イスラーム文化
 

【アラブ イスラーム文明】
 

文明とは、人間の利益のために自然を利用すること、または物質的・精神的に自分の置かれている状況を改善するために人間が費やすありとあらゆる努力のことです。

アラブ イスラーム文明とは、「イスラームを基礎に成り立つ、人間の生活すべての面に関する物質的・精神的なイスラーム共同体の発展」です。

アラブ イスラーム文明の根源となっているものは4つあります。

1 神
2 人格
3 知識
4 理性


1 神

つまりこれはイスラーム文明がその源泉・目的を神(アッラー)によるものとしているということです。

そしてこの文明は2つの根本的な根拠をおおもとにしています。その根拠とは、アルクルアーンと預言者によるスンナです。そして、そこからまた枝分かれしているものに、イジュマーア、キヤースなどがあげられます。

イスラーム文明は西欧文明とは逆に、物質的な面と精神的な面をもっています。西欧文明は一般に言って、人間によってなされた物質面重視の文明であり、そこには精神面、宗教的な面はイスラーム文明に比べるとほとんど含まれていません。

西欧文明はその最初の道のりから宗教から離れました。というのも、西欧文明の担い手たち・先駆者たちと、キリスト教教会関係者たちとの間に激しい対立が起こったからです。

それに反して、イスラーム文明ではムスリム科学者たちがイスラーム諸学とその他の学問を共存させました。このことは歴史をみても明らかです。


2 人格(善悪の価値観)

イスラームは確固たる人格的価値観をもってやってきました。この価値観は生活そして、個人、家族、社会、国家の行動を平等に統制します。そして個人と社会のすべての活動が、この人格的価値観によって結び付けられます。

これに対し、西欧文明は宗教から分離し、教会が科学者・社会に押し付ける価値観を拒絶しました。それに代わり、哲学とそれが説く人格的価値観がとってかわりました。

そのため、西欧文明の中では個人主義、利益追求主義などのマイナス面がその割合を多くしめるようになりました。ですから西欧文明では、その商品価格を下落させないため、小麦・砂糖の収穫量のうち、膨大な量のこれらの作物を、ヨーロッパ・アメリカの海に投げ捨てることができるのです。生物と生活を滅亡させる生物・細菌兵器、化学兵器、核の生産を禁じることはないのです。また、麻薬やアルコール類を生産し、腐敗と社会の崩壊の担い手たちを庇護することをやめないのです。

また、女性を彼女の本質とは異なる仕事に強制的につかせることを許すのです。そして、男女平等の名のもとに、本来ならば男性がやるべき仕事(道路の清掃員など…)へと女性を押し出したのです。しかし、男女平等といいながらも同じ仕事をもつ男性の給与が女性のそれよりも高いのはなぜでしょうか?


3 知識

クルアーンは知識を追求することを義務付けています。クルアーンが預言者ムハンマドに下った際の最初の言葉は「イクラウ!(読め!)」というアラビア語でした。この単語は知識・教育・文明的なことを表しています。そして、クルアーンのアルカラム章(筆章)は、『ヌーン。筆に誓けて、また書いたものにおいて誓う。』

という言葉で始まっています。多くのクルアーン注釈を専門とする学者たちはこの「ヌーン」という言葉をインクだと注釈しています。つまり、アッラーは「インク・筆・書かれるもの」に対して誓っているのです。アッラーは重要性のないものに誓いを立てることはありませんから、これらのことからアッラーが知識と知識を求めることを非常に重要視していることがわかります。

またクルアーンの他の部分でも知識の重要性とそれが与える影響について説いた多くの節があり、それらの節は私たちが文明を築き上げるために自然を利用し、利益を得るために科学的事実を発見することを呼びかけています。

クルアーンはわたしたちに天文・地理・植物・動物・人間に関する科学的事実を提供しています。またクルアーンの中にはハディード章(鉄章)と名づけられる章があります。周知の事実であるように、鉄は重要な鉱物のひとつであり、この章のなかで、わたしたちが鉄を平和時において、また、戦争時において使用するよう呼びかけられています。

『またわれは鉄を下した。それには偉大な力があり、また人間のために種々の便益を供する。』(25節)この節は人間が平和時と戦争時に必要とする道具や武器の製造への呼びかけを説いています。また、銅に関しても述べている節があり、その節により人々の関心が銅へとそそがれました。


4 理性

クルアーンの多くの節は理性・知性を使うこと、そしてそれを使用することを怠らないことを呼びかけています。それと同時に理性とは相反する虚言・嘘・言い伝えから理性を解放するよう呼びかけています。50節以上のクルアーンの節が理性について、また、その派生語について説いています。

またクルアーンは視覚・聴覚・触覚などの感覚を研ぎ澄ますことをも呼びかけています。そして人間に与えられた能力すべてを使用して、人間の現世と来世のためになることをするよう呼びかけています。

至高のアッラーはたびたび「聴覚と視覚と心を与えた」そして、「このようにアッラーはあなたがたにしるしを明らかにするであろう。あなたがたは理解するであろう」とよびかけています。

またその他にも、ムスリムの人生における、そして、文明の建築、建物が建つこと、そして物を発明することに関する理性と知性の位置を明らかにする節が多々あります。

原文:マルワーン・シャイフー氏
翻訳:ファーティマ佐久間
アラブ・イスラーム学院翻訳・文化講座担当

 

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