預言者たち
 

【預言者ヤヒヤー】


彼はアッラーの預言者ザカリーヤーの息子です。
善良な子孫を授けてほしいというザカリーヤーの祈りにアッラーがお応えになり、ヤヒヤーは生まれました。アッラーはザカリーヤーを3夜の間人々と話ができなくなさり、それをヤヒヤー誕生の印となさったのでした。

ヤヒヤーは預言者であり、純潔で、正しい人々の仲間でした。また彼は両親に大変孝行を尽くし、アッラーを畏れる人でした。彼は真実なる御方がこのように述べられた預言者なのです。

『またわが許から慈愛と清純な心を授けた。・・』(聖クルアーン・マルヤム章13節より)

「慈愛」とは優しさや慈悲のことです。
ヤヒヤーは誕生し、その幼少期は普通の子供の世界とは異なっていました。ほとんどの子供たちが遊びに興じている中で、彼はどんな時でも真面目でした。また子供たちの中には動物を苛めて遊ぶ者たちもいたのですが、ヤヒヤーは動物に情け深く、動物や鳥たちに自分の食べ物を分けてやり、自分は食べ物なしでいるのです。そして成長するにつれて彼の顔には光が増し、その心は英知とアッラーへの愛、そして知識と平安に満たされました。

ヤヒヤーは書を読むことを好み、幼少の頃から知識を求めました。そして少年になると、主は彼にこのように呼びかけられました。

『・・・「ヤヒヤーよ、啓典をしっかりと守れ。」(と命令が下った。)そしてわれは、幼少(の時)かれに英知を授け、・・・』(マルヤム章13節より)

やがてヤヒヤーは成長し、知識も増え、また慈悲の心や、両親、人々、被造物、鳥や木々に対する慈愛もより大きくなりました。彼の慈愛はこの世を包み、彼の慈悲はこの世を満たすほどになりました。

ヤヒヤーは人々に罪を悔悟してアッラーに帰るよう呼びかけ、彼らのために祈りました。ヤヒヤーを嫌ったり、彼に害を望んだりする者は誰もいませんでした。彼はその慈愛や清純さ、アッラーへの畏れ、知識、徳ゆえに、人々に愛されました。またさらに彼は、アッラーへの崇拝に自らを捧げました。

当時一人の王がおり、彼は暴君で偏狭であり、愚かな心を持ち、頑迷に自分の意見にしがみつく者でした。そして彼の宮殿の家臣たちの間には腐敗が広がっていました。その王はあちこちからヤヒヤーの噂を聞き、人々がこれほどまで彼を愛するのに驚きました。王であるにもかかわらず、誰一人彼を愛する者はいないというのに。

王はその時、自分の姪との結婚を望んでいました。彼は彼女の美貌に惹かれたのです。彼女の方もまた王を欲していました。彼女の母親がそれを後押ししていたのです。彼らは自分たちの宗教においてその結婚が禁忌であることを知っており、そのため、ヤヒヤーからその許可を取り付けようとしました。

彼らは宗教上の判断を仰ぐためにヤヒヤーの許へ出かけました。彼に富を与えて惑わし、王に特例の許可を出させるためです。一方、娘の方はと言えば、禁忌の結婚に対して何の罪悪感も持っていませんでした。彼女はふしだらな悪女だったのです。

ヤヒヤーは人々の前で、女性が自分の伯父と結婚することを禁じました。それは、もし王がそうしたとしても、それは宗教からの逸脱であると人々が知るためでした。王は怒り、そしてうろたえ、しかたなくその結婚を諦めました。

しかし娘の方はそれでも王を欲し、ある醜悪な夜に、彼女は王の前で歌い、踊って見せました。それで王は彼女を欲しましたが、彼女はそれを拒み、「私と結婚するのでなければ。」と言いました。そこで王が、「ヤヒヤーが禁じたというのに、どうしてあなたと結婚することができようか?」と言うと、彼女は、「私への婚資としてヤヒヤーの頭を持って来てください。」と言い、彼を更に激しく誘惑したのです。

すると王は、ヤヒヤーの頭を持ってくるよう周りに命じました。兵士たちは出かけ、聖所で礼拝を捧げているヤヒヤーの許へ行きました。そして彼を殺してその頭を皿に乗せ、王に差し出しました。王はそのふしだらな女に皿を差し出して、彼女と禁忌の結婚をしたのでした。

これは預言者ヤヒヤーへの試練だったのです。

・・・終わり。


執筆:ヌーラ アッダハマシ

                

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