預言者たち
 

【預言者イーサー その3】


アッラーはイスラエルの民への使徒としてイーサーを遣わされました。そして イーサーには次のような奇跡があります:

* アッラーはタウラー(律法)を彼に教えられました。
* 彼が泥で鳥を形造り、それに息を吹き込むと、人々の前でそれは生きた本当の鳥となりました。
* 彼は生れつきの盲人を治しました。彼が盲人の目を手で拭うと、盲人は目が見えるようになりました。
* 彼はらい患者を治しました。それは皮膚を患う病ですが、彼はらい患者の肌を白くし、彼がその体を手で拭うと、患者の皮膚は元通りになりました。
* 彼は人々が家に隠しているものや、彼らのために妻たちが用意している食べ物を告げました。
* 彼は死人を生き返らせました。

イーサーは、イスラエルの民に対する懲罰としてタウラーが禁じていた幾つかの 事柄を彼らに解禁し、彼らの負担を軽減しました。しかしながらイスラエルの民 は、それらすべての印にもかかわらず、彼の言うことを虚偽だとして否定したの です!!至高なる御方はこう仰せられました。

『イーサーは、彼らが信じないのを察知して、言った。 「アッラー(の道)のために、私を助ける者は誰か。」 弟子たちは言った。「私たちは、アッラー(の道)の援助者です。私たちはアッ ラーを信じます。私たちがムスリムであることの証人になって下さい。

主よ、私たちは、あなたが下されたものを信じ、あなたの使徒に従います。 それで私たちを証人たちと一緒に、書き留めて下さい。」』(聖クルアーン・イムラーン家章52〜53節)

イーサーの弟子たちはアッラーとイーサーの言葉を信じました。それは12人の 男たちでした。しかし彼らの心には尚ためらいがありました。至高なるアッラー は聖クルアーンの中でこの躊躇いの話をこのように仰せられました。

『彼ら弟子たちが、こう言った時を思い起せ。 「マルヤムの子イーサーよ、あなたの主は、私たちのために、(食べ物を)並べ た食卓を、天から御下しになるであろうか。」 彼(イーサー)は言った。「あなた方が信者なら、アッラーを畏れなさい。」

彼らは言った。「私たちはその(食卓)で食べて、心を安らげたい。またあなた の私たちに語られたことが真実であることを知り、私たちが、その証人になるこ とを乞い願います。」

マルヤムの子イーサーは(祈って)言った。 「アッラー、私たちの主よ、私たちのために、(食物を並べた)食卓を天から御 下しになり、それで私たちへの最初の、また最後の機縁となされ、あなたからの 印として下さい。私たちに食を与えて下さい。本当にあなたは最も優れた養い主 です。」

アッラーは仰せられた。 「本当にわれは、それをあなた方に下すであろう。 それで今後もしあなた方の中で不信心者となる者があれば、われは世の誰にもま だ加えなかった懲罰で、かれを罰するであろう。」』 (食卓章112〜115節)

偉力並びないアッラーは祈りを受け入れられ、彼らの願いに応えられたこの御し るしの後では、彼らが不信仰に陥ることがないように、と警告されました。それ から食卓が下され、イーサーの弟子たちはそこから食べて、彼らはみなアッラー を信仰し、イーサーの言葉を信じ続けました。イーサーがアッラーの許に召され た後で信仰を捨てた唯一人の男を除いては。

人々がイーサーの奇跡について話し始めると、ユダヤ人の修行僧たちは、人々が 新しい宗教に従い、自分たちの権力が失われるのではないかと恐れました。そこ で彼らはローマに従属していたその地方の王の許へと行き、イーサーは自分がユ ダヤの王だと言い張り、あなたから王権を奪おうとしている、と言いました。そ れを聞いた王は恐れ、イーサーを探し出して殺害するよう命じました。

彼らがイーサーを殺そうとしているという話が届くと、イーサーは仲間たちの前 に現れ、誰か、アッラーにイーサーの幻影を与えられ、イーサーの代わりに十字 架にかかって天国で彼と共にいる用意がある者はいないか、と尋ねました。する と一人の若者が立ち上がりましたが、彼はまだ若かったのでイーサーは憐れに思 い、もう一度仲間たちに同じことを尋ねました。しかしやはり先ほどと同じ若者 が立ち上がりました。すると、彼の上にイーサーの幻影が下ったのです。そして イーサーは弟子たちの目の前で天に昇りました。

そこにユダヤ人たちがやって来て、イーサーの幻影を下された者を連行し、彼を 殺して十字架にかけました。アッラーはイーサーが召されたことについてこう仰 せられました。

『「私たちはアッラーの使徒、マルヤムの子マスィーフ(メシア)、イーサーを 殺したぞ」という言葉のために(心を封じられた)。だが彼らが彼(イーサー) を殺したのでもなく、また彼を十字架にかけたのでもない。只彼らにそう見えた までである。本当にこのことに就いて議論する者は、それに疑問を抱いている。 彼らはそれに就いて(確かな)知識はなく、只憶測するだけである。確実に彼を 殺したというわけではなく。

いや、アッラーはかれを、御側に召されたのである。アッラーは偉力並びなく英 明であられる。

啓典の民の中、彼の死ぬ前にしっかり彼を信じる者は一人もいなかった。 審判の日において、彼は彼らにとって(不利な)証人となろう。』 (婦人章157〜159節)

それからユダヤ人たちが弟子たちを捕らえると、その中の一人は不信仰者になり ました。その後ユダヤ人たちは人々の怒りを恐れ、弟子たちを解放し、弟子たち は密かに祈り続け、キリスト教徒たちは200年以上タウヒード(アッラーの唯 一性を信じること)を守り続けました。そして後にコスタンティンというローマ 王が信仰を持ち、彼がキリスト教の中に数々のシルク(アッラーに同位者を配す ること)の要素を入れたのでした。

イブン・アッバースはこう言っています。 「キリスト教は3つのグループに分かれました。 最初のグループは、『かつてアッラーは長い間我々の中におられ、それから昇ら れました。』と言いました。2つ目のグループは、『かつて長い間私たちの中に はアッラーの(息)子がおられ、それからアッラーは彼を御側に召されまし た。』と言いました。そして3つ目のグループはこう言いました。 『かつて長い間、私たちの中にはアッラーのしもべで使徒がおり、それからアッ ラーは彼を御側に召されました。』

そして初めの不信心な2つのグループがイスラーム(唯一なるアッラーへの帰 依)のグループをおさえて台頭し、彼らを殺してしまいました。そしてその後イ スラームは、モハンマドが遣わされるまで消えてしまったのでした。アッラーは こう仰せられました。

『・・・それでわれは、信仰した者たちを助けて、彼らの敵に立ち向かわせた。 こうして彼らは勝利者となったのである。』(戦列章14節より)

またイーサーはずっと生き続けており、多くの真正なハディースがそれを証明し ていますが、それについて包括的なハディースがアフマドの伝承の中にあります。

アブー・フライラによれば、アッラーの御使い(s.a.w.)はこう言いました。

《預言者たちは異母兄弟です。彼らの宗教は一つで、母親たちが異なるのです。 そして私はイーサー・ビン・マルヤムに一番近い存在です。何故なら、私と彼と の間に預言者はいないからです。そして彼は2つのミナレット(尖塔)の間に降 臨します。だからあなた方はイーサーを見たら彼を知りなさい。彼は中背で、赤 みがかった白い顔をしており、その髪は大変しなやかで(縮れていずにまっすぐ で)、濡れてもいないのにまるで雫が垂れているようです。それから彼は十字架 を壊して豚を殺し、ジズヤ(人頭税)を廃止し、(イスラーム以外の)すべての 宗教を退け、ついにアッラーは彼の時代にイスラーム以外の宗教を破滅させ、ま た彼の時代に偽キリストを破滅させられます。そして地上には安寧が訪れ、駱駝 がライオンと一緒に、虎が牛と一緒に、狼が羊と一緒に草を食み、少年たちは大 蛇で遊び、互いに害し合わないほどになります。イーサーはアッラーが望まれる だけの間滞在してそれから亡くなり、ムスリムたちは彼のために礼拝を捧げ、そ して彼を埋葬するのです。》

「中背」とはつまり背が高くも低くもなく中ぐらいのことで、「赤色と白色(訳 者注:原語の表現より)」とは赤味がかった白い色、「2つの尖塔」はミナレッ トのことです。

また他のハディースでは、イーサーはダマスカスのマスジド(礼拝堂)の白いミ ナレットのところに降臨する、とあります。それから「安寧」とは平安、平和の ことです。

また他の真正なハディースで、私たちの聖なる使徒(s.a.w.)は、イーサーが地 上に滞在する期間を特定しています。

《・・・彼は40年の間滞在してそれから亡くなります。そしてムスリムたちは 彼のために礼拝を捧げます。》

偉力並びない主は、未だ起きていない次の会話を私たちに告げられました。それ は復活の日における主とイーサーとの会話なのです。

『またアッラーがこのように仰せられた時を思え。 「マルヤムの子イーサーよ、あなたは『アッラーの外に、私と私の母とを2柱の 神とせよ。』と人々に告げたか。」彼は申し上げた。「あなたに讃えあれ。私に 権能のないことを、私は言うべきではありません。もし私がそれを言ったなら ば、必ずあなたは知っておられます。あなたは、私の心の中を知っておられま す。だが私はあなたの御心の中は知りません。本当にあなたは凡ての奥義を熟知 なされています。

私はあなたに命じられたこと以外は、決して彼らに告げません。 『私の主であり、あなた方の主であられるアッラーに仕えなさい。』(と言う以 外には)私が彼らの中にいた間は、私は彼らの証人でありました。あなたが私を 御呼びになった後は、あなたが彼らの監視者であり、またあなたは、凡てのこと の立証者であられます。

あなたが仮令彼らを罰せられても、誠に彼らはあなたのしもべです。 またあなたが彼らを御赦しなされても、本当にあなたこそは、偉力並びなく英明 であられます。」(食卓章116〜118節)

これがイーサー・ビン・マルヤム、聖預言者モハンマド以前の最後の預言者で す。

・・・終わり。


執筆:ヌーラ アッダハマシ

                

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