昔からあるモロッコの伝統的な料理。主に結婚式やお祝い事の宴に作ります。 お砂糖を使いますがお菓子ではありません。前菜とも違い、通常正式な食事の最 初か最後に出されます。
少々手間はかかりますがつくり応えのある一品です。パイ皮(ここでは春巻き の皮)に鶏肉やアーモンドを包み込んで焼いたもの。上に粉砂糖がかかり、甘さ としょっぱさがミックスした不思議な?ハーモニー。ぜひお試しあれ!
<材料>(直径約30cm 一台分 : 8人分)
A 鶏 2羽
玉ねぎ 中3個(みじん切り)
スパイス :
シナモンスティック 2本
黒こしょう(粉) 大さじ1/2
ジンジャー(粉) 大さじ1/2
ちょうじ 5粒
カルダモン 5粒
ナツメグ 1/4粒(包丁で細かくきざむ)
サフラン 1/2ひとつまみ
着色料(黄色) 少々
バター 20g
サラダ油 大さじ1
水 1/2カップ
塩 大さじ1(適宜)
卵 8個
レモン 1/2個(臭みとり用)
B アーモンド 250g
砂糖 75g
バラ水( れば) 大さじ2
シナモン(粉) 大さじ1
C 春巻きの皮(なるべく大きめ) 25枚ほど
卵黄 1個分
溶かしバター 適宜
(&バターの半量のサラダ油)
シナモンパウダー 少々(飾り)
粉砂糖 少々( 〃 )
ミントの葉 ( れば)
<具材Aの作り方>
1.鶏の皮と脂身を取り除き、きれいに洗いレモンを入れた水にしばらく浸す。
2.鶏2羽がすっぽり入るなべに鶏と玉ねぎを入れ、手で混ぜ香りをなじませる。
(A)のスパイス、バター、サラダ油、水、塩を入れ蒸し煮する。
3.鶏に火が通ったら鶏と、半量の玉ねぎを取り出す。鶏は骨をはずし、ひとく ち大の大きさにする。
4.鶏を取り出したなべは、ふたをしないで玉ねぎの水分をとばしながら煮続け る。
5.水分が無くなってきたら、間隔をおいて卵を割り落とす。卵に七割かた火が 通ってきたら、おたまを使い半熟状の卵を割りほぐす。水分を飛ばし煮続けなが ら、ときおり混ぜる。(繰り返し)
6.(3)で取り分けておいた玉ねぎをなべに戻しさらに煮詰める。シナモンス ティック、ちょうじを取り除く。
<具材Bの作り方>
1.アーモンドをゆで、皮をむく。水気を切る。
2.フライパンで乾煎りする。水分が無くなったらサラダ油できつね色になるま で揚げる。
3.アーモンドの油を切り、カッターで歯ごたえのある程度に細かくする。
(カッターにかけるのは数回に分けた方がよい)
4.ボールに移し砂糖、バラ水、シナモンパウダーを加えよく混ぜる。
<パイの作り方>
1.春巻きの皮の両面にまんべんなく溶かしバターをつける。
(使い捨て用のビニール手袋を両手にはめ、春巻きの皮に軽く揉みこむように溶 かしバターを付けると簡単)
2.間に合わせの“台座”の用意
(大きめのなべを逆さにして底面を上にする。その上に盆などを置く。盆にはパ イ生地=春巻きの皮を広げる)
3.バターを付けた春巻きの皮を盆の中心から放射状(トランプを扇形に広げる よう)に一枚ずつずらしながら8枚を広げる。
4.(3)の真ん中に春巻きの皮をずらして置き、さらに中心に2枚重ねたもの を置く。

5.(4)の上に具材B(アーモンド)1/2量を載せて平らに広げる。その上 に具材A(チキン)1/2量を載せて平らに広げる。
ヘラでよく押さえつける。 <一回目>
6.(5)の上に春巻きの皮2枚を中心に置き、さらに残りの具材B(アーモン ド)を載せて平らに広げる。その上に残りの具材A(チキン)を載せて平らに広 げる。
ヘラでよく押さえつける。 <二回目>

7.春巻きの皮2枚を中心に置く。
8.(3)と同じように、(7)の上に春巻きの皮8枚を放射状に置く。
9.盆よりはみ出している春巻きの皮を底面に畳みいれる。(ベッドメーキング の要領で)

10.(9)に卵黄を塗る。春巻きの皮3枚を中心に放射状に置く。卵黄を糊代 わりにする。
はみ出している皮を底面にたたみいれる。
11.なべのフタなどで、ギュっ! と押さえつけ、冷蔵庫に入れ休ませる。
<仕上げ>
1.180度〜200度に熱したオーブンで15分ほど焼く。
2.焼きあがったら荒熱を取り、ナベのフタなどを使ってひっくり返す。(底が 表面です。)
3.盛り付ける皿に移しかえる。(滑り入れる。)
4.茶漉しを使い粉砂糖をたっぷり振りかける。
5.シナモンパウダーで飾り化粧をし、まわりにミントの葉をあしらう。
筆者:本多 惠子
アラブ イスラーム学院 卒業生
(2007年8月28日更新)
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