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【第7章 高壁】
(7:23〜7:37)
 

二人は言った、「われらが主よ、われらは己に不正をなしました。もしあなたがわれらを赦し、慈悲をかけ給わなければ、われらは損失者となります」。(7:23)

『われらは己に不正をなしました』 われらの反逆によって。

仰せられた、「互いに敵として落ちてゆけ。おまえたちには地上に住まいと一定の時までの楽しみがある」。(7:24)

『互いに』 子孫のある者がある者に。

『敵として』 ある者のある者に対する不正によって。

『落ちてゆけ』 アーダムとハゥワーゥよ、そしておまえたちが包括するおまえたちの子孫と共に。

『おまえたちには地上に住まいと』 定住の地と。

『一定の時までの』 おまえたちの寿命が尽きるまでの。

『楽しみがある』 享楽が。

仰せられた、「そこでおまえたちは生き、そこでおまえたちは死に、そこからおまえたちは出てくる」。(7:25)

ハフス&アースィム版:仰せられた、「そこでおまえたちは生き、そこでおまえたちは死に、そこからおまえたちは引き出される」。(7:25)

『そこで』 地上で。

『そこからおまえたちは出てくる』 甦りによって。能動態で「おまえたちは出てくる(takhrujūn)」と読む読誦法と、受動態で「おまえたちは引き出される(tukhrajūn)」と読む読誦法がある(監訳者注:ハフス&アースィム版は後者の読みを採る)。

アーダムはインドのセイロン山に落とされ、ハゥワーゥはジェッダに落とされた。あるいは、アラファ、またはムズダリファであったとも言われる。

アーダムの子孫よ、われらはおまえたちに、おまえたちの陰部を被う衣服と衣装を下した。畏怖の衣服、その方がもっと良い。これはアッラーからの印である。きっと彼らも留意するであろう。(7:26)

『われらはおまえたちに・・・衣服・・・を下した』 それをおまえたちに作った。

『陰部を被う』 隠す。

『衣装を』 それによって身を飾るものである装束を。

『畏怖の衣服』 正しい行い、正しい道。『衣服』は、対格で語末の母音を「a」で「libāsa」と読めば『陰部を被う衣服を』に接続するが、主格で語末母音を「u」で「libāsu」と読んだ場合には主部で、その述部は『その方が・・・』である。

『アッラーからの印』 彼の力を証しする。

『きっと彼らも留意するであろう』 そして信じるであろう。ここでは、二人称から三人称に人称が移っている。

アーダムの子孫よ、シャイターンがおまえたちを惑わすことがあってはならない。ちょうど彼がおまえたちの祖先の二人から陰部を見せるために衣服を奪い、彼らを楽園から追い出したように。彼と彼の一味は、おまえたちが彼らを見ていないところからおまえたちを見ているのである。まことにわれらはシャイターンを信仰しない者たちの友となした。(7:27)

『シャイターンがおまえたちを惑わすことがあっては・・・』 迷わすことがあっては。

『・・・ならない』 つまり、彼に従ってはならない。そうすればおまえたちは惑わされる。

『ちょうど彼が・・・追い出したように』 誘惑によって。

『おまえたちの祖先の二人から陰部を見せるために衣服を奪い』 状態の副詞的修飾句。

『彼と』 シャイターンと。

『彼の一味は』 彼の手勢は。

『おまえたちが彼らを見ていないところからおまえたちを見ているのである』 彼らの体は繊細であるため、あるいは色がないため。

彼らの体は空気のようで、われらはそれを知り、それを確かなものとするが、見ることはないのである。

『信仰しない者たちの友と』 助け手、相棒と。

彼らは不道徳をなすと、言った、「われらはわれらの祖先がそうしていたのを見た。アッラーがわれらにこれを命じ給うたのである」。言え、「まことにアッラーは醜悪を命じ給わない。おまえたちはアッラーについて、おまえたちの知らないことを言うのか」。(7:28)

『不道徳を』 多神教を。「われらはアッラーに背いた時に着ていた服で周回礼(タワーフ)はしない」と言って裸でカアバ聖殿の周りを回ることなど。それでそうしたことは彼らには禁じられた。

『われらはわれらの祖先がそうしていたのを見た』 それでわれらは彼らに従ったのである。

『アッラーがわれらにこれを命じ給うたのである』 同様に。

『言え』 彼らに。

『おまえたちはアッラーについて、おまえたちの知らないことを言うのか』 彼(アッラー)がそのようなことを仰せられたと。非難の疑問文である。

言え、「私の主は公正を命じ給うた。また、どのモスクにおいてもおまえたちの顔を真っすぐにし、一心に彼に宗教を捧げて祈れ。彼がおまえたちを創始し給うたようにおまえたちは戻るのである」。(7:29)

『公正を命じ給うた』 正義を。

『どのモスクにおいても』 つまり、彼におまえたちの跪拝を一心に捧げよ。

『おまえたちの顔を』 アッラーの方に。

『真っすぐにし』 意味的には『公正』に接続する。つまり、公正をなし、真っすぐにせよ、と仰せられたのである。あるいは、この前に、「キブラ(礼拝の方角)の方を向け」が隠れている。

『一心に彼に宗教を捧げて』 多神教から離れ。

『祈れ』 彼に仕えよ。

『彼がおまえたちを創始し給うたように』 おまえたちがまだなにものでもなかったところで、おまえたちを創造し給うたように。

『おまえたちは戻るのである』 つまり、復活の日、彼はおまえたちを生き返らせ給うのである。

一部の者を彼は導き給い、一部の者には迷妄が相応しいものとなし給うた。まことに彼らはアッラーをさしおいてシャイターンを友とし、導かれていると思い込んでいる。(7:30)

『一部の者を』 おまえたちのうち。

『アッラーをさしおいて』 つまり、彼のほかに。

アーダムの子孫よ、どこのモスクでも飾りを着けよ。そして飲み、食べ、度を越してはならない。まことに彼は度を越す者を好み給わない。(7:31)

『どこのモスクでも』 礼拝と周回礼の時には。

イブン・アッバースによると、アラブ人はカアバの館を、男は昼間に、女は夜中に裸で周回礼し、「われらはアッラーに背いた服を着て周回礼はしない」と言っていた。

『飾りを着けよ』 おまえたちのアウラ(恥部)を隠すものを身に着けよ。

『そして飲み、食べ』 おまえたちの望むものを。

アル=カルビーによると、アーミル族は巡礼の最中、巡礼への敬意を表すため、主食しか食べず、肉も脂肪も食べなかった。そこでムスリムたちも彼らがするようにしようとした。それに対してこの節は下された。肉も脂肪も食べよ、ということである。

『度を越してはならない。まことに彼は度を越す者を好み給わない』許されているものを禁じたり、禁じられているものを犯したり、食べ物に過度になることである。

言え、「アッラーが彼のしもべたちに与え給うた装飾や糧のうち良いものを禁じた者は誰か」。言え、「それらは現世では信仰する者たちのためにあり、復活の日にはとりわけそうである」。こうしてわれらは知る者たちに印を解明する。(7:32)

『言え』 彼らを非難して。

『アッラーが彼のしもべたちに与え給うた装飾や』 衣服のうち。

『糧のうち良いものを』 おいしいものを。

『それらは現世では信仰する者たちのためにあり』 権利がある。たとえ、それ以外の者が彼らとそれを分かちあうとしても。

『とりわけそうである』 『とりわけ』を「khālisatun」と語尾を母音「u」とし、主格で読む読誦法によれば、「彼らにとりわけられたものである」(つまり、『それらは』の第二の述部)。「khālisatan」と母音を「a」で対格として読む読誦法によれば、これは状態の副詞的修飾句。

『こうしてわれらは・・・印を解明する』 われらはこのような解説でそれを明示する。

『知る者たちに』 反省する者たちに。なぜなら、彼らはそれに益を得る者たちだからである。

言え、「私の主が禁じ給うたのは、不道徳で表面に現れたものと内面に隠れたもの、罪と不当な侵害、さらに、それについて権威を下されていないものをアッラーと同位に置くこと、そしてアッラーについて知らないことを言うことだけである」。(7:33)

『不道徳で』 姦通のような大罪。

『表面に現れたものと内面に隠れたもの』 明らかなものと密かなもの。

『罪と』 反逆と。

『不当な』 不正な。

『侵害』 人々に対する。

『それについて』 彼(アッラー)と同位の者とすることについて。

『権威を』 根拠を。

『アッラーについて知らないことを言うこと』 禁じ給うていないものを禁じることなど。

どの共同体にも期限がある。それゆえ、その期限が訪れた時には彼らは一刻も遅らせることはならず、早めることもならない。(7:34)

『期限が』 期間が。

『彼らは一刻も遅らせることはならず』 それから。

『早めることもならない』 それに対して。

アーダムの子孫よ、おまえたちの中から使徒がおまえたちに訪れ、おまえたちにわれの印を語ることがあっても、畏れ身を守り、正した者に恐怖はなく、彼らは悲しむこともない。(7:35)

『語ることがあっても』 『・・・ことがあっても(immā)』は、条件詞「in」の「ヌーン(n)」が虚字の「mā」に吸収・同化したもの。

『畏れ身を守り』 シルク(多神教)を。

『正した者に』 自らの行いを。

『恐怖はなく、彼らは悲しむこともない』 来世で。

われらの印を嘘だと否定し、それに対して高慢な態度を取る者、それらの者は獄火の仲間であり、彼らはそこに永遠に留まる。(7:36)

『高慢な態度を取る者』 思い上がり、そのために、それを信じない者。

アッラーについて嘘を捏造したり、彼の印を嘘だと否定する者以上に不正な者が誰かあろうか。それらの者には書からの彼らの分け前が訪れる。それからついにわれらの使いが彼らを召し上げるために訪れると、言った、「おまえたちがアッラーのほかに祈っていたものはどこにいるのか」。彼らは言った、「彼らはわれらからはぐれ去った」。そして彼らは己に反して、自分たちが不信仰者であったことを証言する。(7:37)

『アッラーについて嘘を捏造したり』 共同者や子供を帰属せしめることによって。

『彼の印を』 クルアーンを。

『嘘だと否定する者以上に不正な者が誰かあろうか』 誰もいない。

『書からの』 「護持された書板(アル=ラウフ アル=マフフーズ)」に彼らのものと書かれた糧、寿命、その他の。

『彼らの分け前が』 彼らの運が。

『訪れる』 もたらされる。

『われらの使いが』 つまり、天使たちが。

『言った』 叱責して。

『おまえたちがアッラーのほかに祈っていたものは』 仕えていたものは。

『彼らはわれらからはぐれ去った』 いなくなった。それでわれらは彼らを見つけられない。

『そして彼らは己に反して・・・証言する』 死の際に。


転載:「ジャラーラインのクルアーン注釈」
中田香織 訳
中田 考 監訳
日本サウディアラビア協会出版



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2006年 アラブ イスラーム学院