す。

الصفة
(アッ・)スッファ

sherbet【シャーベット:シャーベット】
「シャルバット」=「飲み物」

الشربة
(アッ・)シャルバット

sugar【シュガー:砂糖】
「スッカル」=「砂糖」。ちなみに、アラビア語における「スッカル」自体も、外来語。

السكر
(アッ・)スッカル

syrup【シロップ:シロップ】
「シャラーブ」=「飲み物、シャーベット」。

الشراب
(アッ・)シャラーブ

tabby【タビー:ぶち猫、平織り(タビー)】
バグダードにある織物街の名前「عتابي」に由来。
عتابي
ウタービー
tambourine【タンバリン:タンバリン】
「トゥンブール」は楽器のドラムの一種。
طنبور
トゥンブール
tariff【タリフ:関税】
「タアリーフ」=「知らせること」
التعريف
(アッ・)タアリーフ
Vega【ヴェガ:ベガ、おりひめ星】
「降下するワシ、降り立つワシ」を意味する「アン・ナスル・アル・ワーキウ」の「ワーキウ」が「ヴェガ」に転じた。
النسر الواقع
アン・ナスル・アル・ワーキウ
zero【ズィロウ:ゼロ、0】
「スィフル」=「ゼロ」。ゼロの概念はインドからの輸入。
صفر
(スィフル)
 

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