預言者たち
 

【預言者アーダム】
 

アッラーは預言者アーダムを身長約39メートル横幅約4.5メートルに創りました。アッラーがアーダムを創造されたとき、彼の中に魂を吹き込まなかったので、イブリース(ジンと呼ばれる精霊の一つ)はアーダムのまわりを回り、アーダムの口から入って下から出てくるという事を行いました。アッラーがアーダムに魂を吹き込み、天使たちにアーダムへのサジダ(平伏姿勢)を命じたとき、イブリースを除いたすべての天使たちが命令に従いアーダムにサジダしました。ところがイブリースはアッラーの命令を拒否し、高慢さからサジダを行いませんでした。

至高のアッラーはサード章75で仰せられました。『かれは仰せられた。「イブリースよ、われの手ずから創ったものにサジダするのに、何があなたを妨げたのか。あなたは高慢なのか、それとも高い(偉力ある)者なのか。」』

するとイブリースは、妬みに満ちた言葉で返事をしました。

至高のアッラーはサード章76で仰せられました。『かれ(イブリース)は申し上げた。「わたしはかれ(人間)よりも優れています、あなたは火でわたしを御創りになりましたが、かれは泥で創られただけです。」』

そのためこの反抗的なイブリースというアッラーの創造物に「追放」という至高のアッラーの命令が下されたのでした。

至高のアッラーはアルヒジュル章34−35節で仰せられました。『かれは申し上げた。「わたしにはあなたが泥で形作り、陶土から御創りになった人間にサジダするような事は出来ません。」かれは仰せられた。「それならあなたはここから下がりなさい。本当にあなたは呪われている。この呪いは、本当に審判の日まであなたの上にあろう。」』

ここで、イブリースの心の中でアーダムへの妬みが憎しみへ、そして復讐の決心へと取って代わったのです。

至高のアッラーはアルヒジュル章36節で仰せられました。『かれは申し上げた。「主よ、かれらが甦される日まで、わたしを猶予して下さい。」』

アッラーはその英知によってイブリースの望みを叶え、彼に猶予を与えました。するとイブリースは憎しみから生まれた、猶予を求めた目的を明らかにしました。

至高のアッラーはアルヒジュル章39、40節で仰せられました。『かれは申し上げた。「主よ。あなたは、わたしを迷わされましたので、わたしは地上でかれらに(迷いを)好ましく思わせ、必ずかれら凡てを、迷いに陥らせましょう。かれらの中で誠実な(恩恵により清められた)あなたのしもべのほかは。」』

それに対しアッラーは次のようにかれに答えました。

至高のアッラーはサード章84、85節で仰せられました。『かれは仰せられた。「それは真実である。われからも真実を言う。われは、あなたとあなたに従う凡ての者で、地獄を満たすであろう。」』

アッラーは預言者アーダムを創造され、彼にすべての物事の名前を教えました。それから天使たちにそれらの物事の名前を尋ね、彼らは答えました。

至高のアッラーはアルバカラ章32節で仰せられました。『かれらは(答えて)申し上げた。「あなたの栄光を讃えます。あなたが、わたしたちに教えられたもののほかには何も知らないのです。本当にあなたは、全知にして英明であられます。」』

そこでアッラーはアーダムに尋ねると、アーダムはその問いに答えました。同様にアッラーはアーダムにサラーム(挨拶)とものを作る事を教えました。こうしてアーダムはアッラーによってイブリースが天国から追放された後、天国にたった一人で暮らしていました。アーダムが眠っていた時にアッラーはアーダムの肋骨を取り、そこからハウワーを形作りました。目覚めた時、隣に一人の女性がいるのに気が付いたアーダムは女性に尋ねました。「あなたは誰ですか?」すると女性は答えました。「女です。」アーダムが「何故創造されたのですか?」と尋ねると「あなたがわたしによって気持ちを和ませるためです。」と答えました。天使たちはアーダムに「彼女の名前は?」と尋ねるとアーダムは「ハウワー。」と答えました。天使たちが「どうしてそのような名前なのか?」と尋ねると、アーダムは言いました。「彼女は生き物から創られたからです。」

ハウワーは彼女が創造されてから審判の日に至るまで、最も美しく創造された女性です。それからアッラーはアーダムと彼の妻にある命令をしました。

至高のアッラーはアルバカラ章35節で仰せられました。『われは言った。「アーダムよ、あなたとあなたの妻とはこの園に住み、何処でも望む所で、思う存分食べなさい。だが、この木に近付いてはならない。不義を働く者となるであろうから。」

アッラーはその木が何であるかを言及しませんでした。もしそれが重要でしたら、それを私たちに述べていたでしょう。そしてシャイターン(悪魔、イブリース)は天国で彼ら二人にその木が「永遠」の木だと思わせました。二人はその木の実を食べてしまいました。すると彼ら二人の衣服が落ちました。そこで二人は木の葉を折り、それぞれの隠すべきところを隠したのでした。

至高のアッラーはアルアアラーフ章20節で仰せられました。『その後悪魔(シャイターン)はかれらに囁き、今まで見えなかった恥ずかしいところを、あらわに示そうとして言った。「あなたがたの主が、この樹に近付く事を禁じられたのは、あなたがたが天使になり、または永遠に生きる(のを恐れられた)からである。」

至高のアッラーはアルアアラーフ章24節で二人とイブリースに対して仰せられました。『かれは仰せられた。「あなたがたは落ちて行け。あなたがたは互いに敵となるであろう。あなたがたには地上に住まいと、一定の期間の恵みがあろう。」』

アーダムは落ちて行き、彼の主からの御言葉を受け、アッラーにより彼の悔悟を受け入れられました。

アルアアラーフ章23節『かれら両人は言った。「主よ、わたしたちは誤ちを犯しました。もしあなたの御赦しと慈悲を御受けできないならば、わたしたちは必ず失敗者の仲間になってしまいます。」』

アーダムはインドに降り、ハウワーはジェッダに降り、アラファートで出会い、互いを知り、そのため「アラファート」という地名がついたと言われています。

ハウワーは20回出産しました。出産ごとに男女一人ずつの子供を出産しました。最初の子供はカービールとその妹で、最後はアブドゥルムギースとその妹でした。父である預言者アーダムが子供たちにアッラーの宗教を教えました。

最初のアッラーへの反抗と、地上で最初の犯罪であるカービールによる弟ハービール殺害が起きました。カービールは屈強で農業を営んでおり、ハービールは物腰が柔らかく羊を放牧していました。アーダムの子供たちは自分と一緒に生まれた妹以外の姉妹と結婚するのでした。

二人はそれぞれアッラーへの犠牲を捧げました。アッラーはハービールの犠牲を受け入れ、カービールの犠牲を受け入れませんでした。ハービールは自分の家畜の中で最も良いものを捧げ、アッラーはそれを受け入れました。こうしてカービールはハービールへの憎しみを募らせました。そしてカービールは寝ていた弟の頭を石で殴り殺害し、激しく後悔しましたが、ハービールの死体をどうしてよいのかわからず途方にくれていました。するとアッラーは2羽のカラスをカービールのもとへ送りました。1羽のカラスがもう片方を殺しました。そして土を掘り、そこに死体を投げ落とし、そこに土をかけたのです。カービールはこのカラスがした事を行いました。カービールと妻は平地へと逃げ、アーダムとの関係は切れてしまいました。カービールの民の間には、淫らな事やアッラーへの反抗行為が増えました。そして地上では、カービールとともに悪事を為す民と、アーダムとその他の彼の子供たちともに善行を行う民とに分かれました。

またアーダムの死に関し、てアッティルミズィーとアルハーキムはアッラーの使徒が次のように言った事を伝えています。――アッラーがアーダムを創造された時、アーダムの背中を撫でました。すると彼の背中から、審判の日までの彼の子孫である人口すべてが落ちました。そしてすべての人間の両目の間に光の線によるしるしを付けました。それから彼らをアーダムに見せました。するとアーダムは言いました。「主よ、これらの人々は誰なのですか?」アッラーは仰せられました。「これらはあなたの子孫である。」そこでアーダムはある男を見て、彼の両目の間にある光の線に驚き、言いました。「主よ、これは誰ですか?」アッラーは仰せられました。「これはダーウードと呼ばれるあなたの子孫の最後の共同体の者だ。」アーダムが、「主よ、彼の寿命を幾つにしたのですか?」と言うと、アッラーは「60歳だ」と仰せられました。アーダムは「主よ、私の寿命の40年分を彼に付け足してください。」アーダムが寿命をまっとうした時、死の天使がやって来ました。そしてアーダムが「私の寿命はあと40年残っていたのでは?」と言うと、天使は「ダーウードにそれを与えたのでは?」と言いました。するとアーダムはそれを否定したので、彼の子孫もそれを否定しました。アーダムは忘れてしまったので、彼の子孫も忘れてしまいました。アーダムが過ちを犯したので、彼の子孫も過ちを犯しました。


執筆:ヌーラ アッダハマシ


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