アラビア文字の書き方と発音
- 補助的文字 -
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ターゥ・マルブータ(taa' marbuuTah) |
ة
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アラビア語のアルファベットには含めませんが、 ハムザ同様頻繁に使用されます。
単語の最後にしか来ない文字なので、語中・語中に来ることはありません。この文字によって、単語の性が女性であることを示します(注:例外も若干あります)。 |
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独立形のつづり方 |
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右回り(時計回り)の丸(=haa')を書いたら、上に点を2個書き足します。 |
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ターゥ・マルブータの性質と発音
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形態
ハーゥ(ه)に点を2つつけた文字として認識されていますが、形的にはターゥ(ت)が丸くなったように見えるため「結ばれたターゥ(ターゥ・マルブータ)」という名前がついています。アラブ人がメモ書きをする際に、「ターゥ・マルブータ」の代わりに点のない「ハーゥ」を書くのはそのためです。
前に来る母音
ターゥ・マルブータの前に来る母音は常に「a」です。
示す子音
ターゥ・マルブータは単語の最後にしか来ない文字で、「単語の最後に来る音をどのように読むか?」というルールと密接な関わりを持っています。読み方によって、次の2種類の音を与えられます。
次の単語とつなげて一息に読む時 |
عُمَرَ |
حَقِيبَةُ |
`umara
(ウマラ) |
haqiibatu ( ハキーバトゥ ) |
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ターゥ・マルブータ(ة)が最後に来る単語と、次の単語の間で息継ぎをせず、一息につなげて読む場合、ターゥ・マルブータは「t」の音を持ちます。ターゥ・マルブータについている母音もしっかり読まれます。
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次の単語とつなげず、ターゥ・マルブータのところで息継ぎをする時 |
فَاطِمَهْ
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←
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فَاطِمَةُ
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faatimah
ファーティマ(フ)
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faatimatu
ファーティマトゥ
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ターゥ・マルブータ(ة)が最後に来る単語と次の単語の間で息継ぎをせず、一息につなげて読む場合、ターゥ・マルブータは「h」の音を持ちます。(注:「ワクフ」といって、単語の最後に来る文字についている母音を子音に変えるという仕組みがあるため、「h」にはスクーンがついています。)
しかし、実際には、この「h」の音ははっきりと聞こえません。通常は、「h」の前に来る母音「a」の部分で発音を止めて、息継ぎをしているように聞こえます。
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つづり方 |
ـة |
なし |
なし |
単語の最後 |
単語の途中 |
単語の先頭 |
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この文字は後に来る文字と連結させません
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なし |
語頭形:単語の最初に 来ることはありません。 |
なし |
語中形:単語の途中に来ることはありません。 |
فَاطِمَة |
語末形:単語の最後にあるため、前の文字とだけ連結し、 ターゥ・マルブータのところで連結を強制的に切ります。連結方法は「ハーゥ」と同じで、上に点を2つつけるという違いしか存在しません。
上の単語【faaTimah(ファーティマ)(人名)】は、ターゥ・マルブータの前に「m」が連結して終わっています。
下の単語【wizaarah(ウィザーラ)(省)】では、ターゥ・マルブータの前に「r」を示す文字が来ていますが、後に来る文字とは連結しないため、ターゥ・マルブータが独立形で書かれています。 |
وِزَارَة |
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