預言者たち
 

【預言者スライマーン その4】


*その死:
スライマーンは、大地が彼に遜るほどの栄光の中で生きました。そしてやがて至 高なるアッラーは彼に死を定められ、彼は亡くなりました。彼の生が数々の奇跡 に満ちた栄光の頂点にあったのと同様、その死も奇跡に満ちたアッラーの御徴の 一つでした。彼の死はその生に見合い、またその栄光に見合う形でやって来まし た。特別で輝かしい生には、また特別の最後がやって来たのです。

至高なるアッラーは、ジンは幽玄界について知っているのだという考えを覆す形 で、スライマーンの死を御定めになりました。それは人々への試練となった考え であり、ある種の人々やジンたちの頭の中に定着していた考えでした。

スライマーンが生きている限りにおいて、ジンは彼のために働きました。ですか ら彼が死んだ時、ジンたちの彼への奉仕はなくなり、労働によって彼に服従する ことから解放されるはずでした。

しかしスライマーンはジンが気付かないうちに亡くなりました。そのため彼らは スライマーンの死後も働き続け、奉仕し続けました。ジンがもし本当に幽玄界に ついて知っているのならば、卑屈な労働の懲罰にずっと甘んじていることはな かったのです。

スライマーンは労働するジンたちを監視し、自分の杖に寄りかかっていました。 そしてその状態で杖に寄りかかったまま死んだのです。アッラーの命により、杖 は彼の体を固定しました。そのためジンたちはスライマーンを恐れて働き続けま した。そして彼らがスライマーンの死を知らないまま、長い時が経ったのです。

それから地の虫がやって来ました。それは木を食べる一匹の蟻でした。蟻はスラ イマーンの杖を食べ始めました。そして何日も食べ続けました。蟻が食べたの は、杖の地面に接した部分でした。やがて蟻が食べた部分が段々広がっていく と、杖は細くなり、スライマーンの手から落ちました。すると彼の大きな体は支 えを失って地面に落ちました。スライマーンの大きな体はこうしてついに地面に 倒れ、人々は彼の許へ駆けつけたのです。

人々は、スライマーンが随分前に死んでいたのだということに気付き、ジンは幽 玄界のことを知らないのだということが明らかになりました。もしもジンが幽玄 界について知っていたならば、こうして卑屈な労働の懲罰を受け続けることはな かったということや、ジンたちはスライマーンが随分前に死んでいるのに彼が生 きていると思っていたという事実に、人々は気付いたのです。

このような驚くべき結末によって、アッラーは、預言者であり王であったスライ マーンの生涯を閉じられたのでした。


執筆:ヌーラ アッダハマシ

                

(→バックナンバー
(→週刊アラブマガジンのトップ


 
↑UP↑

前に戻る


アラブマガジンへもどる

アラビア語カフェ | アラブ イスラーム学院 | サイトマップ | ヘルプ



2006年 アラブ イスラーム学院