預言者ムハンマド
 

【最後の預言者】



 人間は種々の発展段階を経て進んできた。色々の体験を経たわけだが、その間 に様々な預言者にも巡り合ってきた。そして宗教も様々であった。預言者ムハン マド(アッラーの祝福と平安を)直前の預言者は、イーサー(平安を)であった が、最後の締めくくりの預言者としてムハンマド(平安を)が送られたのであっ た。彼はアッラーが人間に齎された教えを確認し、その言葉を信頼し、並びなき 唯一のアッラーに仕えることを呼びかけた。それはまた、諸観念を正し、イス ラーイールの民が論争していた事柄を明らかにする者でもあった。

 聖クルアーンに言う。「われがあなたに啓典を下したのは、ただかれらの争っ ていることについて解明するためであり、信仰するものに対する導きであり慈悲 である。」(蜜蜂章64)

 一連の預言者はムハンマドで終結されたわけだ。そしてそれ以後は預言者は送 られなかった。クルアーンを見よう。「ムハンマドは、あなた方男達の誰の父親 でもない。しかし、アッラーの使徒であり、また預言者たちの最後の封印であ る。本当にアッラーは全知であられる。」(部族章40)

 聖クルアーンでは何人かの預言者については話が出ているが、他方何も触れら れてない預言者たちもいる。そして判明している情報から総合すると、それらの 預言者たちは、一つの源から出てきている。それは一つの家族の家系図をなして おり、その最後にいるのが預言者ムハンマド(平安を)である。いわゆるファミ リー・トリーに描いてみると下記のようになる。預言者伝承には、「人間はアー ダムから、そしてアーダムは土から。」と言う言葉がある(アルアルバーニーの 書『アルタハーウィーヤ』はこれを真正な伝承としている)。

 聖クルアーンに言う。「本当に、あなたがたのこのウンマこそは、唯一の共同 体である。そしてわれはあなたがたの主である。だからわれに仕えなさい。」 (預言者章92)

 預言者ムハンマド(平安を)は最後の預言者として、アッラーの元から教えを 持ってくる人たちを終結させたのである。その教えとは並ぶものなく、アッラー にのみ仕えるということに尽きる。聖クルアーンに言う。「本当にわれは、各々 の民に一人の使徒を遣わして、「アッラーに仕え、邪神を避けなさい。と(命じ た)。」」(蜜蜂章36)

系図

 マッカ(メッカ)の聖マスジドから夜をかけて預言者(平安を)をパレスチナ のアルアクサー・マスジドに使わされたことがあった。ブラークという天馬に 乗って飛んでゆき、その側には天使のジブリール(平安を)が同伴していた。 到着するとまず多くの預言者たちに祝福の礼拝を挙げられた。そうしてから、一 番下の層の天空に入り、そこにはアーダム(平安を)がいるのを見られた。その 右手には幸福な霊魂たちがおり、左手には不幸な者たちがいた。次に二番目の層 に入り、そこでイーサーとヤハヤー(両名に平安を)を、三番目の層ではユーセ フ(平安を)を、四番目の層ではイドリース(平安を)を、五番目の層ではハー ルーン(平安を)を、六番目の層ではムーサー(平安を)を、7番目の層ではイ ブラーヒーム(平安を)に会われた。次いで最後に最上層の上ったら、アッラー が話し掛けられ、誉れを与えられ、それから彼とその人々に対して一日の昼と夜 の間に50回の礼拝を義務付けられた。しかし後では、それと同じご利益がある ものとして、それを5回に軽減された。その後、朝になる前にマッカに戻され た。そこで人々に何が起こったかを話されたところ、信者たちは皆それを信頼 し、他方不信者たちは嘘だと言った。

 この夜の旅と昇天の話は、ムハンマド(平安を)がアルアクサー・マスジドで 祝福し祈り、天空で会うことが出来た一連の使徒たちの最後のアッラーの預言者 であると言うことの、決定的な証左であると言えよう。

 アッラーの使徒ムハンマド(アッラーの祝福と平安を)が呼びかけたイスラー ムでは、従来の天啓の教えを尊敬しその書物や使徒たちも信じるのである。聖ク ルアーンに言う。「使徒は、主から下ろされたものを信じる、信者たちもまた同 じである。(かれらは)皆、アッラーと天使たち、諸啓典と使徒たちを信じる。 わたしたちは、使徒たちの誰にも差別をつけない(と言う)。また、かれらは (祈って)言う。「わたしたちは、(教えを)聞き、服従します。」」(雌牛章 285)

 また聖クルアーンに言う。「言え、「わたしたちはアッラーを信じ、わたした ちに啓示されたものを信じます。またイブラーヒーム、イスマーイール、イス ハーク、ヤアコーブと諸支部族に啓示されたもの、ムーサーとイーサーに与えら れたもの、それから主から預言者たちに下されたものを信じます。かれらの間の どちらにも、差別をつけません。かれにわたしたちは服従、帰依します。」」 (雌牛章136)

 こうしてイスラームは預言者たち全員の呼びかけるところであり、教えの根本 は一つなのである。たとえ諸義務や諸行為が異なったとしても、最後の完全な姿 はムハンマド(平安を)に見出せるのだ。

アッラーは言われた。「イスラーム以外の教えを追及する者は、決して受け入れ られない。また来世においては、これらの者は失敗者の類である。」(イムラー ン家章85)

筆者:ムハンマド・ハサン・アルジール
アラブ イスラーム学院長

                

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