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イスラーム研究その2


第4章 イスラームにおける生き方
 

6.内政

アッラーはムスリム自らイマーム(指導者)を任命し信任することを命じられました。また、分裂することなく団結してひとつのウンマとなるよう命じられました。また、ムスリムは指導者がアッラーの命令に背いた場合を除いて、信任したイマームまたはアミール(首長)に服従するよう命じられました。

アッラーはムスリムにイスラームの教えと活動を広めることができない地域にいた場合、イスラーム法をもって支配され、ムスリムの指導者がアッラーの啓示をもって治めるイスラームの地域に移住することを命じられました。

イスラームは国境や国籍や人種差別を認めず、ムスリムにとってイスラームの枠こそが国籍なのです。すべての住民はアッラーの僕で、すべての土地はアッラーの所有するところです。もしシャリーア(イスラーム法)が施行されていれば、ムスリムは何の妨げもなしにこの土地を移動することが出来るのです。もしこれにひとつでも違反したならばアッラーの裁きに委ねられるのです。シャリーアの施行やハッド刑(1)の存在は治安の維持や人びとの生活に支障をきたさずにすみ、市民の生命や名誉や財産その他人間が犯されてはならないものすべてを守ります。これを変更することは大変罪深いことなのです。
アッラーフ・タアーラーは酒類や麻薬類また惑わすものを禁じ人間の理性を守って下さっています。理性を維持し人びとを悪から守るために、麻薬の使用や飲酒のたびにハッド刑が科せられ40から80のむち打ち刑が科せられます。
キサース(2)をもってムスリムの生命を守ることです。それは不当に殺害した者には殺害者は死刑とすることです。傷害にもキサース刑が認められています。また、ムスリムには自己の生命や名誉や財産を守る自己防衛の権利が与えられています。アッラーフ・タアーラーは次のようにおっしゃっています。

((وَلَكُمْ فِي الْقِصَاصِ حَيَاةٌ يَاْ أُولِيْ الأَلْبَابِ لَعَلَّكُمْ تَتَّقُونَ))

あなたがたにとってキサースには生命[の救済]がある。思慮ある者達よ、おそらくあなたがたが[アッラーを]畏れるであろうと思って。
(Q2/179)

次のようなハディースが伝えられています。

قال رسول الله : (( من قتل دون نفسه فهو شهيد ، و من قتل دون  أهله فهو شهيد ، و من قتل دون ماله فهو شهيد )) (1)

使徒(ラスールッラーヒ、サッラッラーフ・アライヒ・ワ・サッラム)はおっしゃいました。『自分の生命、名誉、財産を守ろうとして殺されたものはシャヒード(殉教者)である。』

アッラーはムスリムの名誉を守って下さっています。真実をもって以外は人のいやがる中傷について話したり、姦通や同性愛のような倫理的犯罪に関して、法的根拠をもって断定もせずにムスリムを中傷したりすることをハッド刑をもって禁じています。
アッラーフ・タアーラーは酒類や麻薬類また惑わすものを禁じ人間の理性を守って下さっています。理性を維持し人びとを悪から守るために、麻薬の使用や飲酒のたびにハッド刑が科せられ40から80のむち打ち刑が科せられます。
アッラーは財産を守って下さってもいます。窃盗、ごまかし、かけ、賄賂などから得た非合法的な所得を禁じています。窃盗犯や追い剥ぎなどには厳しい刑罰が科せられています。もし証拠が揃えば手首が切断されます。

これらのハッド刑を制定されたのは全知で英知を備えられたアッラーであられます。そして、アッラーは更生すべき人間の情況について充分に知り尽くされています。そして人間には大変慈悲深きお方なのです。アッラーはハッド刑をムスリムの中で犯罪を犯した者の贖罪(カッファーラ)としました。また、ハッド刑はムスリムあるいはムスリム以外が犯した犯罪から社会を守る予防としました。殺人者を死刑にしたり、窃盗犯の手を切断したりすることをあなどる者はイスラームの敵やぺてん師といわれる者達なのです。こういう人達は病にかかった体の部位を切断することをあなどることになります。もし手を切断しなかたったならば社会に腐敗がすぐに蔓延してしまうでしょう(1)。同時にこのような人達は自分たちの不正な目的達成のために無実な人を殺害することを合法化してしまっています。

7.外交政策

アッラーはムスリムやその為政者がムスリム以外の人達に、ドゥンヤー(現世)の物質生活に浸っていることの哀れさを説き、ムスリムが実感している精神的幸福の吉報を知らせ、不信仰の闇からアッラーへの信仰の光(ヌール)へ導くためにイスラームの教えを呼び掛けるよう命じられました。アッラーがムスリムにこのことを命じられたのはムスリムが全人類にとって役立ちかつ全人類を救済するために立ち上がる立派な人間になることにあるからです。これは立派な市民となることだけを人間に求めている人間的な方法とはまったく異なります。後者は腐敗とマイナス面を示す証であるのに、前者はイスラームのよさや完璧さを示す証となっています。

アッラーはムスリムにアッラーの敵に対してイスラームとムスリムを守るために、また、アッラーやムスリムの敵に警告を与えるために出来る限りの力を備えることを命じられました。もし必要であれば、アッラーはイスラーム法に照らしムスリムに非ムスリムと条約を結ぶことを許されました。アッラーはムスリムに敵と結んだ条約を破ることを禁止されました。但し、敵がこれに誠意を見せなかったりあるいは守るべきことを遵守しなかった場合は別です。

非ムスリムとの戦闘にさいし、アッラーは最初に敵にイスラームに入るよう呼び掛けることをムスリムに命じられました。もし拒否したならば、ジズヤ(2)の供出とアッラーの統治に服することを敵に求めます。もし敵が拒否したならば、かれらがアッラーの教えのすべてに服し騒動が収束するまで戦闘が行われます。

戦闘がなされている間、なんらかの形で戦闘に直接あるいは間接参加した者を除いては、婦女子をはじめとする高齢者や宗教に携わっている者など非戦闘員を殺害することをムスリムに禁じました。捕虜に対しては出来るだけ厚遇することを命じられました。これからでも分かるように、イスラームにおける戦いは単に制圧したり搾取したりすることではなく、ハック(真理)や被造物に対する慈悲を広め、かつ被造物の崇拝から創造主であられるアッラーへの崇拝を広めることにあるのです。

 














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2004年 アラブ イスラーム学院