ウマイヤ朝の歴史
 

【ウマイヤ朝時代の重要な改革事業】
 

1−マッカとアルマディーナへの関心

ウマイヤ朝はマッカとアルマディーナに特別な関心を持っていました。そしてハラムモスクの増築と灯りを増やすために巨額の財産を費やしました。ウマイヤ家の人々はムアーウィヤの時代以来ハラムモスクの外灯のための油を自分たちの家から持ち出していました。

またアブドゥルマリク ブン マルワーンの時代にはサファーとマルワの間に灯りがともされました。

そしてアルワリード ブン アブドゥルマリクの時代にはハラムモスク拡大が完成し、石と大理石とモザイクからなる柱による壁が建ちました。またアルワリードはカアバの門とその下水溝に置く為の金塊を送りました。彼はイスラームにおいて最初にカアバに金を装飾した者でした。

アルマディーナの預言者モスクに関してもウマイヤ朝は関心を持ちました。アルワリード ブン アブドゥルマリクの時代には建物が一度破壊され再築・拡大が執り行われ、ヒジュラ暦88年にはその面積は200ジラーア平方(1ジラーア=58〜68cm)になりました。このモスクの建設には2年間かかり完成したのはヒジュラ暦90年のことでした。このモスク増築に際してモスクのまわりの土地のいくらかを購入することとなり、そのため国庫から相当額が教友たちに支払われました。増築のためのこれらすべての費用は4万ディーナールにまで上りました。

2−その他のモスクへの関心

ウマイヤ家の者たちはモスクの建設に関心をもち、ウマイヤ朝の様々な都市にあるモスクの拡大に関心を持ちました。
例えば…

アルワリード ブン アブドゥルマリクが再築したパレスティナ、イェルサレムのアルアクサーモスク。
高価な形で装飾と彫刻によって内外の装飾が施されたパレスティナにあるアブドゥルマリク ブン マルワーンが建てた岩のドーム。
同様にエジプトのアムル ブヌルアース モスクの増築も完成されました。
アルカイラワーンの町の基礎が築かれた時にウクバ ブン ナーフィウが建てたチュニジアのアルカイラワーンモスク。
ヒジュラ暦87年にアルワリード ブン アブドゥルマリクが建てたダマスカスのウマイヤドモスク。このモスクはイスラームの歴史的価値ある建築の一つに数えられており、建設はヒジュラ暦96年まで続きました。

3−運営機関の組織化

ウマイヤ朝は国土を7つの地域に分けられました。

1− シャーム地方
2− ユーフラテス川近郊
3− ヒジャーズ地方
4− イェメン地方
5− イラク地方
6− エジプト地方
7− アフリカ地方


ウマイヤ家の人々は国家運営組織を整えました。その際たるものは…

1− アルワーリー(地方統治者):ウマイヤ朝のすべての地域にはその地域のことを運営するワーリーがいました。このワーリーにはカリフと同じような委任権がありましたが、ワーリーはカリフに自分の行動に関して問われる立場にありました。ワーリーが行った最も重要な仕事は、イスラーム教の普及(特に開放された地域ではそれがなされた)と、税の徴収と州へのその分配、安全の確立、貨幣の鋳造でした。
2− アルカーディー(裁判官):ワーリーを助け、揉め事が起こった場合に人々の間をイスラーム法にのっとって裁きました。
3− アッシュルタ(警察):彼らの仕事は安全・規則の保護、夜のパトロール、モスクの保護、刑罰の施行でした。
4− アルムフタサブ(宗教警察のようなもの):市場の巡回、秤と乾量の監視など。カリフたちはこの職をアッラーのためであれば人が不当に非難することを恐れない者たちを選びました。

ウマイヤ朝時代の最も重要な運営機関は「アッダワーウィーン(帳簿)」でした。このディーワーンには2種類あり、すべてのディーワーンはダマスカスにある本部用と地方にある支部用がありました。

ウマイヤ朝時代の最も重要なディーワーンは以下のものでした。

ディーワーン アルジュンド(兵):カリフ ウマル イブン アルハッターブが兵士に給料を決めるために設け、ウマイヤ朝時代にもこの仕事が続きました。

ディーワーン アルハラージュ:これは国庫のことです。国家の財政はこれにより管理されています。
ディーワーン アッサダカート:これはサダカやザカートを収集し、サダカを受ける権利のあるものたちへと分配します。

ディーワーン アッラサーイル:カリフと民衆の間の国内の書簡に関して司っていました。
ディーワーン アルバリード:カリフの滞在地から異なる州へと早く情報を送っていました。
ディーワーン アルハーティム:カリフが発した命令を整え、重要な書類を保管しました。そのためこれらは記述され原本には判が押され、送られました。

次回もウマイヤ朝時代の重要な改革事業を引き続き紹介していきます。



筆者:リハーブ ザハラーン
アラブ イスラーム学院講師

 

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