アラブとの30年
 

【平和の願い】
 

砂漠の道路脇のドライブインでシャイ(紅茶)を注文します。オリーブの木陰のテーブルに座り、シャイにレモンをしぼります。手のひらに飛び散ったレモンを両手でこすりレモンの匂いを嗅ぐ。涼しげな香りが一瞬漂う。小さなグラスに入った熱くて甘いシャイをすする時、ホッと一息つきます。透き通る青空にギラギラ燃える太陽の光は、人間の思考を阻む暑さです。その暑さを避けるには木陰が一番。頬をなでる風は心地よく、木陰にたたずむと幸せを覚えます。

ここでは新聞も,テレビも不要。特別贅沢な食事も要りません。着飾る洋服も特別関心は有りません。自分が誇る日本国籍も、何の意味も持ちません。町の喧騒を逃れ、ただ自分の存在を感じる一時です。初めてここに来た筈なのに「いつか自分はここに来たことがある」とふと、懐かしさを覚えます。きっと遠い昔の事を遺伝子が記憶しているに違いありません。この穏やかな空間は、何処からかもし出されるのでしょうか。思わず何か声に出したいような一時です。世界中の誰もが自由にこんな至福の時間を共有出来る時代がくることを心から願います。

アッラーは「ひとびとよ、われは一人の男と一人の女からあなたがたを創り、種族と部族に分けた。これはあなたがたを、互いに知り合うようにさせる為である。」多くの異なる民族が、互いに知り合い、尊敬し平和に暮らすためだといいます。アラビア人は1400年に及んでアラビア語で徳育を伝えています。日本もかつて誇った仁、義、徳、礼を失ってはならない、とアラブの地で思います。

執筆:片山 廣
アラブ イスラーム学院顧問

 

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