アラブとの架け橋
 


【サウジ・ナイト】

サウジ・ナイト

2005年12月13日(火)18:00より
会場:日本女子大学目白キャンパス

日本女子大学にて研修中の、サウジアラビアの女子教育関係者(教育省官僚及び 各地の大学学長、教員)によるサウジアラビアの女子教育について、サウジの文 化の体験の機会をあたえる為の企画、サウジ・ナイトに出席しました。

【ファイサル・トラッド駐日サウジアラビア大使ご挨拶】
大使のお話の中で印象に残ったのが‘国民は真の財産’という言葉です。国民が 諸問題に充分対応できるよう、サウジ政府は初等、中等、高等教育に多大な投資 を行っています。国は全ての国民に、保険、教育、社会サービスなどを提供して いますが、私が一番驚いたのは教育の分野です。サウジアラビアでは幼稚園から 大学まで無料、全ての国民が大学まで無料で教育を受けられるそうです。

“イスラムの女性は教育がなく、何の権利も機会も与えられない”という誤った 固定観念についても述べられていました。

― イスラム社会全体、特にサウジアラビアにおける女性の地位は複雑で誤解さ れやすい。しかし西洋の女性が経済的・社会的権利を確立するはるか以前から、 イスラムでは女性にそのような権利を与えてきました。イスラムの誕生以来、女 性は財産相続権を持ち結婚してからも自分の名義で財産を保有でき、その財産を 夫や家族に寄進する義務はありません。事実イスラム社会で最初のビジネスウー マンは預言者ムハンマドの妻です。サウジの女性は社会や家庭において重要な役 割を担っています。サウジの女性は家庭を守ることに限定されていると考えるの は間違いです―。

現在のサウジ女性の識字率は93.3%に達しているそうです。2003年には サウジ女性のうち50万人が労働力として就労しています(サウジの労働力の 15%)。さまざまな分野で仕事に就き、また高い地位にもついています(以下 記載)。

プレゼンテーション『サウジアラビアの女子教育について』

【女子教育の歴史】
1960年に女子教育の為の国家プログラムが導入され、1970年半ばまでに はサウジの女子の約半数が学校に通い、その5年後にはサウジ女性の全員が教育 を受けられるようになりました。

【現在の状況】
公立女子小学校は5535校と私立女子小学校は413校、割合:私立の女子校 は全体の10%サウジアラビアの小学校・中学校・高校における女子学生の構成 比:55%が小学生、小学校の入学者数は毎年14%増加 →サウジアラビアは 若い国

【10年間の高校卒業者数と総合大学・短期大学の入学者数の推移】
1995年まで高校卒業の女子の約90%が総合大学・短期大学などの高等教育 機関に入学しました(現在はこの高校卒業者数が二倍に増えたので比率自体は減 少している)

【女子高等教育】
高校卒業者数が増えたのでそれに対応する為、通信教育や職業訓練学校、短大な ど、高校以降の教育機関が教育を与えています。現在、公立・私立の高等教育機 関がますます必要になっています。
現在高等教育省の管轄下に8校の公立の女子総合大学、教育省に102校の女子 単科大学がありますが、その女子大学の教職員の70%がサウジアラビアの女性 が占めています。
2003年には3つの私立の単科大学、ひとつの総合大学が女子の大学として開 設されました。多数の高卒女子を受け入れる為に短期大学の数も増加していま す。

【女性の社会進出】
2005年までに行政職についた男女の数において、サウジの女性の活躍が最も 顕著なのが教育分野(初等・中等・高等教育機関で教職につく女性は全教職員の 50%を超える)
医療の分野:開業医の31%が女性。
民間部門:サウジ商工会議所に登録されている企業のうちサウジ女性が所有者と なっている会社2万3000社(その数はますます増加しています)。
地元新聞、ラジオ、テレビなど、マスコミ界でも大きく活躍(2004年、二名 の女性がサウジジャーナリスト協会の役員に選出されました)。
社会活動、全国の女性チャリティー組織でも積極的に貢献。
最近では外交官としても外交の場面にたち、商工会議所や、国連の機関にも進出 しています。先週はジェッダ商工会議所にて二名の女性が新たに役員として選出 されました。
また、2000年10月26日、国連のアナン事務総長はスライヤ・オベイド博 士を国連機関の重要ポストに任命しました。

【講演後】
講演後にはとても美味しいお食事と、アラブのお菓子やナツメヤシ、アラビック コーヒーを頂きました。
サウジの民族衣装も展示されており、多くの方が民族衣装を試着するなど、サウ ジナイトを満喫していました。
サウジアラビアに関する冊子も大好評で、多くの人が冊子を手に取り興味深く見 入っていました。自由に持ち帰る事が出来たので、これからゆっくり見ようと 思っています。

サウジアラビアでは既に多くの女性が社会に進出し、活躍していますが、全体の 労働者数に比べると、女性の労働力がまだ少ないように感じます。サウジアラビ アは日本の少子化とは正反対、子供が多い国なので、サウジの女性は日本以上に キャリアを作るうえで出産・育児などの制約があるかもしれません。

しかし、サウジアラビアの高い教育意識の基に国民は高いレベルの教育の機会が 与えられ、知識を得た若い女性が益々増え、社会で活躍することにサウジアラビ アの将来性を感じました。

有意義な夜をありがとうございました。

執筆:佐藤 香世
アラブ イスラーム学院 学生

                

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