クウェイトで考えた
 

【さらばクウェイトよ】


いよいよお別れの季節が近づいてきた。学期末になると、なんとか試験にパス して帰国することしか頭にない。友達との別れはつらいけれど、それとこれとは また別の話である。

帰国準備のとき一番困るのは、当然ながら荷物の整理だろう。来るときはでき る限り小さくしてきた荷物も、1年も経てば立派に成長している。さてどうした ものかと思ったが、エアカーゴで簡単に解決できた。エアカーゴは様々な航空会社が提供しているが、私が利用したのはトルコ航 空。約70キロの荷物で約2万円ぐらいだったと思う。税関での手続きが若干面 倒ではあるが、とにかく重たい荷物から解放されるのでおススメだ。

さて、期末試験はパスしたし、航空券は買った。荷物も送った。何はともあ れ、すべて終わったのである。出発は深夜だったが、玄関にはたくさんの友達が 集まってくれた。みんなと名残を惜しんでいると、しびれを切らしたアブラ(寮 母さん)に追い出された。ちなみにこのアブラ、クウェイトに到着したとき迎え に来てくれた人である。

「さらばクウェイトよ…」などと感傷にひたる余裕はない。クウェイトは外国 人労働者の国である。ということは、空港は異常なまでの賑わいを見せるという ことだ。私はエアカーゴを使ってもなお30キロ以上あった荷物を引っ張って、 なんとかチェックインカウンター前に並ぶ人の列にたどり着いた。ふと自分の前 に並んでいる出稼ぎ一家(3、4人ほどだったか)の荷物に目をやると、ばかデ カいスーツケースに、鍋釜、子どものおもちゃやふとんetc…。まるで名古屋の 嫁入りかといわんばかりの荷物が並んでいる。さらに驚いたことに、彼らは平気 でこの荷物をスケールに乗せていた。その重さおよそ100キロ!家族4人で 90キロぐらいは大丈夫としても、数キロ分は超過料金を払わなくてはならない だろう。しかし、それを払っているようには見えなかった。そこで、私も調子に 乗ってスーツケースを置いて、職員の顔をチラッと見てから機内持込にするつも りでいたカートも乗せてみた。すると、OKが簡単に出た!

…とにかく、クウェイトでは世紀末の1年間を精一杯生きてみた。嫌なことも 多々あったが、今となってはそれらも良い思い出。帰国してから現在に至るま で、クウェイトのときほど濃密な時間を過ごしたことはないと思う。

最後になったが、クウェイト政府奨学金のメリットとデメリットは、以下のよ うになるだろう。クウェイトに興味がある物好きな方は、これらを勘案した上 で、応募してみてはいかがだろうか?

(*´∀`)メリット
(1) 奨学金でカバーされるものが多い。食・住をカバーしているので、贅沢し なければ月1、2万程度のお小遣いで生活が楽しめる。
(2) クウェイトなんて行く機会はあまりないので、なんとなくおトク感があ る。
(3) 女子寮に関しては門限があるので、勉強に集中できる。
(4) 「同じ釜の飯を食った仲」ではないが、寝食をともにするため、外国人学 生と深い交流ができる。
(5) 学校や寮の設備が悪くない。冷暖房完備だし、また、夏でも水不足になら なかった(ヨルダンで経験したことだが、トイレの水が流れないのは本当 に悲惨である。)寮のシャワーも、いきなり水になったり熱湯になったり するということはなかった。

(#`д´)デメリット
(1) 募集される人数が少ないし、その数も不安定。例えば、私が行ったときは 「3人募集」とあったのに、行ってみれば1人だけだった。
(2) 女子寮については、思い出しても腹が立つ規則・拘束が多い。
(3) クウェイトは英語が通じてしまうので、アラビア語を使う機会が少ない。
(4) 観光地も娯楽もあまりないので、すぐに飽きる。それでは気分転換にご近 所の国へ小旅行でもしようかと思っても、北はイラク、西と南はサウジで ある。どう頑張っても無理だろう。


<最後のはーみシュ>
・旅行会社はムサンナー・コンプレックスの向かい側にあるビルと、そのビルの 裏手に集まっているようです。エアカーゴを扱っているのは、ミルカブバスセン ター近くにある会社です(名前は失念しました。)
・3年生を終えてからクウェイトに行く場合、奨学金の応募は3年生の前期にす ませておきましょう。ちなみに、私は4年生の前期を終えた段階で行ったのです が、帰国後は進路のことで悩みました。だって、9月に戻ってきても就職活動な どできるわけがないのですから!
・エアカーゴ利用についてはこちらを参考にしてください。


執筆:門屋 由紀
アラブ イスラーム学院 研究員

                

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