アルファベット |
ج |
ث |
ت |
ب |
ا |
(5)ジーム [ jiim ] |
(4)サーゥ [ thaa' ] |
(3)ターゥ [ taa' ] |
(2)バーゥ [ baa' ] |
(1)アリフ [ 'alif ] |
ر |
ذ |
د |
خ |
ح |
(10)ラーゥ [ raa' ] |
(9)ザール [ dhaal ] |
(8)ダール [ daal ] |
(7)ハーゥ [ khaa' ] |
(6)ハーゥ [ Haa' ] |
ض |
ص |
ش |
س |
ز |
(15)ダード [ Daad ] |
(14)サード [ Saad ] |
(13)シーン [ shiin ] |
(12)スィーン [ siin ] |
(11)ザーイ [ zaay ] |
ف |
غ |
ع |
ظ |
ط |
(20)ファーゥ [ faa' ] |
(19)ガイン [ ghayn ] |
(18)アイン [ `ain ] |
(17)ザーゥ [ Zaa' ] |
(16)ターゥ [ Taa' ] |
ن |
م |
ل |
ك |
ق |
(25)ヌーン [ nuun ] |
(24)ミーム [ miim ] |
(23)ラーム [ laam ] |
(22)カーフ [ kaaf ] |
(21)カーフ [ qaaf ] |
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ي |
و |
ه |
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(28)ヤーゥ [ yaa' ] |
(27)ワーウ [ waaw ] |
(26)ハーゥ [ haa' ] |
補助的な文字
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ة |
ء |
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ターゥ・マルブータ
[ taa' marbuutah ] |
ハムザ
[ hamzah ] |
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アラビア語アルファベットの数と音
アラビア語には、全部で28個のアルファベットがあります。アルファベットとはみなされないけれども、頻繁に使われる補助的文字が、それらに加えて2つ存在します。
補助的文字は、「ハムザ」と「ターゥ・マルブータ」の2つです。これらは後代になってから発明された文字であるため、アルファベットに含まないのが普通です。
「ハムザ」は、上の28のアルファベットに含まれない子音(声門閉鎖音)を示すため、学者の中にはこのハムザを加えて、「アラビア語のアルファベットは29個ある」とする人もいます。 本によって、「アラビア語のアルファベットは全部で28」とされている場合と、「アラビア語のアルファベットは全部で29」とされている場合にわかれているのはそのためです。
アルファベット自体は漢字のように意味を持っていません。アラビア語のアルファベットが示すのは、その文字が持っている音だけです。
アルファベットの名称とそれが示す音
アルファベットにはそれそれ、「アリフ('alif)」、「バーゥ(baa')」、「ターゥ(taa')」・・・という名称がつけられています。それらのアルファベットが示す子音は、最初の「アリフ('alif)」をのぞいて、各名称の先頭に来ている文字となっています。
例) アルファベットの「バーゥ(baa')」が示す音=「b」
例) アルファベットの「ターゥ(taa')」が示す音=「t」
子音と母音記号
アラビア語のアルファベットは、すべて子音(b , t , th , j など)を表しています。 同じセム語族に属しているヘブライ語などと同じで、母音を示す文字が ありません。
つまり、文字に書き表した場合に表面上現れているのは「m」「k」「t」「b」といった子音だけなので、「実際にこれらの子音の間にどんな母音を加えるのか、それとも母音を加えないでそのままにするのか?」ということは判断できないことになります。
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b ← (a)t ← (a)k ← (a)m |
مكتب ؟ |
مكتب b ← t ← k ← m
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b ← (i)t ← (i)k ← (a)m |
مكتب ؟ |
b ← (u)t ← (a)k ← (i)m |
مكتب ؟ |
b ← (i)t ← (a)k ← (u)m |
مكتب ؟ |
??? |
؟؟؟ |
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たとえば、上の表のように「m」「k」「t」「b」という音を示す4文字が、右から順に並んでいるとします。既に説明したように、アラビア文字は読むときの全ての音を教えてくれません。
ここで、必要になるのが「音を補うのか(=母音「a」「i」「u」をつけるのか)、それとも補わないのか(=無母音、つまり子音のままにしておくのか)を決める作業」になります。
ためしに、「m」「k」「t」「b」という文字の間に、母音を付け足したり、付け足さなかったりしたらどうなるか見てみましょう。
数学の組み合わせ計算のように、何通りもの読み方が考えられるので、「マカタブ」なのか、「マキティブ」なのか、「ミカトゥブ」なのか、アラビア文字を書かれただけでは想像がつかないことがおわかりいただけるとおもいます。
そこで、読み方をはっきり示すための「母音記号」が使われます。文字の間に「a(あ)」、「i(い)」、「u(う)」の音を加えるのか、それとも加えないのか、といった事柄を示すための小さな記号で、各アルファベットの上もしくは下に書き足されます。 |
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ـمْـ |
ـمُـ |
ـمِـ |
ـمَـ |
母音は追加せず
文字の上に小さな○を書き加えた場合、「この文字の後には「a(あ)」も「i(い)」も「u(う)」も加えません」ということを示します。
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「u(う)」の追加
文字の上に小さな9のような記号を書き加えた場合、「この文字の後には「u(う)」という音を加えて読みます」ということを示します。
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「i(い)」の追加
文字の下にちょっと傾いた短い棒を書き加えた場合、「この文字の後には「i(い)」という音を加えて読みます」ということを示します。
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「a(あ)」の追加
文字の上にちょっと傾いた短い棒を書き加えた場合、「この文字の後には「a(あ)」という音を加えて読みます」ということを示します。
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クルアーンや子供向けの教科書などには、これらの記号がつけられています。上のような記号があれば、単語の意味を知らなくとも音読をすることができます。
しかし、新聞や一般の書物にある文章には一切つけられていません。アラブ人たちは、書かれた文字を見て、文脈と照らし合わせながら単語の意味と読みを推測できるため、超難解な単語が並んでいるようなことでもない限り、母音記号が無くても困ることがまずないからです
上の例を見てびっくりされた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際にはアラビア語の単語はそこまで無造作につくられておらず、一定のルールに従って音を与えられています。単語には一定のリズムや型というものがあるので、上の例のようにたくさんの組み合わせが考えられたとしても、それらのほとんどは「アラビア語にはそのような音のパターンは無い」として除外することが可能です。
アラビア語を多少学んだ人であれば、4つの文字「m」「k」「t」「b」を見た時、すぐに「オフィス」とか「机」を意味する単語「maktab(マクタブ)」を思い浮かべると思います。このようにして、アラビア語の仕組みを学べば学ぶほど、単語の作り方のルールがわかってくるため、 その単語の読み方を推測するための鍵を増やしていくことができるのです。
アルファベットのつづり方
アラビア語をつづる時には、前後のアルファベット同士を連結していきます。一つの単語が終わったらその時点で連結を切り、次の単語とつながらないようにします。
ページ冒頭の表に示されているアルファベットは、「独立形」といって他のアルファベットと連結していない時の形を示しています。
単語を実際に綴る際には、独立形を元にした形(=接続形)を使い、前後の文字と連結させていきます。つまり、それぞれのアルファベットの形を 、単語の中における位置に応じて変えることになるわけです。
1)語頭形=単語の先頭にそのアルファベットが来た場合にとる形
2)語中形=単語の中にあり、前後に別のアルファベットが来た場合にとる形
3)語末形=単語の最後にあり、そのアルファベットで連結を切る場合にとる形
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独立形 - 他の文字とつなげない時の形 - |
独立形 |
ب |
他のアルファベットと連結させずに、単独で書かれる場合の形です。この独立形が、接続形の元になります。
この単独形は、アルファベットそのものを示す、単語の頭文字などとして示す、項目の見出し番号 にアルファベットを使う時などに利用されます。
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接続形 - 他の文字とつなげる時の形 - |
語頭形 |
بقر |
単語の先頭、連結を切った直後にそのアルファベットが来た場合に使われる形です。 その文字の前に、どの文字もつなげない時に使う形です。
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語中形 |
كبر |
単語の真ん中にそのアルファベットがある、つまり前後に別の文字が来て連結している場合に使われる形です。
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語末形 |
كتب |
単語の最後、連結を切る直前にそのアルファベットが来ている場合に使われる形です。 その文字の後に、どの文字もつなげない時に使う形です。
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アルファベットの連結
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アルファベットの連結の例です。左にあるのは、「マアハド(معهد)(学院)」という意味を持つ一つの単語をアニメ画像にしたものです。
単語は4つのアルファベットから成り立っていますが、ここではわかりやすいように、それぞれ「青」「ピンク」「緑」「オレンジ」の色をつけてあります。
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م + ع + ه + د
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上に示したのは、4つのアルファベットそれぞれの独立形(他の文字とつながっていない時の形)です。一つの単語を形作っているこれらの文字がお互いにくっついて出来たのが、左の形となります。
青い文字は単語の先頭に来ているので、「語頭形」をとっています。一方、ピンクと緑の文字は単語の途中に来ているので「語中形」になっています。オレンジ色の文字は単語の最後に来ているので、「語末形」をとります。
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アラビア語の単語は、このようにして書かれていきます。同じ文字でも、単語の中における位置が違えば、上で紹介した「baa'(ب)」の例のようにそれぞれ異なる形を取 ります。
ただし、アラビア語アルファベットの中には、前の文字とだけ連結させ、後に来る文字とはそれがひとつの単語の途中であっても、強制的に切り離さなければいけないものがあるので、実際にはそれらの例外を覚えた上で、アラビア文字を つづることになります。
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前 の文字とも、後の文字ともつなげることのできるアルファベット
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ب ت ث ج ح خ س ش ص ض ط ظ ع غ ف ق ك ل م ن ه ي
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後に来る文字と 絶対につなげないアルファベット
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ا د ذ ر ز و
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