アラブを見つめて
 

【治安回復運動】


 先月、警察が集中的に実施した治安回復運動により、王国のさまざまな都市の 多くの地域に存在する危機が明らかになりました。そしておそらくそのような地 域がより多く存在するのはジッダ市であり、同市には不法滞在の外国人がたくさ ん住み着き、特に市内南部の多数の地域に集中して住んでいます。

 ジッダ市のいくつかの地域は、長い間、攻撃や包囲を許さない地域でした。 ジッダには強盗や詐欺や魔術や誘拐を生業にする者たちの集団が住み着いてお り、危険地帯の一つとみなされてきたからです。そのような地域には、ガリール やアル=カランティーナも含まれており、特にアル=カランティーナは人々がその 名を口にするのさえ恐れるほどです。アル=カランティーナには、長年、不法滞 在しているアフリカ人が大勢暮らしており、禁じられたものを売り買いして商売 し、人々を騙して金を稼ぎ、強盗を働き、国民の安全を脅かす可能な限りの犯罪 を行っているのです。

 前回、警察が果敢に決行した先の大々的な作戦が実行される前には、それらの 地域の問題はこれ以上進展せず、町は犯罪者たちのものであり続けるであろうと 思っていた人々もいました。警察はその作戦で、一般の国民の暮らす地域の中で 法律違反者たちが住む場所の攻撃から始めました。それから、犯罪者たちが包囲 されたり攻撃されたりすることなどあり得ないだろうと思われていた地域へと向 かったのです。そしてある日のファジュルの時間に、治安部隊はアル=カラン ティーナ地域を攻撃し、リヤード新聞によれば、2100人以上の不法滞在者を 逮捕しました。この攻撃には870人以上の警官や将校が加わったということで す。

 この治安部隊の人数は、警察と各種専門機関の警備隊、防衛隊、鑑識部隊、聖 マッカのパスポートチェック部隊、ジッダの交通機動隊、赤新月社、公共電力会 社、善行推進協会などの合同参加によるもので、対象地域の出入口の封鎖を踏み 切ったジッダ県警の指揮によるものでした。犯罪者たちが近隣の地域へと忍び出 ることができないように。

 その作戦で、発禁映画やCD製作とそのコピー作製、魔術や詐欺や強盗に携わ る者たち、それから悪い遊び場経営や、その他社会に危険をもたらす所業に及ぶ 大勢の者たちが捕らえられました。アッ=シャルフィーヤやマダーイン、アル=カ ハド、バニー・マーリク、アン=ヌズラタインといった他の地域では、雇い主の 家から逃げだした多くのメイドたちが捕らえられました。また、ウムラ(小巡礼) のビザで入国した労働者女性たちも捕らえられ、彼女たちは、彼女たちを住まわ せている家々で見つかりました。その多くの場合、そのような家は滞在許可を持 つ者によって借りられており、その者が家の各部屋を同国人たちに高い金額で貸 し付けたり、また違法なビデオ製作に参加させたり、悪い仕事をさせたりしてい るのです。

 この警察の集中攻撃は、いくつかの重要な点を浮き彫りにしました。その最大 のものは、これらの逮捕者たちの多くが以前、既にサウジから出国していたにも かかわらず、別のパスポートで、あるいは、ウムラのビザで戻ってきていたこと でした。
 彼らは他の国でそのようなことはできないでしょう。大金を稼ぎ、自分が求め る仕事を手にし、そしてまだ戻ってくるのだと確信しつつ出国できるのですか ら。

 数日前、私の同僚のサアド・アッドゥサリー氏が書いていたように、この問題 は、コンピューターの指紋照合システムの適応により、早急に取り扱わなければ なりません。
 それらの者たちが私たちのところへ再び戻ってこないように。そして、犯罪者 が再度罪を犯したり、出入国を繰り返すことを容易に考えないように。たとえ ば、先月マッカで息子を殺したアフリカ人にしても、彼は既に一度サウジから出 国していたにもかかわらず、ここで息子を殺そうと再び戻ってきていたのです。

 コンピューターの指紋照合システムが、王国の陸路と空路と海路のすべての窓 口で実施されたならば、出国後に戻ってくる者たちの数は今よりずっと減るに違 いありません。しかし、この国の治安管理の重要性もさることながら、違反者逮 捕のための国民の協力も必要です。居住地域で彼らを見つけた時にすぐに知らせ ることによって。

 また、更に深刻な事態を抱えた、違反者が忍び込む国境地帯でも、違反者を出 国させるために、人々が警察の違反者逮捕に協力することが必要です。将来犯さ れるかもしれない犯罪を阻止するために。先の警察の治安回復運動期間に捕らえ られた犯罪者たちの多くが、「不法滞在」という軽い罪状の隠れ蓑の下で、本当 の犯罪から長年逃れていたのですから。


筆者:ナジュワ ハーシム
サウジアラビア女性作家 

(2007年5月8日更新)

                

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