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第8章
【ザイナブ・ビント・ジャハシ―その4】
 

すばらしい仲人

 ムハンマドは、啓示により妻となったその人と結ばれた。その夜をアーイシャは、嫉妬にもだえて過ごしたのであった。佳麗なザイナブを見て、またザイナブには神(アッラー)のなしたことを当然誇っていい権利があるのだから、アーイシャの気持の乱れは、彼女も言っているように並たいていのものではなかった。預言者の他の夫人たちも同様であった。皆がみな佳麗なる若き妻、しかも、神(アッラー)が娶らせた妻であるこの貴婦人には心悩まされたのであった。思惑どおり、夫人たちに会ってその胸のなかに秘められた挫折感を感じとったザイナブはこう誇ったのであった。「私の仲人はすばらしい御方、あなた方は家族の手で結婚なさったけど、私は7つの天の上から神(アッラー)が結婚させて下さったのですもの」

 ウンムサラマは、預言者が格別目をかけている妻、アーイシャにおよんだ影響を知ってうれしく思った。そしてザイナブもウンムサラマに親しみを寄せ、彼女がアーイシャへの競争心を燃やすことに疑いなく満足していた。

 アーイシャは、ザイナブへの嫉妬心をあらわに見せた。ウンムサラマに対しても同様であった。彼女は二人をこう思っていたのである。「この二人は自分のつぎに夫に愛されている妻たちだ」その後ザイナブだけを敵視するようになってこう言った。「ザイナブよりほかには、預言者の夫人のなかで私に匹敵する人はいない」またはこう言った。「夫人たちのなかで、ザイナブ・ビント・ジャハシだけが、夫のもとで私と同じくらいの高い地位を持とうとしている」アーイシャが、夫がザイナブに寄せる寵愛に悩み、ハフサやサウダと図って、夫がザイナブのもとから出てきたら、「マガーフィールのにおいがする」と言おうと企んだ話は、すでに前に述べた通りである。

 この二人の間の競争は、夫ムハンマドの面前でくり広げられることもあった。夫はおそらくこのいさかいは、二人にとっても気持のうっぷん晴らしになるものと、二人をあえてとがめることもせずそのまま自由にさせておいた。

 一度アーイシャは、ザイナブに打ち勝つことができた。それはムハンマドが笑いならがこうつけ加えた一言ゆえであった。「彼女はアブーバクルの娘なのだ」また、あるときはアーイシャの口にした言葉が、預言者を激怒させた。それは預言者が、アーイシャのもとにいたときに贈物が届けられたので、それぞれの夫人たちに分け送ったが、ザイナブはそれを返してきた。こらえきれずにアーイシャは、夫にこう言った。「贈物を返すなんてあなたを侮辱したのです」怒った預言者は、彼女のもとを立ち去り、「あなた方は私を侮辱する者よりもなお低い」と言った。

転載: 宗教法人日本ムスリム協会 「預言者の妻たち」
アーイシャ・アブドッラハマーン 著
徳増 輝子 訳

(2007年9月21日更新)














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2007年 アラブ イスラーム学院