十字軍の歴史
 

【4つの十字軍国家】


 さて、読者の皆様、第1回十字軍遠征は、軍がムスリムに対して勝利を収める と、4つの十字軍国家を成立させました。それは、ウルファ(エデッサ伯国)、 アンタキヤ(アンティオキア公国)、トラブルス(トリポリ伯国)、そしてバイ ト=ル=マクディス(エルサレム王国)です。

 ウルファ(エデッサ伯国)は十字軍が成立させた最初の国家で、ボールドウィ ン(ボードワン)が初代国王になりました。それから、ノルマンディーのボヘモ ンドが軍隊を率いてアンタキヤに進攻し、9ヶ月にわたる包囲ののちに陥落さ せ、十字軍アンタキヤ(アンティオキア公国)を成立しました。

 エルサレム王国は、十字軍がシャム(シリア地方)で成立させた最初の国家で す。
 40日間の攻囲ののち、ヒジュラ暦492年シャアバーン月22日―西暦10 99年7月15日―の金曜日、十字軍が聖地エルサレムを征服したのでした。
 しかし、十字軍はエルサレム開国にあたり、多くの恐ろしい罪を犯し、ムスリ ムやユダヤ教徒や、また自分たちとは異なる宗派のキリスト教徒の男女や子供た ちの流血を許しました。また彼らはマスジド・アクサー(エルサレムの聖マスジ ド)の神聖を汚し、そこに助けを求めて身を寄せたすべてのムスリムを殺害しま した。

 イスラームとキリスト教の両方の歴史書が、十字軍の残忍さや、その戦いの残 虐な流血について同じく伝えており、中には、十字軍は聖エルサレムの道々で殺 された者たちの血の海の中を進んだ、と書かれたものもあり、また、この遠征の ある指揮官が、3宗教の民(*1)に対して血で血を洗う殺戮を行い、兵士たち は通りという通りを、大人も子供もみな殺害して回り、この殺戮は戦いの間中、 昼夜を問わずに続いた、と伝えています。
(*1:ムスリム、ユダヤ教徒、キリスト教徒)

 ゴドフロワがエルサレム王国の王権を手にし、やがて彼が殺されると、ボール ドウィンが王になりました。十字軍の手によるエルサレム陥落によって、東方イ スラーム諸国を侵攻したこのヨーロッパ軍は、自らが掲げたイスラーム諸国攻撃 の目的を実現したのです。

 また、タラブルス(トリポリ伯国)はシャムで最後に成立した十字軍国家で、 ヒジュラ暦503年ズ=ル=ヒッジャ月(巡礼月)―西暦1109年7月―、十字 軍の手に落ちました。

 それでは、次回は、東方イスラーム諸国に対する第2回十字軍遠征についてお 話しましょう。またお会いする日まで。


筆者:リハーブ・ザハラーン

(2007年2月20日更新)

                

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