中東学生会議
 

【シリアのもてなし方】
 

私は去年の夏、日本シリア学生会議に参加した。そこでのシリア人のもてなしに、毎日心もおなかもいっぱいだった。初めてのシリア滞在で真っ先に思い出すのは、そんな時の人との出会いである。あるときはシリア人学生の案内で一緒に、町や遺跡を見に行った。シリアの夏は暑い。日本では考えられない暑さだ。私は慣れないのでこんなに暑いのかと思っていたが、シリア人学生を見ると彼らはもっと汗だくだった。そんな中で案内してくれた彼らには本当に頭が下がる。

今でも一緒に汗だくになって見たアレッポ城や、パルミラの遺跡を思い出すと、彼らの表情が一緒に浮かんでくる。またあるときは、女の子の家に招待してもらった。クッベというアラブ料理を作ってくれるという。クッベはさまざまな香辛料、穀物と、肉を合わせた団子のようなもので、ひとつの密度がやたらに高い。ひとつで半日ぐらいは、腹持ちしそうな印象を受けた。でもおいしかったのでありがたくいただいていると、次から次へと出てくるクッベ。

この時はそれがただの前菜だとは知る由もなかった。次にスイカ、ぶどう、オレンジなどの果物が山になって出てきた。もう本当におなかいっぱいだったが、遠慮しないでねとスイカを切り分けてくれるお母さん。それが終わると、ここでメインディッシュの登場。メイシーや、肉をぶどうの葉で包んだ料理はどれも本当においしいけれど…。その上最後に紅茶と、チョコレートケーキ、あられなどのお菓子を出していただいた。絶対に客人に遠慮をさせない、いっぱいのもてなしの精神。はじめは戸惑ったけれど、彼ら自身がもてなすことを本当に誇りに思って楽しんでいるように感じ、そのおかげで、こちらも楽しくなる忘れられない滞在になった。

執筆:板橋奈緒
国際基督教大学教養学部国際関係学科

                

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