アラブ案内
 

【アラブ栄光の歴史 8】
〜聖書の時代〜

死海
死海。世界で最も低い位置にある湖。1947年春この近くで発見された「死海文書」は、新旧聖書の中間の時代の解明に役立った。

ヨルダン川
キリストがバプティスマのヨハネによって洗礼をうけたヨルダン川。

聖アナニアス地下礼拝堂
ダマスカスの聖アナニアス地下礼拝堂。パウロ改宗の場所。
聖アナニアス礼拝堂付近の通り
聖アナニアス礼拝堂付近の通り。聖書時代の雰囲気を残す。
キリスト教の尼僧
アンマンの街を歩くキリスト教の尼僧。

カイロの街
回教寺院(モスク)とキリスト教会が共存するカイロの街。
アフリカのノートルダム教会
アルジェ郊外の“アフリカのノートルダム教会”(カトリック)


古代オリエントは、人類の魂の揺籃の地ともいうべき偉大な宗教が生れた地域で ある。

ユダヤ民族が“神の選民”であるという極めて民族的宗教の性格をもつユダヤ教 は別して、キリスト教とイスラム教は、世界宗教として、全世界の人類の精神の 支柱として大きな影響を今日まで与えつづけてきた。

従って、シリア、パレスチナを中心とする東アラブには、多くの聖地や、宗教に ゆかりのある場所が多い。

世界最古の旧約聖書ともいわれる「死海文書」が発見された死海、キリスト生誕 の地ベツレヘム、聖母マリアと夫ヨセフが住んでいたナザレなど数え上げられな いほどである。

現存する世界最古の都市といわれるダマスカスには、キリスト教徒迫害のためダ マスカスに向かう途中、聖アナニアスの教えを受けて、熱心なキリスト教の伝道 者となった聖パウロが、ローマ軍の追手を逃れて窓から脱出したという「聖パウ ロの窓教会」や「まっすぐの道」など今なお聖書の雰囲気が残っている。

キリストその人はもともとパレスチナ地方に生れた。預言者ヨハネの洗礼を受け 伝道師となったキリストは、ユダヤ教の一派であったパリサイ人たちの偽善と戒 律主義を痛烈に批判し、ローマの圧制のもとに無力感にうちひしがれていた民衆 に俗世の権力から解放された精神の独立と隣人への愛を訴えた。またイエスの使 徒パウロは、神の前にはユダヤ人もギリシャ人も平等であると説き、キリスト教 の伝道に大きな足跡を残したが、人種、民族の差を超えた「神の前に平等、万人 は同胞」という思想は、かつてアレキサンダー大王以来のヘレニズムの中にその 源流がうかがわれるばかりでなく、やがて7世紀に誕生するイスラムにも受け継 がれていく。

今日でも、アラブ諸国にはキリスト教徒もかなりおり、レバノンでは人口の約半 数、シリアでは約3割、エジプトでは9パーセントといった具合に、東アラブを 中心にかなりの数に達している。


筆者:阿部政雄
転載:「アラブ案内」グラフ社(1980年発行)

                

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