アラビア人と私
 

【初めての外国人】


18・19歳のころ、私はデザインスクールに通っていた。その頃住んでいたの が浦安の近く。学校から帰るとスーパーで何か買う。そんな毎日を過ごしている と、、毎日見かけるスカーフをかぶった外国人女性。初めのうちは、話はしない が、笑いかけたり、挨拶「日本語で・・」をしたりしていた。そのうちに、なん となく、話をするようになった。でも英語力のない私は、ひたすら、笑ってごま かす。

そして、ある日、貴女は何をしているの?と彼女が尋ねてきた。「私、学生な の。かわいいお嬢さんね。」と言うと、今度ゆっくりと貴女とお話したいわ。と 彼女が言ってくれた。

私ね、学校が終わったらいつも暇。そんな会話をして、彼女から私の学校のお休 みの日に食事に来て。と誘われた。まだ彼女の名前も知らない。もちろん彼女も 私の名前なんか知らない。

お互いに自己紹介をすると、彼女はパキスタン人で、モーミンさんという名前。 なんだか、ムーミンみたいな名前だな。忘れなくっていい。「私にとっては ね・・」ご主人の転勤で日本に来たと言う。旦那さんも時々見かけるが、話し た事はない。

そして、約束の日、お昼ご飯を食べに来てね。と言う事だったので、12時に彼 女の家を訪問すると、「今日は、娘にピアスを開けたのよ」と言う。なんとなく 羨ましいが、痛くないのだろうか? プラスチックのワッカを耳につけている。 彼女は少し照れくさそうに私に見せてくれた。

そして、お茶を入れてくれると、お祈りが始まった。赤いきれいな小さいじゅう たんを敷いて窓の外を向いてお祈りを始めた。時々立ったり座ったりしてお祈り している。

私はこのようなお祈りを見るのは初めてだった。私自身がクリスチャンなので、 お祈りはするが、とても短い。ひどいときは、「感謝」と一言で終わらせてしま っていた。大体が食事の前のお祈り。

凄いな、と彼女とお嬢さんがお祈りしている姿を眺めていた。10分以上お祈り していたのだろうか、ようやくお祈りが終わると、また、お茶を飲もうと、入れ なおしてくれた。

いつご飯かな? 私とってもお腹すいたな。と心の中で思っていたが、その気配 はない。そして、アルバムを見せてくれ始めた。私がデザインスクールに通って いるので、とっても珍しくて興味があると言うと彼女の服「何と呼ばれるのか聞 いたが忘れてしまった。」を着てみないか? と、どんどん出してくれる。で も、似合わない。とっても鮮やかな色の服が多かった。最後に「私の結婚式の服 よ。」と出してくれた。これは、モーミンさんに、着てもらう。真っ赤な服で、 それから写真。彼女の結婚式の日にとったという写真。

同じだ。でも、いっぱいアクセサリーが着いているので、「これはどうしてこん なにつけているの?」と聞くと、もっとお金持ちはたくさんつけるのよ。私のは 頭と耳とがつながっているけど宝石が入っていないの。と教えてくれる。そし て、ブレスレットは腕を隠している。

そのブレスレットを見て、どうやってこれはめるの。絶対無理だよ。と言うと、 手を縦に丸めて、それで入れるんだという。手首の細さよりほんの少し広いだけ で、どうやって手を入れるの???? すると私にはめようとしてくれる。面白 い。もう少しで入りそうだけど、やっぱり私の手はそううまく丸まらない。空い ている手で手を押さえてもそれは無謀としか言いようのない行為だった。

そして、、私たちが友達になった記念にこのブレスレットをひとつあげる。と言 われひとつ頂いた。とってもきれいな彫り物がされている。そうやって感激して いると、「ゆかりはカレー食べられるわね。」と言う。「カレー大好き。」と答 えると、それまで食べた事のないカレーが出された。カレーと言えばご飯と半分 ずつのものしか知らなかった私には驚きのものだった。でも、これが美味しい。

パンのようなパンをつけて食べる。ゆかりはご飯のほうが良いと思って炊いてお いたの。と、こんな心づかいまでしてくれている。感激。この食事が始まったの は2時だったのでお腹はぺこぺこだった。きっと凄い勢いで食べたと思う。で も、日本のカレーのようにドロッとしていないのに辛い。どうやって作るのか聞 いてみたけど、英語での説明は難しくって途中で判らなくなったが、楽しいひと 時を過ごさせてくれた。彼女モーミンさんが私にとって初めてプライベートで知 り合った外国人だった。その少し後彼女は旦那さんの転勤で、パキスタンに帰っ ていったが、照れくさそうな笑顔はきれいで、かわいかった。


筆者:高橋ゆかり
アラブ イスラーム学院 学生

                

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