トップ | イスラーム研究1 | イスラーム研究2 | イスラームと女性 | 預言者の妻たち | イスラーム世界とキリスト教 | イスラームと教育

 

第8章
【ザイナブ・ビント・ジャハシ―その3】
 

ヒジャーブ

 喜びの知らせが、ザイナブのもとに届けられた。伝えたのはムハンマドの召使いのサルマーであるとも、またザイド自身であったとも言われている。すぐさま手にしたものを置いて、彼女は感謝の祈りを捧げに立ち上がった。

 婚礼の祝宴が、盛大に催された。ムハンマドは羊をザバハすると、下男のアナス・イブン・マーリクに、人びとをこの祝宴に招待するよう命じた。つぎつぎとお祝いに訪れる人びとでにぎわい、食事を終えて立ち去った人びとのあとに立ち代わり別の人びとが腰をおろすというありさまで、アナスが「使徒様、もう誰も招待する人がいなくなるまで呼びました」と言ったほどであった。そこで、使徒は、「食事をとり片づけなさい」と言った。ここにまたもや啓示が下されて、使徒とザイナブとの結婚に関しては、二度にわたって神(アッラー)の御言葉が降されたことになる。それは招待客のうち何人かが、食事が終ってもおしゃべりに興じていて一向に席を立とうとしなかった。彼らの滞席があまりに長びいたので、使徒は立ち上がるしぐさを見せたのだが、彼らは無頓着だった。そんな彼らの様子を見て、使徒は夫人たちの訪問にと立ち上がった。おそらく人びとも立ち去るだろうと思ったのである。使徒のあとに続いて人びとは腰をあげたが3人の客はあいかわらずそのままでいた。使徒はいつものように夫人たち全員の部屋を回って、新しい妻への祝福を受けて歩いた。そして、いまや、ザイナブのもとに行くときが来たのであるが、例の3人はいまだに腰をあげる様子もなく、おしゃべりに興じていた。花嫁は、そこに背を壁に寄せかけて坐っていた。しかしそこから彼らを追い出すことなど、彼にはとてもできないことであった。そこで、彼はアーイシャの部屋に向かった。アナスはそこに残り、客が立ち去るのを待って、急いでその知らせを使徒に伝えに来た。使徒はザイナブの待つ部屋に戻り、その入口に来ると、彼とアナス・イブン・マーリクの間には帳が下げられた。そして一節(アーヤ)が下されたのである。「信徒たちよ、汝らに特に許された場合以外、食卓を待って預言者の家にはいってはならぬ。だが招かれたときははいり、汝らの食事が終ったならば立ち去るよう、世間話に長座していてはならぬ。このようなことは預言者には迷惑であるが、汝らに遠慮している。だが神(アッラー)は、真実を述べるのを遠慮などせぬ。また、汝らが、彼女ら(預言者の夫人たち)に何ごとでも尋ねるときは、必ずヒジャーブ(帳)の向うから尋ねるがよい。それが汝らの心にも、また彼女らの心にも、最も潔白である。また汝らは神(アッラー)の使徒を悩ますようなことをしてはならぬ。また汝らは彼のなきあと、どんな場合でも彼の妻たちを娶ってはならぬ。神(アッラー)はそれを大罪となさる」……クルアーン第33章(アルアハザーブ)53節。

 そのとき以来預言者の夫人たちに、また信者の女たちすべてに、慎しみと、誇りと、気品の象徴として、またつまらぬ噂話の種から身を守るものとして、ヒジャーブが義務づけられるようになった。

転載: 宗教法人日本ムスリム協会 「預言者の妻たち」
アーイシャ・アブドッラハマーン 著
徳増 輝子 訳

(2007年9月14日更新)














日本語トップ | リンクについて | サイトマップ | ヘルプ



2007年 アラブ イスラーム学院