2005年5月4日午後 上記テーマの講演会が在日イスラーム学生連盟「Harun Yahya Conference in Tokyo」の主催によりアラブ イスラーム学院で開催されました。
1.クルアーンに示されている奇跡と宇宙創造について、イスラームの見地より
講師:M. D. Muhammet Cihat Gundgdu (医師 トルコ出身)
- イスラームと科学の妥当性を訴えている組織「Harun Yahya Conference」の紹介がされました。
- 地球は、偶然の産物ではなく、クルアーン21;30で表現されている通り「神から与えられたもの」。
- .「アッラーは6日間で天と地を作った」とクルアーン7;54では言っているが、時間の定義は今と異なり「一定・特定の期間」と解釈するのが妥当だろう。
- 宇宙の膨張と収縮のバランスは、神の存在なしには考えられない。
- 科学の進歩で、知識は増えるが、知れば知るほど、アッラーの力は偉大で、神の啓示に超越性を覚える。
2.「ダーウインの進化論」に関しイスラームの見地より
講師:Prof. Dr. Omer Cenker IIicali (医師 トルコ出身)
- 生命の起源は、神の創造性。ダーウインの進化論は偶然的発生を説いている。
- 宇宙には始まりがあり、物事は当初から「神の創造」だ。
-
今まで、進化論は「すべての科学の基礎」だったが、
- 生物の類似点、非類似点のすべての連環の説明つかない。
- 中間形態が、化石などで確認されない。
- 種による染色体の違いが説明できない。
また、例えば携帯電話は技術者が作ったもので、自然に進化したものでない。
- 科学の定義を考えなければならない時期に来ている。また人生には限りがあるので、重要な真理を探究してほしい。
- 外国の留学生から「日本では、小さい時から学校の先生など権威者がダーウインを擁護している」との意見があった。
3.感想
- 参加者はおよそ100名 外国人7割 日本人3割。そして男性が8割程度でした。
- 神と宇宙という、日本人にはなじみが少ないテーマを各講師は多くの画像と絵で 説明されました。
- 講演が各45分、質疑応答が各45分という活発さは、日本人同士の講演会では考えられません。日本人からすると哲学に近いこの様なテーマについて、ムスリムの人達は普段から勉強しているのでしょう。
- 英語スピーチによる大変難しい内容でしたが、同時通訳者のじょうずなガイドで「宇宙と進化について」日本人にも考えるきっかけを提供してくれました。
- 国内のこの手の講演では、半数が居眠りをしてしまう難しい内容ですが、今回は大変充実したものでした。
- 外国人はディベートで訓練されているのか、的を射た質問がたくさんありました。
- 宇宙創造と進化論について、一神教のキリスト教そして仏教ではどのように考えているかを聴く機会があれば、更に勉強になるでしょう。
- 日本の様な農耕文化圏では、長年培われた収量の増加や好ましい季節に収穫ができるような品種改良への努力は、神からいただいた自然と人類の叡智の結果なのでしょうか。
- 日本人は、中学生の頃からダーウインの進化論は著書「種の起原」を通して教えられ、南米のガラバゴス諸島は生物進化の聖地と今でも言われているのが実態でしょう。目からうろこが落ちる思いの一日でした。
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