ワフド派遣運動(エジプト)
1882年以来すでにイギリスの植民地と化していたエジプトでは、20世紀の 初頭ムスタファ・カーメルを党首とする国民党によって反英独立運動が高まり、 とくに第一次大戦末期にウィルソン米大統領の提唱する民族自決主義に触発さ れ、1919年のパリ講和会議にむけてサード・ザグルールを指導者とするエジ プトの代表団(ワフド)派遣運動が展開された。ザグルールが国外に追放される や全エジプトに独立要求のデモが広がり、ついに1922年に名目上の独立を達 成することになった。
リビアの抵抗運動(北アフリカ)
リビアでも、1911年にイタリアの侵略戦争が始まり、第一次大戦をはさんで サヌーシー教団の抵抗運動が続けられた。その指導者、オマール・ムフタール は、果敢なゲリラ戦でイタリア軍を悩ましたが、1931年に捕えられ、飛行機 から突き落とされ処刑された。
シリア、レバノン(東アラブ)
第二次大戦末期、シリア、レバノンではフランスにたいし独立を要求する国民政 府とフランス軍との間に流血の反乱が繰返された。レバノンでは1943年、フ ランスの委任統治の撤廃を求める試案が議会に提出された直後にフランスが行っ たアリ大統領の逮捕に抗議して全国ストライキが起き、英米、アラブもこれを支 持、ついに1944年、フランスはレバノンの独立を認めた。またシリアでは、 1941年、フランスが約束した独立に不満を表明するシリア国民党の要求をつ きつけられたフランスは、英米の調停によって1946年シリアの独立も認める にいたった。
アラブ連盟の結成
アラブ諸国の緊密化と共通の目標達成をめざすアラブ連盟が、第二次大戦末期の 1945年3月22日、カイロで調印された条約により結成された。イラク、ト ランス・ヨルダン・シリア、レバノン、サウジアラビア、イエメン、エジプトの 7ヶ国を原加盟国とするアラブ連盟は現在その加盟国は22ヶ国に発展。
筆者:阿部政雄
転載:「アラブ案内」グラフ社(1980年発行)
(2007年3月20日更新)
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