アラビア書籍と日本
 

【社会と教育 その1】
 

日本の産業発展における教育の役割や社会、文化を解析するアラビア語書籍をご紹介します。

・ 近代日本の発展:そこからアラブが学ぶもの
・ 教育と、テクノロジー及び産業における発展:日本の試み

★アラブ イスラーム学院図書室で閲覧できます。


*本のタイトル:

近代日本の発展:そこからアラブが学ぶもの

النهضة اليابانية المعاصرة، الدروس المستفادة عربياً

تأليف: ضاهر مسعود


*本書の紹介:
日本は何故、全世界が認める真の近代化に成功したのでしょうか?その間、アラブ社会では高度な近代化が見られず、西洋への隷属と西洋化を増幅する模倣をしたにすぎなかったのに。ならば、近代化はまず国内基盤の成熟の結果だということであり、それゆえに、20世紀中ごろに見舞われた国家大転覆にもかかわらず、日本は近代化試行を成功させたのです。

日本以外の試みはどうだったかと言えば、特にアラブを取り上げれば、それは失敗を生んだにすぎませんでした。何故ならアラブ社会の国内基盤の中には、正しい近代化の動きが見られなかったからです。だからこそ、アラブ世界が日本の第一次、第二次近代化試行から学ぶべきことは、数多くあるのです。

1970年代以降、「日本経済の奇跡」についての研究が始まりました。そして80〜90年代には、その大きな経済発展の危険性に警鐘を鳴らす西洋諸国の指導者も出てきました。日本は、21世紀初頭において、時に世界を経済的に侵攻しているからです。このように日本は、グローバリゼーション時代として知られる新しい国際社会システムの中で、再び有効な役割を望まれるようになり、それにより、最低レベルの天然資源しか持ち合わせていないにもかかわらず、わずか数十年の間に国家カテゴリーの移行を実現しました。

それに対し、特にアラブ諸国のように、豊かな天然資源に恵まれているにもかかわらず、政治的にも経済的にも、軍事的にも社会的にも、文化やその他の面でも、未だに相次ぐ危機の中で生きる国家も数多くあります。その事実は、21世紀初頭において、アラブ情勢を反映した根源的なある問いへと帰結する多くの疑問を投げかけます。

その根源的な問いとは、「何故アラブ世界は立ち遅れ、他の世界は先進するのか?」ということです。それは、「何故日本人は成功し、アラブは失敗したのか?」とも言えるものです。この根本的な問いに対して学問的答えを出すには、2部に分かれる本書の研究を読む必要があります。何故なら日本復興の成功の秘密は多くの詳細の中にあり、目だったタイトルの中にだけあるわけではないからです。

この著者の最初の著書である「アラブの発展と日本の発展:その始まりの類似と結果の相違」では、19世紀以降に起きた日本第一次発展の主要な側面が詳細に扱われました。そのため本書では、現代日本の発展についての継続的要素と、前書で提示された多くの研究要点におけるその後の変化を示しました。しかし日本の急激な発展とアラブの立ち遅れのせいで、日本とアラブの発展の比較は、さまざまな分野において不可能になってしまっているのが現状なのです。

多くのアラブの研究者が、日本復興の歩みから数多くの教訓が得られるであろうと考えています。それは19世紀以来つまずいているアラブ発展の道を正すための助けになるものです。なぜなら日本近代化試行は、アジア隆盛現象の誕生を招いたアジア近代化試行の中にあったのですから。

さまざまな段階における日本近代化の歩みについての深い研究は、新しいアラブ発展のためにアジア近代化試行の研究がいかに有益かという感触を与えます。
アラブ人と日本人は双方とも、かつて西洋の科学技術を多く輸入しました。日本人自身、それを決して否定するものではなく、当時西洋が自分たちよりも進んでいたことをはっきりと認めています。彼らは科学技術を西洋から運び込み、何のコンプレックスもなく、それを自らが必要とする最新の科学技術へと改良しました。西洋の進んだ科学技術から多くを学び、それを研修したという点に関しては、日本人も、アラブ民族を始めとする、西洋の科学技術を輸入したすべての民族と同様であったことは間違いないのです。

しかし日本は、アジアの中で唯一、その科学技術を記録的な速度で吸収し、多くの電気製品やロボット、光学機器、情報機器、医療機器などにおいて西洋を凌駕して、さらにそれを発達させました。そして第二次世界大戦後現在に至るまで、武器を取り上げられ、武装を禁じられて、アメリカの傘下で生きる日本は、第一次近代化より一層の重要性を持つ第二次近代化試行に成功したのです。

その点にスポットを当てれば、日本は近代化に関する現代的試みを、教えや教訓に満ちた例としてそれを役立てようとする者達に提供していると言えるでしょう。著者は本書の中で、その教えを解明しようと試みます。本書における学問的研究方法は、多岐にわたっています。それは、歴史、社会、経済、政治、人類学、文化・文明の相互作用といった、人文学的なさまざまな発見を通して、近代化現象に関する学問的研究方法を集結したものです。

また20世紀の日本近代化試行の継続的・変遷的要素についての研究では、世界史、人類史、文明史について著述している大学者たちの学問的意見を選択する必要がありました。近代化の問題は、その当初から地球の発達を含む理論的カテゴリーだからです。そしてその問題は、グローバリゼーション時代と新しい国際社会システムにおいて、より明白になりました。

この分野の優れた学問的研究には、長年に渡る近代化の分析が必要であり、グローバリゼーション時代における軍事近代化から社会近代化への移行や、国際的及び地域的戦争脅威の停止についての分析も必要です。
また本書では、中流層が人口の大部分を占める日本社会での問題についても、詳しく扱います。著者は、本書が日本近代化試行の研究に新たな道を開く学問的参加となり、新しいアラブ発展計画試行のためにアラブの人々が多くの利益を得るよう強く希望しています。


*本のタイトル:

教育と、テクノロジー及び産業における発展:日本の試み

التعليم والتقدم التكنولوجي والصناعي، التجربة اليابانية

تأليف: محمد محمد سكران

アラブ イスラーム学院図書室で閲覧できます。


*本書の紹介:
本書は、教育、特に大学教育に関する日本の試みと、日本のテクノロジー及び産業発展におけるその教育の役割についての分析的研究です。テクノロジーと産業分野におけるその試みは先導的なもので、多くの発展途上国にとって有益なものです。

本書は、日本で教育、特に大学教育がテクノロジーと産業の発展に果たした役割を歴史的に追走することで、日本の試みを分析します。日本社会は、前世紀の終わりごろから今世紀のはじめにかけて近代化や産業化、そして西洋テクノロジーの模倣に着手し、第2次世界大戦後には、テクノロジー・産業面の生産や発明において自力に頼れるようになり、そしてさらには戦後から今に至るまで、それらの分野での発展と優秀性を有するに至りました。

本書は、その間の歴史を追走し、その役割を担うにあたって教育が直面したさまざまな問題と、どうやってそれを克服したかという点の解説を加えながら分析します。
本書の目的は、その試みから学ぶべき点や、エジプト教育にとって重要な事柄を引き出すことにあるのです。この本は主に4章から構成されています。1章では日本社会の発展のさまざまな現象を取り上げ、学問やテクノロジーの発展を助長する社会的要因について述べられます。

2章では、日本のテクノロジーと産業発展における教育、特に大学教育の果たす役割について取り上げます。3章では、その役割を担うにあたり、日本教育が過去と現在において直面してきたさまざまな問題と、その克服方法について述べられます。
最後の4章では、学問やテクノロジー発展への教育の役割に関する日本の試みの中で、最も有益な教訓を取り上げます。そしてアラブの私たちの国が、現在あるものの活用と、大学教育及びその前教育の学問的枠組みの近代化を通して、いかにして日本の試みから学び、活かせばよいかという点を扱います。

*出版社の言葉:
テクノロジーと産業発展における日本の試みは、多くの社会、特に多くの発展途上国にとって先導的で有益な試みに数えられます。そしてそれを分析する研究者は、教育、特に大学教育が、それらの分野において重要で有効な役割を担ったのだと説明します。それなら日本教育はいかにしてその役割を担えたのか?またその際直面した最も重大な問題とは何か?それをどうやって克服し得たのか?日本の試みから学べる最も重要なことは何か?

19世紀終わりに近代化・産業化を始め、20世紀の始めには西洋のテクノロジーを模倣し、第2次世界大戦前には、自らの能力とテクノロジー・産業生産に頼れるようになり、そして最後には戦後から今まで、その分野で発展を遂げ、優秀性を手に入れた日本の試みと、その中での教育の役割を歴史的に追うことによって、我々はそれらの疑問に本書の中でお答えしようと思います。また日本教育が過去と現在において直面してきた諸問題とその克服方法も解説します。

本書の目的は、社会発展と文明構築を可能にするテクノロジーと産業分野において、有効な役割を担うべきエジプトの大学教育のために、この分野の日本の歴史から有益な教訓を引き出すことなのです。



週刊アラブマガジン編集部


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