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アラビア数字とインド数字
 

 私たちが日常何気なく使っている算用数字「1、2、3、4」は一般にはアラビア数字と呼ばれます。これは「T、U、V」というローマ数字に対してつけられた名前です。

 インド数字がアラブ世界へ入った経路としては、先ずアッバース朝の第二代の教王アル・マンスールがインドの天文書を求めて(シダーンタ)を得たことが考えられます。そうして教王がその翻訳をムハンマド・イブン・イブラヒーム・アル・ファザーリーに命じたのが772/3年とされているそうです。(矢島 裕利著『アラビア科学の話』による)

 アラビア数字は、8世紀の後半にインドからアラビアに入ってきた、1から9までの数字と、0の記号で表す位取りが取り込まれることによって、アラビア世界で発達しました。

 これがヨーロッパに伝わったのは12世紀後半と言われます。しかし、実際に実用化されるまでは時間がかかり、15世紀になってから、ようやくイタリアの貿易商館から、ドイツ、オランダ、フランス、イギリスの商人の息子たちが彼らの知識を故郷に持ち帰り、次第に浸透したと言われます。

 現在でもアラビア人は、インドで発見されたこの算用数字を「インド数字」と呼んでいます。ジクリト・フンケ著、高尾 利数訳『アラビア文化の遺産』では、これについて“アラビア数字はヨーロッパを征服し、地上のすべての文化的民族の自然科学、技術、経済、交通におけるその根本的役割を未来永遠にわたって引き受けたのである”と語られています。
 

インド数字 読み方 つづり方 アラビア数字 画数の概念
スィフル
0  
ワーヒド
1
イスナーン
2
サラーサ
3
アルバア
4
ハムサ
5
スィッタ
6
サブア
7
サマーニヤ
8
ティスア
9
 

 現在アラビア人が使っているアラビアの数字(「インド数字」とアラビア人は言います)は、私たちが使っている算用数字とは形が異なります。 上の表を見ても、形が同じなのは「1」や「9」ぐらいであることがわかると思います。

 それにもまして、アラビア語を学習する人が戸惑うのは二桁以上の数字の書き方、および読み方が、独特であるということです。

 例えば「21」は「ワーヒドゥン ワ イシュルーナ(♪録音を聞く)」と言います。ワーヒ ドゥンは「1」、イシュルーナは「20」を表します。日本人が親しんでいる21の数え方、つまり20を先に読み1を次に読む方法とは逆です。 2つの数の間に入っている「ワ」は、英語の「and」に相当する単語で、「〜と」もしくは「そして」といった意味を示します。

 インドから輸入されたインド数字は、アラビア文字の部分と違い「右から左」ではなく「左から右」の方向に書かれます。しかし、読むときは上のような順番で読みます。

 では、「121」はどのように読むのでしょうか?「121」は、「ミアトゥン ワ ワーヒドゥン ワ イシュルーナ(♪録音を聞く)」と読まれます。「ミアトゥン」は「100」、「ワ」は「〜と」という意味の接続詞、ワーヒドゥンは「1」、イシュルーナは「20」を表します。つまり、「100」を表す「ミアトゥン」に、「21」を示す「ワーヒドゥン ワ イシュルーナ」を足した形になります。「100」+「1」+「20」という形、つまり「100の位」→「1の位」→「10の位」という順番で読まれているのです。

 さらに「1000」が加わるとどうなるでしょうか?この場合、「1121」は「アルフン ワ ミアトゥン ワ ワーヒドゥン ワ イシュルーナ」と読まれます。ここでは「1000の位」→「100の位」→「1の位」→「10の位」という順番で読まれているのです。しかし、年号などの場合、アラビア語的に「右から左」、つまり「1の位」→「10の位」→「100の位」→「1000の位」と流して読むこともあります。

 このような数字の読み方に、みなさん驚かれたかもしれません。しかし、アラビア語における数字の読み方だけが変則的なのでは有りません。実はドイツ語も 、アラビア語と同じく25の場合は、「5と20」という形で読まれるのです。 このような数の数え方は、ドイツ語と関係の強かった古英語にも見られる用法です。

 これはなぜでしょうか?答えは、「ドイツ人は中世にアラビア数字がドイツに紹介された時から1の位を最初に読むことを好み、アラビア式になってしまったから」だと言われています。進んでいたアラブ文化を取り入れ、積極的にアラブ化した名残でしょうか。

 数字のことで、アラビア語を学ぶ人がしばしば混同するのは以下のような点です。(1)アラビア語の数字(=インド数字)の「5 」は、英語などで使われている算用数字(=アラビア数字)の「0」のように丸い  (2)アラビア語の数字(=インド数字)では「ゼロ」がただの小さな点なので、コンマなどと区別できなかったり、見落としたりするケースがある

 数字を専門に扱う会計係は記帳の際にそのような間違いが起きただろうと想定して、間違いを見つけます。 アラビア数字とインド数字を同じ会計簿の中で使用すると混乱が生じるため、職場でどの数字を使うのかといったルール付けを行うことが、アラブ世界ではしばしばなされています。

 現在、世界中のほとんどの人々は、アラブ世界を通じてもたらされたアラビア数字の恩恵を受けて日常生活を送っています。高度に発達した近代科学や文化が、今日私たちに豊かな生活をもたらし、万民がその恩恵 を享受しています。そのことを考えた時、我々は改めてその遺産の尊さを感じるのです。

 


数学における未知数X


 みなさん、中学校の数学の授業を覚えていますか?その中で、Xという文字を使った2次方程式を学ばれたことと思います。このXの由来について、面白いエピソードがあります。

 アラブ・イスラーム世界の数学者アル・フワーリズミーは、2次方程式に2つの根があることを、彼の書物のラテン語訳を通じてヨーロッパ世界に伝えました。アル・フワーリズミーは、彼の書物の中で2次方程式における未知数を、とある単語で示すことを考えつきました。それが、「shay'」(シャイ=とあるもの)という単語です。彼の著作がヨーロッパに伝えられる段階で、「x」を「sh(シ)」と読むスペイン語を通過する際に、shay'の「s」が「x」に置き換えられたといいます。われわれが未知なるものを「x」と呼ぶことには、このような背景があるとされています。
 


イスラーム暦
 

 アラブ諸国やイスラーム圏では、太陽の運行に基づいて制定されている西暦と、月の運行に基づいて制定されているイスラーム暦(ヒジュラ暦)が常に併用されています。その ため、カレンダーや、日刊新聞は両方の暦を記載しています。というのも、どちらの暦も必要だからです。

 イスラームでは金曜日の昼は合同礼拝をする重要な1日で(注:安息日としての扱いはありません)、多くのアラブ諸国において週の休日と なっています。土曜日はユダヤ教徒 にとっての安息日、日曜日はキリスト教徒にとっての安息日となっています。欧米や日本など、たいていの国では日曜日が週の休日となっていますが、サウジアラビアを始めとするイスラーム諸国では金曜日が週の休日、そして水曜日から木曜日にかけてが、日本でいう週末にあたります。

 一日の礼拝時間は、太陽の動きにより異なります。そのため、ムスリムはその日の日の出時間、日没時間に注意を払います。

 一方、ラマダーン月(=断食が行われる月)の始まりや終わり、イスラームの祝祭日、巡礼などは全て月の運行に基づいたイスラーム暦に従います。イスラーム暦は 、太陽の運行に基づいている西暦と比較すると、1年の日数が11日も短 くなっています。そのため、イスラーム暦に基づいて行われるイスラームの各種宗教儀礼は、西暦においては毎年異なる日に行われるのです。

 たとえば、ムスリム達が断食を行うラマダーン月がこの何年かの間は秋に来ているとしても【西暦2003年においては、ラマダーン月1日が、10月26日頃にやってくるものと予測されています】、この月の開始は年が経つごとに、11日ずつずれていくのです。つまり、今秋に1ヶ月行われている断食も、やがては夏、そして春に行われることになります。

 ハワード・R・ターナー著、久保由儀明訳『図説科学で読むイスラム文化』は、以下のように記述しています。

 ・・・・・イスラム文明の黎明期において、第二代のカリフのオマルは、預言者ムハンマドがマッカを逃れてメデイナに移住した年(紀元後622年)を元年とする新たな暦法を制定した。それ以降イスラム教徒は、グレゴリオ暦の紀元後(AD)の代わりにヒジュラ暦にもとづいた日付けを使用してきた。・・・・・・・英国がグレゴリオ暦を採用したのが18世紀であったことを考えればイスラム暦の方が先行しているということもできる。

 最後に、暦法の換算式を以下のとおり示しています。知っておくと便利です。

 西暦を求める場合

   西暦=622+(32/33 x イスラーム暦)

 イスラーム暦を求める場合

   ヒジュラ歴=(33/32) x (西暦−622)
 



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