アラブ女性
 

【サウディ社会に広がった誤った社会現象】

未婚女性の増加
 

サウディ社会は現在、サウディの今までの習慣やイスラームに反する新しい社会問題に直面しています。特にサウディの家族が抱える問題のうち最も危険なものに、政教分離の波を受け、伝統的な家族制度が崩壊されているということがあります。特に近年の政府の統計によると、未婚女性の増加と離婚の増加が数字に如実に現われています。また結婚適齢期を迎えた(30歳くらいまで)女性のうち、未婚でい続ける女性は1990年の統計によると1,529,418人、全体の3分の1となりました。統計によるとサウディ女性は4,572,231人、既婚女性は2,638,574人と出ています。

この現象の原因を幾つか紹介していきますが、これらのことはもちろんその原因のほんの一部であって、他にも結婚を困難化させる要因は多々あります。

1−マハル(結納金)の高騰

マハル(結納金)とは、金銭あるいは宝石などによって結婚契約時に男性から女性に贈られるものです。これは女性の権利の一つに数えられており、マハル無しの結婚は正しい結婚とはみなされません。これは女性へのプレゼントであって、その女性に付けられる値段ではありません。預言者ムハンマドはこのマハルをなるべく簡素化し、あまり高くなり過ぎないようにすることを命じました。そして男性にはマハルはあくまで女性へ示す誠意であって、結婚相手の物質的な値段ではないと諭しました。ですが、人々がイスラームの正しい教えから離れるにつれ、花嫁の後見者たちは相手の男性に法外な額のマハルを要求するようになりました。これにより結婚をあきらめる男性が増加しました。

2−ジャーヒリーヤ時代の風習

サウディアラビア王国の一部にはジャーヒリーヤ時代の悪習をいまだに重んじている者たちがいます。これらの人々は自分たちの出身部族や血筋を非常に重んじ、残念ながら人々をその出身部族や血筋などで差別するのです。そしてお互いに自分たちと違う血筋の者たちを卑下するのです。ですから自分たちの一族の娘に結婚を申し込んだ男性がいた場合、その男性が自分たちの社会で知られていなかったならば結婚を断ります。その男性がどんなに宗教的・人格的に素晴らしいものをもっていたとしてもです。この反イスラーム的な風習により、サウディ社会では結婚できない女性が溢れました。ですが至高のアッラーはこう仰せられました。『アッラーのもとで最も高貴な者は最もアッラーを畏れる者である。』

3−勉強の継続

未婚女性の増加の原因の一つに、女性たちが勉強の継続を理由に結婚話を断るということが挙げられます。そして、彼女たちは学校を卒業した後は仕事を見つけることで忙しくなります。大学を卒業し、自分に相応しい職に就くためには大抵時間がかかり、おそらく年齢で言うと24歳を越えたあたりになります。これらの女性たちは自分自身の目標に達した後、結婚のことを考え始めるのです。しかしながらサウディ社会において結婚を考える男性たちは、これらの女性たちをすでに結婚適齢期を過ぎた女性たちとみなし、もっと若い女性たちを自分たちの花嫁候補として考えます。ですから自然と適齢期を過ぎた女性たちに結婚話がやってくる機会は減ってくるのです。彼女たちに結婚を申し込む男性といえば、高齢の男性だけとなり、そうした場合これらの女性たちはやはり結婚を断るのです。もし女性たちが若くして結婚していれば人生の伴侶とともに幸せな生活を送っていたかもしれません。それどころか夫の協力により勉強を続けられたかもしれませんし、場合によっては職を得ていたかもしれません。これは現実によくあることで、実際私も例に漏れず、結婚した時にはまだ大学生でしたし、夫は非常に協力的で私は大学を卒業することが出来ました。その後、彼は私に大学院で学ぶことを勧め、同時に常に傍らで私を支えてくれていました。アッラーのおかげで、4年後に私は大学院を卒業することが出来ました。このようにして女性は高学歴を得る可能性を持ちつつ結婚して妻となることもできるのです。

4−男性側が出す条件

未婚女性の増加問題の原因は何も女性側からのものだけではありません。結婚相手を探す男性の中には自分の思い描いた理想どおりの女性以外結婚相手として選ばない者もいます。例えば、相手の女性の身長・色の白さ・髪の毛や目の色・自分と共通の趣味をもっていることなどです。相手の女性が仕事を持っていることを条件とする者・学歴を重視する者・相手の実家が経済的に裕福であること・実家の社会的地位がある一定の地位以上であること・相手を自分の思い通りに扱うため世間のことを何も知らない幼い女性を望む者など、例をあげればきりがありません。そしてこれらの条件は、大抵が、結婚生活の成功のためにはあまり重要でないことが多いのです。これらの男性たちの行いはイスラームの教えとは相反するものですし、彼らはなぜアッラーが「結婚」というものを人間のために創造されたのかわかっていません。妻とは夫にとっての家のようなものであり、人生の伴侶であり、家を取り仕切る主婦であり、子供たちの母親であるのです。そして心の落ち着き先であり、秘密を打ち明けられる場でもあるのです。もし妻となった女性が善い人格をもたず、人との接し方がわからない者でしたらその結婚は大抵失敗に終わります。ここで言っておきたいのは、私は男性たちが美しい女性あるいは自分の好みの外見の女性を相手として探さない方がいいと言っている訳ではありません。ただ女性の外見だけに気を取られて内面的なことをないがしろにするべきではない、と言いたいのです。預言者も次のように仰られました。「女性は次の四つのことによって結婚される。財産・血筋・美しさ・宗教である。あなたに善いことをもたらす敬虔な女性を選びなさい。」

5−外国人女性との結婚

これはサウディにおける未婚女性の増加の原因のうち、男性側によってもたらされることの一つです。これは特に近年顕著になった現象で、特に裕福な家庭出身の青年たち、海外に留学している者、また特に仕事の関係上海外で生活している者たちに現われている現象です。この現象は、これらの男性たちの信仰心の弱さ、そして彼らが外国人女性の方が美しくサウディ女性に比べてマハル(結納金)が安いと考えていることに起因しています。多くの場合このような結婚は、妻となった外国人女性がムスリム社会になじめず、習慣や教育・考え方の違いについて行けず失敗に終わります。

今回紹介した未婚女性増加の幾つかの原因は、私の個人的な視点から見たもので、他にも様々な要因で起こっていると考えられます。どのようなことが原因になっていようと、この社会現象がサウディ社会に問題を起していることは明らかであり、またこれにより人々は預言者ムハンマドの慣行から遠ざかることになってしまいます。

インシャーアッラー(もしアッラーが望むなら)、次回はサウディ社会の問題のひとつである「離婚」についてお話しようと思います。


筆者:ラシャー アルマンスーリー
アブドルアジーズ国王大学 生物化学元研究科

                

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