トピック:『サウディ社会におけるナツメヤシ』

ナツメヤシはサウディ社会において、毎日食べられる最も重要な食べ物の一つに数えられています。最低でも一日一回から三回(朝・昼・晩)口にされ、それと同時に来客時にはカフワ(アラビア珈琲)と同じく最も重要なおもてなしの一つに数えられています。
イスラーム社会におけるナツメヤシ
1− |
断食を解くときにナツメヤシを食べること。 |
2− |
断食を始める前の食事にナツメヤシを食べること。 |
3− |
イード(ラマダーン明けの祭り)の礼拝前にナツメヤシを奇数個食べる。 |
4− |
二つ以上くっついたナツメヤシをそのまま食べることの禁止。 |
5− |
タハニーク(新生児の口にナツメヤシを噛み砕いたものをつけること)時にナツメヤシを使うこと。 |
断食を解く時にナツメヤシを食べることの英知
「預言者ムハンマドが礼拝をする前にナツメヤシで断食を解きスープが無ければ水で断食を解いた」という伝承が伝えられています。
断食をしている者はエネルギーとなる糖分が不足しがちです。ナツメヤシは一時間以内で素早く消化・吸収され、体にエネルギーを与えるだけでなく、鉱物やビタミン炭水化物やを含み、またセルローズが含まれていることから胃の消化活動を助け胃を清浄にします。
タハニークをナツメヤシで行なうことの秘密
新生児へのナツメヤシでのタハニークは医学的にも非常に驚くべき効果があります。ナツメヤシには幼児を病気から守り抵抗力を強化する働きがあります。これは幼児に行なわれる小児麻痺やジフテリアや風疹の予防接種のようなもので、その効果は一生続きます。
ナツメヤシによる治療
咽頭と扁桃腺の病気:7つのナツメヤシを選び1/2リットルの牛乳にスプーン一杯の粉末状のドライミントを入れ一晩つけておく。翌朝目覚めた後すぐにそのナツメヤシを食べ、つけておいた牛乳も飲む。その後、ハッバトッサウダー(ブラックカラウィーシード)オイルを数的入れたぬるま湯でうがいをする。
胸部の病気の治療
7個のナツメヤシと同じ重さのレーズンと無花果を1リットルの水で煮詰める。1/2リットルになったら潰してそれを濾し、容器に入れ、毎食後約50ミリリットル飲む。
肺炎の治療
ナツメヤシのペースト約50ミリリットルをズーファー(シャーム地方に生える植物)を煮立てたものコップ一杯に加え、朝晩飲む。この際、魚の卵やマンゴーや花粉などアレルギーを起すものをとらないようにする。
体の強化
種を除いた7個のナツメヤシ、砕いた木の実(松の実・アーモンド・マカデミアンナッツ・)、ギーを一緒に混ぜ、毎朝朝一番に食べる。その後、カモミールを煮出したものを飲む。これによりインシャーアッラー、体は活性化し、心臓は強化され、神経も活発化します。
執筆:ムハンマド アルモヘセン
アラブ・イスラーム学院秘書
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