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【第7章 高壁】
(7:82〜7:95)
 

彼の民の返答は、ただこう言うばかりであった、「彼らをおまえたちの町から追い出せ。彼らは身を清める民である」。(7:82)

『彼らを・・・追い出せ』 ルートと彼に従う者たちを・・・追い出せ。

『彼らは身を清める民である』 男色から。

彼らはルートとその追随者を嘲弄し馬鹿にしてこう言った。

そこで、われらは彼と彼の家族を救った。ただし、彼の妻は別で、彼女は後に残った者の一人となった。(7:83)

『彼女は後に残った者の一人となった』 懲罰の中に残った者たちの。

そして、われらは彼らの上に雨を降らした。それゆえ、見よ、罪人の結末がどのようなものであったかを。(7:84)

『われらは彼らの上に雨を降らした』 レンガの石の雨である。そして彼らを滅ぼした。

また、マドヤンには彼らの兄弟シュアイブを。彼は言った、「私の民よ、アッラーに仕えよ。おまえたちには彼のほかに神はいない。おまえたちには明証がおまえたちの主から訪れた。それゆえ、升目と秤を十分に量りきり、人のものに損害を与えてはならない。また、秩序が正された後に地上で害悪をなしてはならない。それはおまえたちにとってより良い。もしおまえたちが信仰者であるなら」。(7:85)

『マドヤンには彼らの兄弟シュアイブを』 われらは遣わした。

「マドヤン」とは父祖マドヤン・ブン・イブラーヒームの名にちなんだ一族名である。シュアイブは、イブン・ミーカーイール・ブン・ヤシュジャル・ブン・マドヤン・ブン・イブラーヒームであり、イスラーイールの子孫の預言者ではないが、血統における兄弟である。「マドヤン」はシュアイブの住む町の名でもある。

『明証が』 奇跡が。

『おまえたちの主から訪れた』 私の真実性について。

『升目と秤を十分に量りきり』 完全に量り。

『人のものに損害を与えてはならない』 減らしてはならない。

『秩序が正された後に』 使徒の派遣の後に。

『地上で害悪をなしてはならない』 不信仰と反逆によって。

『それは』 既述のことは。

『もしおまえたちが信仰者であるなら』 信仰を望む者であるなら。それに向かって急げ。

どんな道でも待ち伏せし、脅かしてはならない。また、信仰する者をアッラーの道から逸らしたり、その歪曲を望んではならない。おまえたちが少なかった時のことを思い起こせ。彼はおまえたちを多くし給うた。そして、見よ、害悪をなす者の結末がどのようなものであったかを。(7:86)

『どんな道でも』 道路でも。

『脅かしてはならない』 人々を脅し、服を奪ったり、彼らから通行税を取ったり。

『信仰する者を』 殺すと脅すことによって。

『アッラーの道から』 彼の宗教から。

『逸らしたり』 去らせたり。

『その歪曲を』 その道を、曲がったものにすることを。

『望んではならない』 求めてはならない。

『見よ、害悪をなす者の結末がどのようなものであったかを』 おまえたち以前の。彼らが彼らの使徒を嘘だと否定したがゆえに。つまり、破滅という彼らの結末を。

おまえたちの中に私が携えて遣わされたものを信じる一団と、信じない一団があるならば、アッラーがわれらの間を裁き給うまで耐えよ。彼は最良の裁定者であらせられる。(7:87)

『信じない一団が』 それを。

『アッラーがわれらの間を裁き給うまで』 おまえたちとの間を。(アッラーの使信を)真理と信ずる者を救い、虚偽と否定する者を滅ぼし給うことによって。

『耐えよ』 待て。

『彼は最良の裁定者であらせられる』 最も公正な裁定者。

彼の民のうち高慢な長老たちは言った、「シュアイブよ、必ずやわれらはおまえと信仰する者たちを共にわれらの町から追放しよう。さもなければ、おまえたちはわれらの宗派に戻るかである」。彼は言った、「われらが嫌っているとしてもか」。(7:88)

『彼の民のうち高慢な・・・』 信仰に対して。

『われらの宗派に』 われらの宗教に。シュアイブはかつて彼らの宗派であったことはなかったが、語りかけでは(「おまえたちは・・・戻るのである」と)複数(シュアイブの民)が単数(シュアイブ)に優先されている。そして、これに沿ってシュアイブも返答している。

『・・・戻るかである』 帰るかである。

『われらが嫌っているとしてもか』 われらがそれ(戻ること)を嫌っていてもそこに戻るというのか。非難の疑問文である。 

「アッラーがわれらを救い出し給うた後でおまえたちの宗派に戻ったなら、われらはアッラーについて虚偽を捏造したことになる。われらにはそこに戻ることなどありえない、われらの主アッラーが望み給えば別であるが。われらの主はすべてのことを知識で包み給う。アッラーにわれらは一任する。われらの主よ、われらとわれらの民の間を真実をもって判定し給え。あなたは最良の判定者であらせられる」。(7:89)

『われらには・・・ありえない』 あるべきでない。

『われらの主アッラーが望み給えば別であるが』 それを。そして、われらを見放し給えば(別であるが)。

『われらの主はすべてのことを知識で包み給う』 彼の知識はすべてを包み、わたしの状況とおまえたちの状況もそれに含まれる。

『・・・判定し給え』 裁き給え。

『判定者』 裁定者。

彼の民のうち信仰を否定した長老たちは言った、「もしもおまえたちがシュアイブに従えば、その時、おまえたちはまさしく損失者である」。(7:90)

『彼の民のうち信仰を否定した長老たちは言った』 彼らの一部の者が別の一部の者たちに言った。

『もしも』 『もしも(la-in)』の「ラーム(l)」は誓いの「ラーム」である。

そこで彼らを大地震が捕え、彼らは家の中で屈んだまま朝を迎えた。(7:91)

『大地震が』 激しい地震が。

『屈んだまま』 死んで、膝の上に身を折り曲げて。

シュアイブを嘘だと否定した者たちはまるでそこに住んでいなかったかのようであった。シュアイブを嘘だと否定した者たち、彼らこそ損失者であった。(7:92)

『シュアイブを嘘だと否定した者たちは』 主部で、次が述部。

『まるでそこに住んでいなかったかのようであった』 『まるで(ka an)』の「an」は促音なし。「ka-an」には主語代名詞が省略されている。つまり、「ka-anna-hum」である。

『そこに』 彼らの住居に。

『住んでいなかった・・・』 居住していなかった。

『シュアイブを嘘だと否定した者たち』 関係代名詞(alladhī)などの繰り返しによる強調である。

『彼らこそ損失者であった』 彼らの先の言葉に言い返したものである。

そこで彼は彼らから離れ、言った、「私の民よ、私は確かにおまえたちに私の主の便りを伝え、おまえたちに助言した。不信仰の民にどうして私が悲嘆しよう」。(7:93)

『彼は彼らから離れ』 彼らから遠ざかり。

『私は確かにおまえたちに私の主の便りを伝え、おまえたちに助言した』 だが、おまえたちは信じなかった。

『不信仰の民にどうして私が悲嘆しよう』 悲しもうか。疑問節であるが、その意味は否定である。

この言葉が彼らに懲罰が下される前に言われたものか、後かについてはサーリフの場合同様、意見が分かれる。

われらが町に預言者を遣わした時には必ずその住民を不運と困難で捕えた。きっと彼らも謙虚になるであろうと。(7:94)

『われらが町に預言者を遣わした時には』 そして、彼らがそれを嘘だと否定した時には。

『必ず・・・捕えた』 罰した。

『不運と』 極度の貧困と。

『困難で』 病気で。

『きっと彼らも謙虚になるであろうと』 謙り、そして信仰するであろうと。

それからわれらは災厄に幸運を置き換え、やがて彼らは数を増やすと言った、「われらの父祖にも苦難と幸福があった」。そこでわれらは彼らを不意に、彼らが気づかないうちに捕えた。(7:95)

『災厄に』 懲罰に。

『幸運を』 富と健康を。

『置き換え』 彼らに与え。

『やがて彼らは数を増やすと』 増えると。

『言った』 その恵みへの感謝を忘れて。

『われらの父祖にも苦難と幸福があった』 ちょうどわれらを訪れたような。それは時のめぐり合わせであり、アッラーからの懲罰ではない。それゆえ、今やっていることに留まれ。そこで至高なる御方は次のように仰せられた。

『そこでわれらは彼らを・・・捕えた』 懲罰で。

『不意に』 突然。

『彼らが気づかないうちに』 前もってその到来に気づかないうちに。


転載:「ジャラーラインのクルアーン注釈」
中田香織 訳
中田 考 監訳
日本サウディアラビア協会出版



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