イスラーム文化
 

【アッラーの性質】
 

ムスリムが信仰しているアッラー(唯一無二の神)とはどのような存在なのでしょうか?

1、存在

第一の性質は、アッラーは存在している御方だということです。つまり、どんなに時を遡ろうとも、また、どんなに時を経ようとも、彼は存在し続け、いなくなることがないということです。

ムスリムはアッラーの存在なしに世界が存在し続けることは出来ないと考えます。というのも、アッラーのみが、他人または外的要因なしに、ご自身で存在しており、逆にアッラー以外のこの世に存在しているものは、その存在のために外的要因を必要としているからです。

2、始まりも終わりもない御方

これはアッラーが時を越えた存在だということです。彼の存在には始まりもなく、終わりもありません。もしも彼に始まりがあるのならば、それを始めた外的要因を必要としてしまいます。そしてこのようなことはアッラーにはふさわしくありません。また終わりがあったとしたら、その後の存在はどうなってしまうのでしょう…

3、この世に存在する何ものにも似ていない御方

アッラーは何ものにも似ていません。アッラーは何かの集合体でもなく、体積、幅などを持つということも彼にはありえない性質です。そういったことを超えた存在なのです。

至高のアッラーはシューラー章11節で仰りました。
『かれに比べられるものは何もない。かれは全聴にして凡てを見透かされる方である。』

ちなみに人間もモノを見ることはできますが、人間がモノを見たり、聞いたりするためにはいろいろな条件が整わなければなりません(一定の距離、面積など…)。

4、何も必要としない御方

アッラーはご自身を存在させるための創造者を必要とせず、存在するための場所も、いかなる要因をも必要としません。つまり、アッラーはいかなるものも必要としませんが、すべてのものはアッラーを必要としているのです。

あるとき預言者ムーサーは、アッラーに「あなたは眠ることがないのでしょうか?」と訊きました。するとアッラーは「この2つの瓶を手に取りなさい。」と仰りました。ムーサーは瓶が落ちて割れないように気をつけていましたが、とうとう睡魔が彼を襲い、うとうとした時、瓶が手から落ち、割れてしまいました。アッラーは仰りました。「ムーサーよ、もしわたしが眠ったとしたらこの天と地はこの割れた2つの瓶のようになってしまうだろう…」

5、唯一無二の御方

この性質は最も重要な性質です。クルアーンの中でも繰り返し「アッラーの唯一性」が書かれています。

至高のアッラーはアルバカラ章163節で次のように仰りました。
『あなたがたの神は唯一の神(アッラー)である。かれの他に神はなく、慈悲あまねく慈愛深き方である。』

クルアーンのなかにはこの唯一性を信じないのは一部の人間だけだと書かれています。ジンの中にも不信仰者はいますが、アッラーの唯一性を否定する者はいないとされています。

アッラーは幾つかの「部分」が合わさった集合体ではなく、彼と対等な者は存在せず、彼と共に行動を起こす者も存在しません。また、彼が持つ性質はそれぞれがそれぞれを補うことを必要としません。また、アッラーが持つ性質と似た性質を持つ者も存在しません。

この唯一性に関しては先ほど挙げた節のほかにもさまざまな節があります。
至高のアッラーは仰りました。

『アッラー、かれの外に神はなく、永生し自存される御方であられる。』(アーリイムラーン章第2節)

『かれこそは、御心のままにあなたがたを胎内に形造られる方である。かれの他に神はなく、偉力ならびなき英明な方であられる。』(アーリイムラーン章第6節)
『言え。「かれはアッラー、唯一なる御方であられる。アッラーは自存され、御産みなさらないし、御産まれになられたのではない、かれに比べ得る、何ものもない。」』(アルイフラース章)

この章は多神教徒たちが、預言者ムハンマドに「おまえの主は金でできているのか、それとも銀でできているのか、言ってみろ」と言った後にその質問の答えとして下されました。

またアッラーは私たちの理性に呼びかけて次のように仰りました。
『もしその(天地の)間にアッラー以外の神々があったならば、それらはきっと混乱したであろう。』(アルアンビヤーウ章第22節)

『アッラーは子をもうけられない。またかれと一緒の他の神もない。そうであったら、それぞれの神は自分の創ったもので分裂しお互いに抜き出ようとして競い合う。』(アルムウミニーン第91節)

つまり、もし神が唯一でなければ、片方が創造を望み、もう片方が破壊を望んだ場合どうなるのでしょうか? 望みを実現させられなかった神は全能ではなくなってしまいます。

また、アッラーは父親も母親も必要としません。
また、アッラーはイーサーを、アーダムを父も母もなしに創造されたのと同じように、父親なしで創造されました。

至高のアッラーはマルヤム章第90節〜92節で次のように仰りました。
『天は裂けようとし地は割れて切々になり、山々は崩れ落ちよう。それはかれらが、慈悲深き御方に対し、(ありもしない)子の名を(執り成すものとして)唱えたためである。子を設けられることは、慈悲深き御方にはありえない。』

原文:マルワーン・シャイフー氏
翻訳:ファーティマ佐久間
アラブ・イスラーム学院翻訳・文化講座担当

 

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