アッバース朝の歴史
 

【アッバース朝時代の文明の続き】
 

3:社会的状況:
アッバース朝のカリフたちはアッバース朝が抱える全国民の間の調和を保つことに気をつけていました。アッバース朝の社会は次の人々から構成されていました。

アラブ人
2− アルマワーリー:つまりアラブ人以外のムスリムたち。
3− 庇護民:彼らはその土地に住んでいた啓典の民(ユダヤ教徒たちとキリスト教徒たち)。ムスリムたちの彼らに対する寛大さは他のそれとは区別されました。

これらすべての人々の層によるアッバース朝時代の社会は安寧と栄華の中で暮らしました。そしてこの社会に生活していたムスリム以外の者たちに対して寛容でした。

4− 奴隷:イスラームによる諸国の開放は多くの奴隷をもたらしました。イスラームは奴隷に対しても善い人格で接するよう、また彼らの解放をアッラー への服従と特定の罰に対する免罪符の役割のようなものとしました。

4:経済状況:
経済状況は限りなく良く、特にアッバース朝が力を誇っていた時期には目を見張るものがありました。農業分野においては米や小麦・大麦の栽培が盛んで、果物やナツメヤシなどの果樹園が、また同様に綿や麻などの収穫も増加しました。また農業方法や灌漑方法も発達し、運河や灌漑水路が掘られ、ダムが建設されました。また多くの土地が農業用に開拓されました。

産業分野においては当時の最も重要な産業は製紙産業・織物産業・絨毯・衣服・カーテンなどの生産産業でした。同様に製鉄・金細工や砂糖や油など農産物に由来する産業も発展しました。商業分野においては、農業と諸産業の繁栄が国内外の商業の繁栄をもたらしました。こうしてイスラーム諸地域間、あるいは隣国との商業取引が増加しました。また中国やインドとの貿易が、同様にイスラーム国家における主な金の産地であるマリ王国やガーナとの貿易が増加しました。

5:科学・文化面:
当時のイスラーム文明は宗教学・その他の学問に関する繁栄ゆえ、イスラーム文明の黄金時代として他と区別されています。そしてアッバース朝時代の知的生活の中心地はイラク・シャーム(現シリア・レバノン・パレスティナ)・ヒジャーズ・エジプトなどでした。また当時翻訳センターも繁栄しました。


アッバース朝時代に繁栄した学問とは……
1− イスラーム学:これは聖クルアーンとそれの関連諸学、ハディース、フィクフ(法学)などを含んでいます。ヒジャーズ地方はクルアーンとスンナに関する学問の中心地であり続け、またこの時代には、スフヤーン イブン ウヤイナやマーリク イブン アナスなどの著名な学者たちが台頭しました。イラクにおいてはクーファやバスラやバグダードやサーマッラーが学問の町として有名でした。イラクの学者たちとしてはアブー ハニーファ アンヌウマーンやアハマド イブン ハンバルが有名でした。またフスタートのアムルー イブン アルアースモスクはエジプトのイスラーム学の中心地でした。

同様に多くの法学派の基礎となっている預言者のハディースの編纂が始まりました。またこの時代にタバリーのクルアーン注釈書など多くの長編のクルアーン注釈書が書かれました。

2− アラビア語学:文法・詩・演説・言語学などを含みシーバワイヒが文法で、アルード学(詩の音韻などを学ぶもの)ではアルハリール イブン アハマド アルファラーヒーディーがその名をとどろかせました。また辞書の編纂ではイブン マンズールやアルファイルーズ アバーディーやイブン ドゥライド アルアザディーやその他の者たちが名をとどろかせました。詩や散文や演説などの文学に関して言えば、アッバース朝ではこれらが繁栄し、演説ではアルマンスールなどのカリフたちの演説や総督たちの演説が有名でした。同様にアッバース朝ではアブー タンマームやアルブフトゥリーやアブッタイイブ アルムタナッビーなどの幾人かの有名な詩人たちが、また散文においてはアブドゥッラー イブン アルムカッファウやアブー ウスマーン アルジャーヒズなどが台頭しました。
3− 社会学:歴史や地理を含みます。アッタバリーやミスクワイヒの歴史書が著名となりました。動揺にムスリムたちは崇拝行為のために場所や時間の限定に熱心でした。それらは諸国の暦の発展の基礎となりました。ムスリムたちはこの学問における先駆者たちで、アブー ウバイド アルバクリーやアッシャリーフ アルイドリースィーなどが地図を描いたり道や諸国の状況に関する本を書きました。
4− その他の学問:これは政治学・道徳・医学・天文学・数学・化学・薬学などで、ムスリムの医者たちの中で著名な者たちにイブン シーナーやアッラーズィーやイブヌンナフィースがいました。化学ではジャービル イブン ハイヤーンが、数学ではアルハワーリズミーが著名でした。

皆さん、これでアッバース朝の簡単な歴史と幾人かのカリフたちとその文明的様相を皆さんにご紹介することができたであろうことを願っています。

それでは皆さん、近いうちにみなさんにアルアンダルスにおけるウマイヤ朝についての紹介をするまで、ごきげんよう……
あなた方の上に平安とアッラーの慈悲と祝福がありますように……

執筆:リハーブ ザハラン
アラブ イスラーム学院講師


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