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【イスラム世界の文化と言語】
 

第四回公開国際シンポジウム
イスラム世界の文化と言語〜多様なるイスラム世界へのアプローチ〜

2004年11月6日、上記のシンポジウムが早稲田大学国際言語文化研究所・同テーマカレッジ主催、大学書林国際語学アカデミー共催により、早稲田大学国際会議場にて開催されました。


基調講演 「イスラム世界の文化と言語」
佐藤次高 早稲田大学文学部教授
ご自身のイラク留学における体験や、中国におけるイスラーム研究現地調査を踏まえ、イスラームの統一性と多様性について話されました。コーランと祈りという共通項と、「形」を整える事で仲間として扱ってくれるイスラーム、およびコーランの言語であるアラビア語の浸透と拡大等によって統一性が保たれており、例としては中国のマドラサにはアホンと呼ばれるウラマーが居り、アラビア語会話に不自由しないそうです。またコーランは統一性の象徴でもあるが諸言語に翻訳され、それがその理解とイスラーム文化へのアプローチを助けていることや、十世紀以降のペルシア人によるシュウービーヤ(民族)運動、ジャーヒズの著作に表わされる当時の人々の民族観、現代世界において少数言語が残存・復活していることなど、統一性の中の多様性の例を挙げられました。

ペルシャ語とペルシャ文化
岡田恵美子(ペルシャ語、日本イラン文化交流協会会長)
最初のイラン国費留学生でいらっしゃる先生は、そのバイタリティーあふれる留学の経緯およびペルシャ文字に興味をお持ちになったきっかけを話してくださいました。先生の言に寄れば『言語と文字はその国の文化を知るための黄金の鍵』なのだそうです。またお客と詩が大好きなイランの国民性やペルシャ語の特徴などに加え、未亡人救済のための四人妻、結婚による女性の個人財産の獲得、チャードルとヒジャーブがいかに風土に適し、また女性の美しさを引き立てるかの着用実演など、女性ならではのアプローチが大変興味深いものでした。

イスラム文化の華・アラビア書道
本田孝一(アラビア語、大東文化大学国際関係学部教授)
アラビア語を母語としている国は22カ国(モーリタニア、モロッコ、リビア、アルジェリア、チュニジア、エジプト、スーダン、ジブチ、イエメン、サウジアラビア、オマーン、アラブ首長国連邦、バハレーン、カタール、クウェート、イラク、シリア、ヨルダン、レバノン、パレスティナ、コモロ、ソマリア)におよび、また母語としないまでもウズベキスタン、ブルネイなど広範な地域にわたってアラビア文字が使用されている現状とその理由を、切手や紙幣などの実例を示しながらわかりやすく説明してくださいました。また1970年代に通訳としてサウジアラビアに赴かれた際の砂漠の生活体験談、アラビア語書道の意義と実演、イスラームの奥深さなどお話は多岐にわたりました。

トルコ語からみた言語と文化
アイデン・ヤマンラール(トルコ語、慶応義塾大学トルコ語講師)
トルコにはアルメニアやクルドなど様々な民族が居住している。また古来より様々な異文化が流入し、それらをよく理解・吸収してきた。またトルコ語は異文化や異なる言語を吸収しながら元来のチュルク語の本質を保ち、アラビア語やペルシャ語をも導入してイスラーム文化を反映させてきた。これらの事を物まねや歌を交えながら楽しく説明してくださいました。またトルコ語と日本語には不思議に似通ったも単語があることや、異文化を吸収してきた歴史からEU加盟によってトルコ人のアイデンティティーが損なわれる恐れがないことなど質疑応答にあわせ答えてくださいました。

会場はほぼ満席状態。途中で退席する者も少なく、講演の面白さもさることながら、最近のイスラームに寄せる関心の高さをうかがわせました。また会場には各大使館のご厚意でサウジアラビアの絵葉書やトルコの観光ガイドなどが無料配布されていました。

聴講報告 片桐 早織

 


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