預言者たち
 

【預言者フード】
 

フードはアハカーフと呼ばれる海に面した砂漠に住んでいたアード族の出身でした。彼らの家は、平地に建てられた非常に巨大で高い柱を持つ巨大なテントと、山岳地帯に建てられた城でした。至高のアッラーは暁章の8節で彼らについて『これに類するものは、その国において造られた事はなかったではないか。』と仰せられました。アードの民は当時最も強大な肉体を持つ者たちでした。彼らは自分たちの強さを誇っており、彼らと同等の力を持つ者は誰1人いませんでした。しかし彼らは偶像を崇拝し、それらを守り、それらのために戦い、彼らの預言者を嘘つき呼ばわりし、彼を嘲けるのでした。フードは彼らへの呼びかけを続け、彼らは嘲笑し続けました。そして彼らは頑なにフードを嘘つきだとし、フードはアッラーのもとでの罰によって彼らに挑戦しました。そしてフードと彼の民(アード)は、アッラーが約束を履行する事を待ちました。

干ばつが続き雨は降らなくなりました。するとアードの民はフードのもとへ急ぎ、尋ねました。「フードよ、この干ばつは何なのだ?」フードは言いました。「アッラーはあなたがたにお怒りであられる。もしあなたがたが信仰するならば、アッラーはあなたがたに満足し、雨を降らせ、あなたがたの力を更に増大させるでしょう。」フードの民はますます強情さと嘲笑と不信仰を増加させました。その結果、干ばつは拡大しました。緑の木々は黄色く変色し、農作物は枯れ果てました。そしてある日、空を覆う巨大な雲がやって来ました。フードの民は喜び、家から出て言いました。『この雲では一雨来るぞ。』(砂丘章24節)

しかし、気候は干ばつと激しい暑さから凍てつくような厳しい寒さへと一変しました。風は吹き荒れ、木々や草や男たちや女たちやテントなどあらゆるものが震えました。強風は日夜吹き荒れ、時間を追うごとに寒さは増していきました。そしてフードの民は逃げ始めました。テントへと急ぎ、その中に身を隠しました。風はますます吹き荒れ、テントが引き抜かれました。今度は彼らは屋根の下にもぐりこみました。すると風が更に吹き荒れ、屋根は飛ばされました。強風は衣服を切り裂き、皮膚を切り裂きました。そして傷が広がり身体は滅びました。風は触れるものすべてを殺し、崩壊させ、灰のようにしてしまいました。強風は7晩と8日吹き荒れつづけ、それはこの世で初めての事でした。それから風は主の許可によって止みました。アードの民の不信仰者たちの中で残ったものは、枯れ果てたナツメヤシのような屍のみでした。単なる外側の皮だけとなり、手を置けば風に粒子となって飛んでいくような有様でした。

フードと彼と信仰をともにした者たちは助かりました。これはアッラーへ挑戦し、彼のしもべたちに対し高慢になる者たちへの公平なる結末です。

至高のアッラーは彼らの物語を知らしめ仰せられました。『アードの同胞(フード)を思い起こしなさい。われがかれの民を砂の丘で戒めた時、確かにかれ以前にもまた以後にも、警告者たちが来て、「アッラーのほか崇拝してはならない。本当にわたしは、偉大な日の懲罰を、あなたがたのために恐れる。」(と言った。)かれらは言った。「あなたは、わたしたちを神々から背かせるために来たのですか。もしあなたの言葉が本当なら、わたしたちを脅しているものをもたらしなさい。」かれは(答えて)言った。「その知識はアッラーに(だけ)あれ、わたしは下されたものをあなたがたに伝えるだけである。それにしても、あなたがたは、分ろうとしない愚か者である。」その時、黒雲がそれぞれの谷に押し寄せて来るのを見て人々は言った。「この雲では、一雨来るぞ。」すると(声があった)。「いや、それはあなたがたが催促するもの。それに伴う風こそは痛ましい懲罰で、それは主のご命令を奉じて、凡てのものを壊滅し去る。」それで朝になると、かれらの住みかのほか、何ものも見られなかった。われはこのように、罪を犯した民に報いる。』


執筆:ヌーラ アッダハマシ


(→バックナンバー
(→週刊アラブマガジンのトップ


 
↑UP↑

前に戻る


アラブマガジンへもどる

 

アラビア語カフェ | アラブ イスラーム学院 | サイトマップ | ヘルプ



2005年 アラブ イスラーム学院