読者の声
 

【アラブ世界を知ろう 言葉と文化】
 

〜 NHK文化センター特別講座 〜


7月10日(土曜日)青山にあるNHK文化センターにおいて、NHKテレビ、アラビア語講座の講師を務める、師岡カリーマ・エルサムニーさんを迎えて特別講演が行われた。

まずは、基本的なアラビア語の知識としてとして*アラビア語がどれ位の人に使われているのか、何カ国の国で使われているのか、アラビア語にはフスハーとアン・ミーヤがあること、など説明があり、その後、メインである『アラブの詩』について講座は進められた。アラビア語を齧った人なら、ご存知だろうがアラビア語は世界20ヶ国、人数にして2億8千万の人が使われていると言われている。 

それだけ、多くの人に使用されている言語にも関わらず、英語に比べ、未だ、マイナーなイメージがあるのは何故だろう。そんな疑問を抱きつつ、参加した今回の講座は、ありきたりの情報提供で終わることなく、メインを『アラブの詩』に絞り、進められた。

日本にも著名な詩人が居るように、アラブの世界でも詩人は存在した。1550年前に書かれたアラブの詩を、現代に生きる私たちが、そのままの姿(文法・構文)で、読むことが出来ると言うのは凄いことである。これは、クルアーン(イスラムの経典)を一文字も変えてはならない、と言う法則があって成り立っているのだが、日本では源氏物語でさえ、訳なしで読むことは、中々、難しい。

アラブの詩人は、人々から尤も尊敬される人であったという。西暦8世紀頃には君主をたたえて生計を立てたそうだが、それ以前は、皆が詩人で、普段のやり取りさえ詩で応えていたと言うのだから、何とも、ロマンチックな話ではないか。

アラブの詩は一つの詩の中で、色んなテーマが入っている。例えば、恋人について、自分自身について、その人がいかに素晴らしいかについてなど。最も、確立されたジャンルとして「廃墟について書く」と言うのがあると言う。ここで言う「廃墟」と言うのは、「建物の跡」の事ではなく、放浪した後のテントの跡と言う意味。失われた日々を嘆く。廃墟に泣く。訪ねて行った廃墟に泣く。アラブの詩の中には、「砂漠」という言葉は出て来ない。砂漠の中に暮らしているから、言う必要がない。そうやって、見えてくるイメージと言うのがあるそうだ。

講座の中で紹介されたのは、『アラブ詩人の父』と言われる詩人、エムロ・アリ・カイス、モタンナビー、アルブフトラリー、など、5編ほど。言葉の意味が判らなくても、アラビア語が紡ぎ出す、独特の響きに、うっとりとしてしまったのは言うまでも無い。

師岡カリーマ・エルサムニーさんは、アラブの詩についての著書を検討しているとか。早速、読んでみたいものである。でも、出来るなら、原文で読めるにこしたことはない。それには、やはり、アラビア語を知るしかないのか、と言い聞かせながら帰途についた。

筆者:中村栄子

 

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