ハッジとは? | はじめに | ウムラのやり方1 | ウムラのやり方2 | ハッジのやりかた | 預言者モスク訪問 

 
ハッジ研究
 

はじめに


ハッジはイスラームの柱の一つである、最も徳のあるイバーダート(崇拝行為)の一つです。そして、これらのイバーダートがアッラーのもとに受け入れられるには、次の二つのことに留意しなければなりません。

アッラーただその御方のため、そして来世のためにイバーダートを行うこと。見栄や評判のために行わないこと。
言葉と行動によって、預言者(アッラーよ彼に祝福と平安を与えたまえ)に従うこと。このためには正しい知識をもった学者たちから預言者のスンナを学ばなければなりません。そして、預言者のスンナの相続人ともいえる学者たちはイバーダート、アフラーク(人格)、ムアーマラート(人々との間の執り行い)において、そのスンナを実行していかなければなりません。そして、それをウンマ(イスラーム共同体)に伝え、知識を求めること・行為・学んだことの伝達・宣教を人々に呼びかけなければなりません。

以下はハッジとウムラに関することの要約です。

はじめに

水が見つからなかったり、水があるものの、飲食用として必要な場合、旅行中の人にはタヤンムム(水を用いないでタハーラを行なう方法)がゆるされます。しかし、礼拝の時間内に水のあるところにたどり着ける可能性が高かった場合、その水にたどり着いた時にタハーラ(ウドゥーやグスルなど)を行うため、礼拝を遅らせる(もちろん時間内で)ことが好ましいとされています。
旅行している人の権利として、彼がその土地を出てから、そこに戻るまで、期間が長引こうとも、4ルクアの礼拝を2ルクアに短縮することができます。
アルブハーリーの伝承によると、イブンアッバースは「預言者がマッカ開放の年に、4ラカートの礼拝を2ラカートにされて、マッカに19日間滞在し、また、タブークには礼拝を短縮され、20日間滞在された」と伝えています。
しかし、もし旅行中の者が、4ラカート礼拝するイマームについて礼拝をする場合、その者が1ラカート目からイマームのあとについたとしても、あるいは途中からついたとしても、イマームにあわせて4ラカートの礼拝を行います。遅れた分は、イマームがサラームをした後に行います。これは、預言者の「イマームとは、人々が彼をまねるためにあるのだから、彼と異ならないようにしなさい。」という言葉によります。そして「追いついた分は礼拝し、失われた分は完成させなさい。」という言葉によります。また、イブンアッバースは次のように尋ねられました。「1人で礼拝を行う時には2ラカート礼拝し、居住者のあとについて礼拝する時は4ラカート行う旅行者についてどう思われますか?」すると彼は「それはスンナです」と言いました。そして、イブンウマルは旅行中、居住者であるイマームとともに礼拝した時は4ラカート、1人で礼拝した時は2ラカート行いました。
旅行者の権利として、もし、必要であれば、ズフルとアスルの礼拝、そしてマグリブとイシャーの礼拝を集めてすること(ジャムウ)ができます。例えば、道を進み(徒歩・乗り物などで)続けているときなどです。その場合、ジャムウ・タクディーム(後の礼拝を前の礼拝と合わせて先に行うこと)または、ジャムウ・タアヒール(前の礼拝を後の礼拝に合わせて後で行うこと)のうち、よりやり易いやり方でジャムウを行います。
もしも、このジャムウが必要ない場合はジャムウを行いません。例えば、出発前に次の礼拝の時間に入る時などです。このような場合、それぞれの礼拝をそれぞれの時間に行います。

アルマワーキート(イフラームを行なう場所)


「アルマワーキート」とは、「ミーカート」というアラビア語の複数形で、預言者がハッジとウムラを行う者が、そこからイフラームを行うために定めた場所のことです。アルマワーキートは5つあります。

ズルフライファ(アビヤール アリー。アルヒサーとも呼ばれます)
アルマディーナの住人とアルマディーナ滞在者はここを通り過ぎる前にイフラームをしなければなりません。
アルジュフファ
最近では人々はラービグからイフラームをするようになりました。ここはシャームからの人々と、ここの滞在者のミーカート(イフラームを行なう場所)です。
ヤラムラム(山またはティハーマにある場所)
ここはヤマンの人々とここの滞在者のミーカートです。
カルヌルマナーズィル(アッサイル)
ナジドの人々とそこの滞在者のミーカートです。
ザートイルク(アッダリーバ)
イラクの人々とそこの滞在者のミーカートです。

これらの場所よりもマッカに近い場所にいる者とマッカ住人のミーカートはそれぞれの滞在場所がミーカートになります。
また、これらの場所の左あるいは右に滞在している者は平行線が、自分により近いミーカートがその者のミーカートになります。
飛行機に乗っている者は飛行機がミーカートの上空を通り過ぎるまでに準備をし、イフラームの服を着なければなりません。そして、通り過ぎる時にイフラームのニーヤを行います。飛行機に乗った人で空港についてからイフラームを行う人がいますが、これは間違いです。

また、ハッジとウムラ以外の目的でマッカに向かう人はイフラームを行う必要はありません。これは「ミーカートはハッジとウムラを望む者のためにある」という意味のハディースからきています。

ハッジには3つの行い方があります。
タマットゥウとイフラードとキラーンです。

アルタマットゥウ
ハッジの期間にウムラのためのイフラームを行います。そしてマッカについたらタワーフとサアイをウムラのために行います。そして髪を剃るか切ります。そしてズルヒッジャの8日目(ヤウムッタルウィヤ)にハッジのためのイフラームを行いハッジ中に行う全てのことを行います。
アルイフラード
ハッジのためのイフラームを行います。そして、マッカについたらアルクドゥームのタワーフ(マッカについた時のタワーフ)を行いサアイを行います。その後、髪を剃らず、切らず、イフラームを解かず、ムフラムのままでいます。そして、イードの日のジュムラトゥルアカバのラミー(石投げ)の後、イフラームを解きます。ハッジのサアイをハッジのタワーフの後に遅らせても問題ありません。
アルキラーン
ウムラとハッジの両方のためのイフラームを行います。または、まずウムらのためのイフラームをし、それからウムラのタワーフを始める前にハッジに入ります。キラーンのやり方で行うこととイフラードで行うことは同じです。違いは、キラーンを行う人はハディー(犠牲)を行うことが義務付けられ、イフラードを行う人はハディーは義務付けられません。

この3つの種類の中で最も徳の高いのはタマットゥウです。これこそ預言者がサハーバたちに命じ、また奨励したやり方でした。また、もしキラーンまたはイフラードのイフラームを行った者でも、ムタマッティアンになるためにイフラームをウムラのためのものに変えるほうが良いことを強調しています(タワーフ・サアイの後でも)。というのも、別れのハッジの年に預言者がサハーバとともにタワーフとサアイを行った時、ハディー(犠牲)を持っていない者にイフラームをウムラのものに変え、髪を切り、イフラームを解くように命じ、「もしも、ハディーを持っていたら、私はあなた方に命じたように行ったでしょう」と言いました。これは、あるものがムタマッティウとしてハッジまでのウムラのイフラームを行い、その後、アラファの日の前にウムラを終えることが出来ないこともあるからです。
そのような時には、ハッジがウムラの中に入り、その人はキラーンを行うことになります。

例1) ハッジの前にウムラをするとして、タマットゥウをウムラのためのイフラームによって開始した女性がタワーフの前にハイド(月経)またはニファース(悪露)の状態になりました。そしてタハーラの状態になる前にウクーフルアラファ(ズルヒッジャ9日目にアラファの丘に立つこと)の時間がやってきました。この場合、彼女はウムラ中にハッジを行うニーヤをし、キラーンのやりかたでハッジを行います。
そしてイフラームの状態のままで残り、タハーラの状態になり、グスルを行うまで、タワーフとサアイを除くすべてのハッジ中に行うことをします。
例2) ハッジの前にウムラをするとして、タマットゥウをウムラのためのイフラームによって開始したが、アラファの日の前にマッカに入ることを困難にする問題が彼に起こった場合、ウムラ中にハッジを行うニーヤをし、キラーンのやりかたで、イフラームの状態のまま、ハッジを完了させます。

ハディー(犠牲)を必要とするムフリム(イフラームを行った人)

これはタマットゥウとキラーンのやり方でハッジをする人です(それぞれ、ムタマッティウ、カーリンと呼ばれる)。

ムタマッティウ

ハッジの期間中(シャウワール月以降〜)にウムラによるイフラームをする人のことです。もしもシャウワール月に入る前にウムラによるイフラームをした人はムタマッティウではなく、マッカでラマダーンの断食をした・しなかったにかかわらず、ハディーは義務付けられません。シャウワール月以降イフラームをしたものはムタマッティウとなり、その条件を満たしていれば、ハディーが義務付けられます。

一般の人がよくいう、「マッカで断食をしたらハディーは義務ではなく、しなかったら義務」というのは間違いです。

カーリン

ウムラとハッジ両方によるイフラームをする人のことです。また、ウムラでイフラームをし、その後、ウムラのタワーフをする前にハッジをそのウムラの最中に行う人のことです。

次の条件を満たす者だけがハディー(犠牲)が義務ではなくなります。
ハーディルルマスジドルハラームの人たち:この人たちにはハディーをする義務はありません。

ハーディルルマスジドルハラーム

ジュルムの住人とその近くに住んでいる人(その場所とハラムの間の距離がサファル(旅)の距離とみなされない人たち(シャラーイウの人々など・・・)のことです。彼らにはハディーは義務付けられません。それ以上の距離で少し遠くに住んでいる人(ジェッダの人々など)にはハディーが義務付けられます。
また、マッカ住人のうち、知識を求めるため、または、それ以外のためにマッカを出ていて、マッカにムタマッティウとして戻ってきた人にはハディーは義務とはされません。というのも、重要なのはその人の滞在地・居住地であり、この例の場合それはマッカだからです。
もしマッカ以外のところへ住むために転居し、ムタマッティアとして帰ってきた時にはハディーが義務付けられます。

ムタマッティウとカーリンに義務とされる犠牲

犠牲として捧げるのに有効とみなされる動物は羊、または7頭のバダナ、または7頭の牝牛です。もし、それが手に入らない場合は、ハッジ中の3日間の断食と家族の下に戻った時の7日間の断食が義務付けられます。これらの3日間の断食はタシュリークの日々(ズルヒッジャ11、12、13日)に行ってもよいことになっています。また、ウムラのイフラームのあとに断食してもよいのですが、アラファの日と、イードの日は断食をすることが禁じられています。これは預言者がイードの2日間(イードルフィトルとイードルアドハー)とアラファの日の断食を禁じたためです。この3日間の断食は連続して行うこともばらばらに行うことも可能です。ただし、タシュリークの日より後に遅らせることはできません。また、帰省後の7日間の断食も連続で行ってもばらばらに行ってもよいことになっています。

犠牲を屠る日々は4日間

イードの日とその後の3日間がザバハ(屠ること)をすることが可能になります。その前にザバハを行った場合その羊はハディーとはみなされません。これも預言者のスンナによるものです。「私が行ったように宗教行事を行なえ」「タシュリークの日々すべてザバハをしてよい」
これらの日々、ザバハを昼夜問わず行うことが可能ですが、昼間の方が良いといわれています。また、ミナーまたはマッカでザバハは可能ですが、ミナーのほうが良いと言われています。しかしながら、マッカで行った方がそこにいる貧者のためにより効果的だった場合には貧者のためになるほうをとるべきです。

義務付けられたハディーや断食は、信者に対する何の効果のない罰でも、疲労させるためのものでもありません。これは宗教行事を完了させるためのもので、アッラーからの慈悲でもあります。そして、信者がアッラーに近付くためであり、報奨を受け取るためです。残念ながら、多くの人々はこれの効果に注目せずハディーの義務から逃れようとし、そのために奔走し、ハディーを行わないためにハッジをイフラードで行おうとし、自分たちがアッラーからの報奨を得ることを禁じているのです。


 
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2004年 アラブ イスラーム学院